趣味は「読書」ですから

毎日、本が読めて、美味しいお酒が飲めて、走って、そして楽しい仕事が出来る。それが一番。何事もなく、今日も読書が出来ることに、本当に感謝です。

2016-10-01から1ヶ月間の記事一覧

不幸な美

「ミハスの落日」(2/144) 世界を旅するミステリ スペインのミハス ストックホルム サンフランシスコ インドネシア そして、エジプトのカイロ この秘密を隠し続けることを決意した人 思いがけず秘密を暴いてしまった人 秘密が出来てしまった人 そして、秘密を…

次、生まれ変わるならば…

「胡蝶殺し」(1/144) さて、新シーズン突入の一冊目 家に読みかけの文庫を忘れてしまい 慌てて空港の売店で探したところ…お、近藤の新刊か? ま、彼女ならばハズレなし 正解でした 梨園、歌舞伎の世界の話です それも御曹司、つまり二世、子供がテーマです …

最優先課題

「スリーパー」(166/144) やはり 国の思惑は 人の命よりも重い 国のためならば 人の「命」なんてゴミみたいなものなんですよ そして 人にとって 国なんてものは突き詰めれば「一組織」に過ぎないんですよ では、何が一番、重いのか 最優先事項は何なのか 家…

登りたい。

「山女日記」(165/144) うわー 山、登りてぇー 湊っぽくないけど 湊の技巧をたっぷり楽しめる作品 これは凄い 山を登る時のあの感覚が蘇る 登って またその分降りるという 非常に「無駄」な動きが登山の本質だと思う 移動ではない スピードや距離を争うこと…

心地よい作家と作品の距離

「よるのふくらみ」(164/144) これは分かる いいね いんらんおんなの話なのです その隣にいる兄弟の話でもあるのです 好きという気持ち、現象に対して 真摯な態度で立ち向かう感じが素晴らしい 主人公の女性の 性欲がムクムクと立ち上がってくる感じは キレ…

忍、忍、忍

「とっぴんぱらりの風太郎・上」(162/144) 「とっぴんぱらりの風太郎・下」(163/144) 万城目なので このタイトルから判断するに 現代に生きる忍者の末裔の話かと思いつつ頁を開く お、お城のシーン 映画の話なのかな… あれ あれれ 何かが違うぞ ま、まさか …

西澤保彦は実にヤバい

「聯愁殺」(161/144) うん こう来るんだ このだまし方は凄い え、それ卑怯じゃん! と最初は反射的に思うのです でも よくよく考えると 全く卑怯じゃなくて…脱帽 すみませんでした 物語の「表層」は 未だ犯人が逮捕されない 連続殺人事件の被害者だけど 偶然…

ここまで読んでほしいな

「転落の街・上」(159/144) 「転落の街・下」(160/144) ボッシュ・シリーズ またまた凄いです 過去の殺人事件の解決の小さな糸口が その糸口が 8歳の少年で 今は「性犯罪者」であることが判明 ですが そこから事件は全く想像できない方向に進みます もう一つ…

ソマリア、戦闘、命

「土漠の花」(158/144) これは戦争なのか? ただ 本能のままに動いているだけの サバイバルなのでは いや、違うな 本当にサバイブしたいならば無駄な戦闘はしないはず 舞台はソマリア 陸上自衛隊第一空挺団の精鋭が 先頭に巻き込まれる そこに法は存在しない…

中央区に住んで本当に良かった

「祈りの幕が下りる時」(157/144) 加賀シリーズ ある意味クライマックス そして、数々の橋 柳橋、浅草橋、左衛門橋 常盤橋、一石橋、西河岸橋、日本橋、江戸橋、鎧橋、茅場橋、湊橋、豊海橋 川、運河、水、これが東京 嬉しくなって 読み終わった次の日に 全…

京都じゃなくちゃ

「聖なる怠け者の冒険」(156/144) 森見ワールド炸裂 それに尽きます この爆風を受け止めるのか、流すのか それは読者の自由です 僕は、全身で受け止めました あ〜楽しい楽しい 京都の町に出没する「ぽんぽこ仮面」 根っからの怠け者の主人公・小和田君が ぽ…

悪い奴の描き方

「代償」(155/144) 小説には 様々な悪い奴が登場する その悪い奴のパワーが大きいほど そいつを倒した時の「悦び」は大きくなる ま、倒せないまま、生き延びていくという話もありますが やはり、王道は「悪は滅びる」である 本作品の悪い奴も かなり悪い奴で…

意見が分かれるね

「仮面同窓会」(154/144) ネタバレになっちゃうな これ、何を書いても 最初に提示される物語の構図は ・久しぶりの同窓会 ・ヤンチャ四人組が当時のムカついていた先生に仕返しを計画する ・仕返しをする(拉致して軽く暴力) ・次の日、その先生が殺されて…

骨太犯罪小説

「後妻業」(153/144) 映画の宣伝に引っ張られてました 後妻の業を描いている作品ではないのです 後妻業というビジネス(=犯罪)と それに対抗する司法サイドとの 骨太なバトルを描いた立派な犯罪小説なのです いや、大竹しのぶが出てくると 彼女がコアにな…

重い、を越えた何か。性欲とは、何か。

「しろいろの街の、その骨の体温の」(152/144) 祝、芥川賞 初読です 小学校、中学校の話は 本当に重い そこに 女性からの不気味=純粋な性欲が絡む本作品は 衝撃的… スクールカーストの中 息苦しい毎日 そこから逃げるための性欲とは少し違う 彼女的には 彼…