趣味は「読書」ですから

毎日、本が読めて、美味しいお酒が飲めて、走って、そして楽しい仕事が出来る。それが一番。何事もなく、今日も読書が出来ることに、本当に感謝です。

2014-11-01から1ヶ月間の記事一覧

ラスト8頁のジェットコースター

「ビッチマグネット」(16/144) そもそも舞城作品なので 理解よりも 文字を追う悦びを享受しようと思って読みはじめたけど 今回の主人公の姉と弟を軸にした 恋とか愛の話は 想像以上に物語が見えてきて 弟に対する姉の屈折した思いの描写とか 父の愛人に対す…

死んじゃった……

「親子の肖像 アナザーフェイス0」(15/144) 最近、堂場はこのシリーズしか読んでいないかも 1、2、3、4ときて なぜか「凍る炎」を忘れていましたが 今作は0だから大丈夫 シングルファザーになる前の大友と なって部署を移ったばかりの大友の物語です 奥…

乾いている2014年

「緑の毒」(14/144) 連続レイプ犯の話 なのに 何か不思議な空気が流れている 様々な社会の問題や事象が 濃密ではなく ライトに絡み合っている感じ きっかけがあれば、あっという間に解けそうなパズル でも 解けないよ、これ 今の日本の状況に似ているかも 桐…

書いていない部分は読者のもの

「絶望系」(13/144) 新潮NEXです なんと、電撃文庫から転籍(?) そして、お恥ずかしいことに 作者、谷川が『涼宮ハルヒ』シリーズの著者ともしらず 読んでいました ラノベ風の描写があるのは ちょっと気になったけど 読み進めるうちに、そんなことは忘れて…

肝の巻

「天国の囚人」(12/144) 4部作の3つ目 過去が見えてきた やはり本作品は発表順に 「風の影」 「天使のゲーム」 の次に読んでもらいたいと思うが 実は、本作品から読むほうが「分かりやすい」かも 登場人物の行動原理の説明がここにあるから フェルミンの壮絶…

地味に

「ナンバー」(11/144) 警視庁捜査二課です 横領、詐欺 いわゆる知能犯相手 殺人や対暴力団といったヴァイオレンス系や 公安といったエスピオナージュ系に比べれば はっきりいって地味です でも どちらかといえば 市井の人に近い人たちが「犯人」であるだけに…

友達は……3,000頁の先にいました

「ソロモンの偽証6」(10/144) 何が凄いって 温度のキープ力が半端ない 宮部の力技 圧巻 ここまでの長篇なのに ここまでの劇的な事件なのに おさえて、おさえて、おさえて…… 物語が進む こんなに素敵なクライマックスなのに 温度の急上昇はない だから よく考…

夢の続きは……

「ソロモンの偽証5」(9/144) 裁判が始まった この550頁 夢を見せつけられている気がした 今まで見たことのない リアルだけど 振り向けば、そこに得体のしれないリアルが存在しそうな 夢、だよ、これは 中学生のバトルに オトナが巻き込まれていく様を パロデ…

これは、ファンタジーなんだ

「ソロモンの偽証4」(8/144) これは 宮部がしかけた ファンタジーなんだ 中学生が裁判を実施するというファンタジーなんだ 魔法はいらない ロボットとも必要ない そこには 論理と言葉のみ そんなファンタジー このファンタジーのラスボスは 最初に死んだ中学…

この先、まだまだ見えない

「ソロモンの偽証3」(7/144) 裁判、だって 検事と弁護士を同級生がやる 柏木卓也は自殺だったのか? 宮部の仕掛ける奇想天外な設定で 事件の真相が 全く別の角度から明らかになってくる 同級生が 自分たちで事件を解明する それも、オトナの手法に則って こ…

まだ1/3

「ソロモンの偽証2」(6/144) テレビに出た また事件が動き出した 悪意の積み重ねが善意を踏み潰していく と言ってしまえば簡単なのだが リアルは違うことを 宮部は丁寧に、そして冷酷に提示していく 正義と悪意は時として紙一重であり 無関心の中に芽生えた…

遂に、ですよ

「ソロモンの偽証1」(5/144) 遂にですよ 宮部の超大作ですよ もう、6巻も、大量に読めるから、嬉しすぎですよ 導入の500頁 事件は中学二年生にふりかかります 終業式、クリスマス 雪の積もる学校の通用口に死体が 自殺ということで関係者一同のコンセンサス…