趣味は「読書」ですから

毎日、本が読めて、美味しいお酒が飲めて、走って、そして楽しい仕事が出来る。それが一番。何事もなく、今日も読書が出来ることに、本当に感謝です。

2016-01-01から1年間の記事一覧

ポジティブなファンタジーで年を締め括れるなんて!

「総理の夫」(30/144) 最初に この作品を ファンタジーと呼ぶことが出来なくなる世の中を 僕は、各論反対総論OKで支持します で、日本についに女性総理大臣が それも最年少 そんなファンタジーを 総理の夫が語る素敵なフィクションです これがファンタジーた…

行ってみたいな、軍艦島

「海と月の迷路・上」(28/144) 「海と月の迷路・下」(29/144) 舞台は長崎の軍艦島、でしょう 時代は昭和30年代、島の最盛期の話です 5000人が密集する島は 一つの不思議な生き物のように 独自の生態系を作っています 不要な摩擦を引き起こさないように 不思…

もしも、もしも、もしも…

「高い城の男」(27/144) もしも 第二次世界大戦で 日独伊が勝利していたら… 1960年代に発表されたSFの名作です 作品の中の世界では 「もし米英が戦争に勝っていたら」作品 がヒットしているという設定の妙 現実を720度ひっくり返す なかなかこの作品の世界に…

悪意にはクールで

「依頼人は死んだ」(26/144) 葉村晶シリーズの二作目 前に四作目を読み衝撃を受け 五作目が評判なので これを機に全て読もうとして 短編集です 事件の背景にある状況が 悲しいというか、切ないというか、やりきれないというか 人間の悪い部分を 白日のもとに…

感想といわれても、ねえ

「キウイγは時計仕掛け」(25/144) 森のGシリーズ これで9作目 これだけ読んでも意味がありません Φは壊れたねΘは遊んでくれたよτになるまで待ってεに誓ってλに歯がないηなのに夢のよう目薬αで殺菌しますジグβは神ですか そして、本作キウイγは時計仕掛け 本…

本格ですから

「体育館の殺人」(24/144) 本格ミステリなので 無理やりな状況とか 強引なキャラクター設定とかでも 良いのです ま、主人公名探偵のヲタクなフレーズは ちょっと邪魔でしたけど(笑) とある放課後 高校の体育館で殺人が 状況は、よくよく考えると密室 様々…

このお母さん、最高

「だから荒野」(23/144) 簡単に言ってしまえば 壊れた家族の物語 自分の誕生日を旦那と長男に「侮辱」された母が 車で突然家出する話です ドラマ化されていたとは知りませんでした 両親と長男、次男の四人家族 まあ、全員、平凡だし それぞれ悪い部分を持っ…

物語は、この結末を待っていた!

「シャドウ・ストーカー 上」(21/144) 「シャドウ・ストーカー 下」(22/144) 前のブログと正反対のことを言っています(笑) ディーヴァーの用意した結末に 読者は、酔いしれることでしょう さすが、キング・オブ・大どんでん返し! 若手のカントリー女性歌…

起承転結で一番大事なのは「結」ではない

「首折り男のための協奏曲」(20/144) 七つの短編 で、注意 その七つの短編が複雑に絡み合い 最後に全ての関係性が解き明かされて 大きな一枚の絵になる って物語じゃありませんから!!! そういう作品が読みたい方は避けたほうがいいです でも、全く関係な…

文字にした瞬間、ネタバレなのです

「神様が降りてくる」(19/144) 白川道、最後の作品 ご冥福をお祈りします 沖縄を舞台にしたクライム・ミステリです 自分の実の父を「追いかける」女性と その彼女に付き添う作家の物語 以下、ネタバレです ま、これだけで、そういう話か想像つくかもしれませ…

朝井リョウあさのあつこ伊坂幸太郎恩田陸白河三兎三浦しをん

「X`mas Stories」(18/144) キラ星のごとき作家たち とはいえ あさのあつこ、白河三兎は初読でした ビックリ クリスマスの短編集 伊坂は既読でした 同一素材だと 各作家の「味」が引き立ちますよね 得意技を繰り出してくるので どれが一番か… うーん 悩まし…

もう、傷つかないで…

「傷だらけのカミーユ」(17/144) イレーヌ、アレックス、そしてカミーユ この邦題は好きです ある箇所から 全く物語の結末に望む「思い」がガラリと切り替わる この読書体験 どんでん返しとは一味違ったカタルシス 是非! でも、出来れば、イレーヌとアレッ…

合衆国の大河ドラマ

「警察署長・上」(15/144) 「警察署長・下」(16/144) 1982年作品 日本では1987年に発表された警察小説の名作 1919年から第二次世界大戦を乗り越えて1960年代まで続く合衆国の歴史を 生活者目線でリアルに描いているような気がします 警察小説というよりは 警…

かわいそうな女探偵?

「貴族探偵対女探偵」(14/144) ふざけているのか 真面目なのか いや、やはりふざけているのか 惑わされながら 実にソリッドな王道の謎解きミステリを堪能する 短編が5つ ま、全ては最後の話のネタ振りなんですがね 基本的には 偶然、事件に遭遇する女探偵 …

ありがとう、JK

「ハリー・ポッターと呪いの子」(13/144) ハリー・ポッターを 1から7まで 全て読んだ(観たじゃないよ)人へのプレゼントでした 脚本形式だったので 読むのを躊躇していたのですが 友人のハリー好きに 「2時間で読めるから、読んで!そして、語り合おう!…

AIに詳しい人は、これをどう読み込むのだろうか?

「デボラ、眠っているのか?」(12/144) 今更気がつくなんて なんて鈍感なんだろう、と思いましたが 仕方がありません それが 今の私のスペックなのですから Fからつながる森作品は 結局 生命とは何か ということを問い続けているだけなのですね Wシリーズ第…

80年代の匂ひ

「標的はひとり」(11/144) 1987年のスパイ小説 日本人で凄いスペックの高い工作員、加瀬 暗殺者の物語 テロリストと戦う男は 過去は所謂「殺しのライセンス」を持つ組織の者 そこから離れて フラフラしているところに 殺しの依頼が 携帯電話もインターネット…

迷う、読者、死を、弄ぶ

「鏡の花」(10/144) 久しぶりに酔いしれました 間違いない 道尾クオリティ パラレルワールドに迷い込んだ読者は この迷宮から 抜け出すことが出来るのでしょうか? 6つの作品 最初の作品から次の作品に進んで おやっ、と思う あれ、生きてる どうやら、死ん…

そこに悪意はあるのだろうか

「星々たち」(9/144) 単純に面白い 読んでいてドキドキする 母、娘、その娘 普通に考えれば「不幸」な女三代の物語 別に、何をするわけでもない 明確な悪意もないだろう ただ、生きていた 流されていた そのまま、ありのまま そんな全くドラマチックでない光…

山にはパリピは居ない

「八月の六日間」(8/144) 山と女性 羨ましい関係だ 女性編集者が 30、40、50代と その時々の思いを持って山と向き合う 一人で登る 偶然出会った人の一時同行する 山で再開する 男ではちょっと違った展開になるだろう 人間関係が 濃くなったり、逆に希薄にな…

一気に、核心へ。

「凶器は壊れた黒の叫び」(7/144) これで終結? いや、違うか? そんな、様々な余韻を残す、階段島シリーズ第4弾 ちなみに、この作品は必ず1から読んでくださいね 全く意味が分かりませんから いなくなれ、群青→その白さえ嘘だとしても→汚れた赤を恋と呼ぶん…

こんなオナニー、はじめてです

「タダイマトビラ」(6/144) この切り口にはビックリ 衝撃、走りすぎです 「カゾクヨナニー」 エロじゃないオナニー 通常に描かれる家族像とは あまりにもかけ離れた家族で生きる 主人公の少女が 家族欲を満たすために行う 自らを自らで満足させる行為のネー…

重厚。

「われらが背きし者」(5/144) 重くて 暗い 地味である 何の話なのか分からない 展開が遅い これぞ、ル・カレ この雰囲気に圧し潰されそうになりながら 読書を進める 登場人物たちも きっと、こんなプレッシャーを受けているのだろう 文字だけで これだけ圧迫…

反省しました。これから気をつけます。

「闇に香る嘘」(4/144) 一級のミステリだと思います でも ミステリの要素以上に 失明した主人公、目の見えない、盲目の人の 生活の描写に ちょっとショックを受けました はじめて 盲目の世界に触れました こういう努力をしているのか… 想像を絶してました い…

名探偵の活躍

「古い骨」(3/144) 名作です 1987年作品 骨太な迷いなきミステリ 複雑な家族関係 遺産相続 ナチスとレジスタンスの抗争 第二次世界対戦の傷跡 裏切り者と英雄 そして、邸宅の地下から古い骨が 骨から事件の真相に迫る スケルトン探偵ギデオン・オリヴァー 事…

不幸な美

「ミハスの落日」(2/144) 世界を旅するミステリ スペインのミハス ストックホルム サンフランシスコ インドネシア そして、エジプトのカイロ この秘密を隠し続けることを決意した人 思いがけず秘密を暴いてしまった人 秘密が出来てしまった人 そして、秘密を…

次、生まれ変わるならば…

「胡蝶殺し」(1/144) さて、新シーズン突入の一冊目 家に読みかけの文庫を忘れてしまい 慌てて空港の売店で探したところ…お、近藤の新刊か? ま、彼女ならばハズレなし 正解でした 梨園、歌舞伎の世界の話です それも御曹司、つまり二世、子供がテーマです …

最優先課題

「スリーパー」(166/144) やはり 国の思惑は 人の命よりも重い 国のためならば 人の「命」なんてゴミみたいなものなんですよ そして 人にとって 国なんてものは突き詰めれば「一組織」に過ぎないんですよ では、何が一番、重いのか 最優先事項は何なのか 家…

登りたい。

「山女日記」(165/144) うわー 山、登りてぇー 湊っぽくないけど 湊の技巧をたっぷり楽しめる作品 これは凄い 山を登る時のあの感覚が蘇る 登って またその分降りるという 非常に「無駄」な動きが登山の本質だと思う 移動ではない スピードや距離を争うこと…

心地よい作家と作品の距離

「よるのふくらみ」(164/144) これは分かる いいね いんらんおんなの話なのです その隣にいる兄弟の話でもあるのです 好きという気持ち、現象に対して 真摯な態度で立ち向かう感じが素晴らしい 主人公の女性の 性欲がムクムクと立ち上がってくる感じは キレ…