趣味は「読書」ですから

毎日、本が読めて、美味しいお酒が飲めて、走って、そして楽しい仕事が出来る。それが一番。何事もなく、今日も読書が出来ることに、本当に感謝です。

2007-01-01から1年間の記事一覧

2007年の一番

2007年の「自分」の結果発表です。 転職した影響で、 ライブの総体験数が1/3に減少しているのが特徴かと。 来年も出来る範囲で(自分の中で)頑張ります。 ■書籍=139冊読了<一番> 「終着駅」白川道<次点> 「あかんべえ」宮部みゆき 「クリスマス・プレ…

一読で二度。

「凶笑面」(27/122) 友人から薦められて読みました。 ただのミステリーとは、違いました… 知的で攻撃的。 脳味噌がザワザワと騒ぎ出す。 ちょっと興奮、それも新しいタイプの。 民俗学とミステリー(本作では殺人事件)が完全に一体化。 両方の謎を解くこ…

夢の国から、こんにちは、さようなら

「まひるの月を追いかけて」(26/122) クリスマスから年末にかけて、 何かと世間が気忙しい中、 この素敵な作品に出合えた偶然に感謝。 恩田陸の仕掛ける、 夢の世界は、優しさと同じくらいの残酷さが表裏一体で存在する。 醒めない夢は無い。 優しいだけの…

聖なる暴力。。。

「悪の華」(25/122) なぜ、人は、 暴力を憎みつつ、 憧憬の念を抱くのか… 新堂冬樹の、 冷たくも血潮溢れんばかりの文字の波が、 人の心を、 疑念の暗闇に陥れる。 そこに小説のエクスタシーを感じないわけにはいかないのである。 イタリア、 シチリアマフ…

面白い小説とは、多分、こういうこと

「石の猿・下」(24/122) ジェフリー・ディーヴァーに感謝。 そして、 翻訳の池田真紀子に感謝。 いやあ、面白い。 ネタばれになるんで、何も書けませんが、 まさか、ここに裏切りが… 主人公は(お約束で)死なないと、 頭ではわかってはいるものの、 ドキ…

冴えた小説、読みませんか

「石の猿・上」(23/122) おなじみ「リンカーン・ライム」シリーズ。 ジェフリー・ディーヴァー、冴えまくり。 頭脳明晰。 だけども、所詮、人間なんて感情の動物。 正義と欲望。 そして生きることへの切なる願いが錯綜する。 舞台はニューヨーク。 始まり…

トリックの美しさと犯罪の悲しさと

「硝子のハンマー」(22/122) エクセレントなミステリー! 日本推理作家協会賞受賞、納得! 何層にも重ねられたトリックのハーモニー。 マエストロ貴志祐介に操られる快感。 こんな密室殺人ミステリー、読んだことない。 不可能が可能になり、また不可能に…

よくぞ、ここまで抑制してくれました

「殺人にうってつけの日」(21/122) ブライアン・フリーマントルって、 本当に大人の作家ですよね。 本作品、基本線は仮釈放された男の復讐劇。 その男が、凄い悪人で、スパイで、裏切り者で、女にルーズで。 でも、凄く地味。 いくらでも、激しく大げさに…

凄い筆の力だ!

「チーム・バチスタの栄光 上」(19/122) 「チーム・バチスタの栄光 下」(20/122) 前々から気になっていた本作品。 祝!文庫化。即、読み。 で、正直、タイトルだけみて、勝手にサッカーの話だと思ってました。。。かたじけない。 で、凄い、一流の医学ミ…

作家デビュー

「アストロノト!」(18/122) 面白くて、ちょっと(いや、かなり・・・)おかしくて、素敵な友人が、 遂に作家として、処女作を脱稿しました! や、めでたい。 あな、嬉しい。 で、羨ましい。。。 これが本作品です。 所謂、ライトノベルです。 実は、ライ…

古代文明→怪物→資本主義→人間性

「石の血脈」(17/122) 1971年、半村良作品。 36年前の時代背景で物語は進行する。当然。 だけど、古臭さは皆無。時代を超える力が、そこにあるのでしょう。 急展開の連続。 プロローグの泥棒話から、もう話はどこに行くのか? 頁を捲るたびに、読者は翻弄…

答えはシンプルに

「闇先案内人・下」(16/122) 上巻で抱いた疑問の答え。 プロの要件は、 相手の立場で考える事が出来る想像力に長けていること。 それっきゃないでしょ。 大阪、京都を経由して、最後の舞台は東京へ。 葛原は駆け抜ける。 陰謀が渦巻く。 でも動機は、人そ…

プロフェッショナル

「闇先案内人・上」(15/122) プロフェショナルに憧れます。 なりたいです! でも、どうしたら、そういう存在になれるのか? その答えは、なかなか見つかりません。 本作品、プロの「逃がし屋」の話です。 訳ありの人を、綺麗さっぱり消し去ってしまう仕事…

重い頁

「ポー・シャドウ 下」(14/122) エドガー・アラン・ポーの死。 その謎(事実です)を解き明かす、 ノンフィクションとフィクションが交錯した本作品。 さすがに手こずりました。 今朝、読了です。 いやあ、本を読んだって感じ。 頁が重いんですよね。 19世…

脳を駆使する読書のエクスタシー

「ポー・シャドウ 上」(13/122) 19世紀半ばの ボルティモアでの エドガー・アラン・ポーの 死の謎を解明するストーリー。。。 まじ、ありえないでしょ。 だから、何? 何が言いたいの? でも、その理不尽さを脳味噌で受け止めるのが、 活字の世界で遊ぶ理…

僕には、無理です

「サウスバウンド・上」(11/122) 「サウスバウンド・下」(12/122) 奥田英朗の語り口、というかペンタッチ。 ああ、読んでいて気持ちが良い。 最後まで書ききらない、微妙な加減。 熱い思いと、冷たい視線が絡み合う。 その奥田が作り出した世界観の中で…

面白い、って言ってしまって良いのか?

「M8」(10/122) 凄い面白いです。 こんな「地震」小説、はじめて! 非常にリアルであるが、 ちゃんとしたフィクションとして成立している。 マイクル・クライトン風、って感じ? ある時は冷静な描写。 その中に、感情移入できるシーンが、 適度に織り込ま…

信じるという才能、勇気、決断。それは力。

「駆けこみ交番」(9/122) 最近、疑惑・裏切系の作品ばかり読んでいたから、 より強く感じたのかもしれません。 人を疑うのは、簡単です。 信じるという行為の「凄さ」を感じました。 乃南アサだからこそ書ける作品でしょう。 ジャンルで言えば、警察小説。…

で、正義とは

「暗殺のアルゴリズム・下」(8/122) やっぱり、 テーマは、 何が正義? ラドラムの勢いのままに読了。 結末は、まあ、ある程度、読めてはしまいますが、 本作では、ここにポイントがあるわけではなく。 もちろん、ハリウッド映画化してしまえば、 素敵な作…

アクション、謀略、基本です

「暗殺のアルゴリズム・上」(7/122) うーむ、ラドラム節、炸裂。 発見された遺稿なのかはともかく、 固い、うまい、面白い。 適度に情報を抜いて、文章を綴っていることにより、 危険さと切迫感を演出しているのではないでしょうか。 舞台は全世界。 敵は…

スーパーなヒーロー

「臨場」(6/122) この警察小説の主人公は検死官。 現場での初動捜査。 死者から、事件を読み取る男、倉石。 横山秀夫作品では珍しいのでは。 こんなにカッコよく、優れた、イカした男が主人公を張るなんて。 出来すぎ! 何しろ仕事ができる。 組織の上に強…

度合いの選択

「被曝海域・下」(5/122) かくして、 世界は核兵器テロの危険を、 無事、回避したのであった… まあ「オプ・センター」シリーズならではの大味な展開。 予想通りですね。 ラストの空港でのアクションシーンは、良く出来てました。 ただ、ボブに色恋沙汰とは…

これが北米人というものか

「被曝海域・上」(4/122) 久しぶりのトム・クランシー。 もう、彼の作品はオプ・センター・シリーズしか読んでないから、久しぶり? 正確にはピチェニックとの共著か… 今回は北米と。 オーストラリアと。 シンガポールと。 そして勿論、テロリストと。 核…

!!!!、痛快、350ページ

「犯人に告ぐ・下」(3/122) いやー、一気読み。 マジでエンタテインメント小説。 それも極上の。 テレビのニュース番組を使って殺人事件の捜査をするなんて、 ありえない設定が、とりあえずエンタテインメント。 そんな嘘の設定を支える、 登場人物の設定…

ニヤリ、我慢の320ページ

「犯人に告ぐ・上」(2/122) 早く下巻、読みたい! とにかく読ませてっ、て感じです。 導入の誘拐殺人事件、どう進捗するのか? とか思いつつ、 やっぱり、この事件は只の前振りに過ぎず。 で、本線の殺人事件に突入するわけですが、 これまた、非常識な劇…

自分を制御すること

「朱夏-警視庁強行犯係・樋口顕 」(1/122) 3年目突入の一冊目。今年度も多読乱読、喜んで!! さて、この、素敵な警察小説シリーズ、第二弾。 樋口という、今までの警察小説には珍しい、 型破りなまでに「職業」として、警察という組織に馴染んでいる人。…

スカスカをリストラクチャリング

「君たちに明日はない」(133/122) 垣根涼介って、やはり凄いですねえ。 彼との出会いは「ワイルド・ソウル」であり、 完全に、圧倒的に打ちのめされた記憶があります。 で、本作品は「リストラ屋」さんの話。 いかしたビジネス・ファンタジー小説。 でも、…

奇跡の意味は?

「真夜中の神話」(132/122) 久しぶりの真保裕一作品。 いやあ、シッカリしてる。 ウェルメイドな小説、間違いない。 で、舞台はインドネシア。 飛行機墜落から始まる奇跡の物語。 サスペンス、アクション、アドベンチャー。 様々な要素が、程よいバランス…

溢れる思い、溢れる言葉、そして虚しい現実

「半島を出よ・下」(131/122) これ、読みながら、 渋谷駅、半蔵門線の階段、 ホームから、改札へ、 山手線に乗り換えようとしてた時。 周りをグルっと見回すと、 たくさんの人達が歩いてる。 急ぐ人、急がない人。 笑顔の人、笑顔じゃない人。 一人きりの…

「国家」とは?……熱い。

「半島を出よ・上」(130/122) やっと読み始めることが出来ました。 熱い村上龍、意外に好きです。 この、人名の圧倒的な羅列が、 人の価値を逆に貶めている感じがします。 有象無象の登場人物たちに、 敢えて名を与えているものの、 そこには名前しか存在…