趣味は「読書」ですから

毎日、本が読めて、美味しいお酒が飲めて、走って、そして楽しい仕事が出来る。それが一番。何事もなく、今日も読書が出来ることに、本当に感謝です。

2012-11-01から1ヶ月間の記事一覧

弱者は負ける。だけど……

「ひまわり事件」(18/144) 荻原浩の小説は ある意味、残酷だ 弱者が強者に立ち向かう そこそこまでは、「反逆」は成功する がしかし、最後には そこそこの、冷たい「現実」が待っている その冷たい現実に翻弄される人間の 優しさ、誠意、勇気 それと同時に …

(ちょっと偉そうに書きますが)道尾はこの方向で良いと思う

「光媒の花」(17/144) 玄侑宋久の解説を引用します 〜(前略)ほどなく頭に何の冠もつかない ただの「小説」を書くようになっていったのである。 連作短編集 それも山本周五郎賞受賞作品 ミステリでもホラーでもないただの小説です 6つの作品が作り出す風景…

気持ちが悪いという気持ち

「静かにしなさい、でないと」(16/144) Bとは「ブス」のこと 容姿が 日本の一般的常識から見て 整っていない女性のことを指します B以外のテーマもありつつ短編6つ Bの他に「気チガイ」というカテゴリーの女性の話もあります どれも流行りの言葉で言えば「…

16桁

「ソウル・コレクター 上」(14/144) 「ソウル・コレクター 下」(15/144) リンカーン・ライム・シリーズ、8つ目 今回の敵はちょっと強すぎかと なんか、非現実すぎて、興醒めかなぁ…… って、読みながら、思っていたのですが 実は 現実が 既に 小説を 越えてし…

所謂、1080

「イニシエーション・ラブ」(13/144) ラスト2行の大どんでん返し 80'sの甘いラブストーリーが トレンディな恋愛ゲームが 全く別の顔を見せる 正直に言いますと 読後、全く、この小説の「仕掛け」がわかりませんでした ラスト2行で全部ひっくり返されたのです…

ここまで強いと、いいね

「もぐら」(12/144) 最近、書店で猛プッシュされている本シリーズ 押されているには訳がありました 閉そく感を打ち破る主人公・影野竜司の強さ 法を破ることも気にしないソウル お金に固執しないスマートさ 圧倒的な暴力的パワー 今の小さく縮こまった社会を…

おかえりなさい、タック

「身代わり」(11/144) ひさしぶりだ 彼女が死んだ夜 麦酒の家の冒険 仔羊たちの聖夜 スコッチゲーム そして… 依存 個人的には2004年に一気読みしていたみたいです 震える読書、だったのを覚えています 匠千暁、高瀬千帆、羽迫由起子、辺見祐輔 この四人の登…

こんな犬なら、好きになれるのに

「伏 贋作・里見八犬伝」(10/144) 犬、苦手です…… 本当に、勘弁してほしいです…… でも、この作品の、犬ならば 好きになれる、というか、一緒に生きていけそうな気がします お互いに「生き物」としての立場を尊重しあって…… 江戸の町に潜む人間と犬のあいのこ…

好き、か

「好き好き大好き超愛してる。」(9/144) こんな恋愛 してみたいよね 今週末、見に行く舞台の原作です 知り合いの出演者から 先に読んでおいた方が良いよ、とのアドバイスを受けました 映画でも、舞台でも、読書でも 前知識(限りなく)ゼロで臨みたい主義な…

死刑とは何か

「自白・下」(8/144) ……考えさせられる このグリシャムの思いに どう応えれば良いのだろうか 自分は、死刑に関しては「肯定派」です 本作品を読んでも 基本的な考え方は変わりませんが 死刑の捉え方は変わりました 死刑は無期懲役の上位 という認識は なんか…

信じる思い、信じ抜く力

「自白・上」(7/144) まだ上巻ですが 熱い この根拠を越えた熱さ 帯に真山仁が 〜これは作家の魂の叫びだ。 と記している まさに、叫びだ 無実の罪で逮捕され ※まさか下巻で「無実じゃなかった…」、な〜んて可能性もなくはないが。。。 死刑まであと四日 彼…

人は見た目。100%、見た目。

「モンスター」(6/144) 途中、泣きそうになった 切なすぎて そしてリアルすぎて 誰もが認める「超」ブスな女性が 整形手術を重ねて誰もが振り向く「ウルトラ」美人に変身する ビフォワーからアフターに切り替わるその瞬間の気持ちが 泣けた 本当に電車の中で…

紙に筆記用具で文字を書く喜び

「往復書簡」(5/144) 直筆、いまや魔法 その魔法を こんなに上手に活字で表現してくれるなんて 確かに、この手法の小説は多々あります でもそれは この手法が圧倒的に優れているから シェイクスピアが今でも演じられているのは そのシェイクスピアの手法が普…