趣味は「読書」ですから

毎日、本が読めて、美味しいお酒が飲めて、走って、そして楽しい仕事が出来る。それが一番。何事もなく、今日も読書が出来ることに、本当に感謝です。

2010-01-01から1ヶ月間の記事一覧

痛すぎる

「ボトルネック」(41/122) いや、痛い。 悲しいというより、痛い。 残酷ではなく、痛い。 米澤穂信の書いていることは、間違いなく痛みを伴う。 それも、絶妙な加減の痛み。 実に素敵なパラレルワールドものです。 主人公・リョウは、 タイムスリップじゃな…

呆気ない幕切れ

「最終謀略・下」(40/122) そう、 だいたい、物事は劇的でもなく、 なんとなく終わってしまうんです。 というよりも、 感情とか状況のピークの興奮状態で終了することはなく、 天辺を少し越えた、 微妙で、何気ない結末を迎えるんです。 そして、オプ・セン…

政治LOVE

「最終謀略・上」(39/122) まだ上巻なのですが、 この政治的な人間の性に対しての容赦ない切り込み方、 これ、ヤバいです。 で、重く濃密なポリティカルな作品だけに、 いつもより、 頁をめくる速度は半分くらいです。 言葉の駆け引きの根源的な面白さ。 翻…

大きな話だね

「εに誓って」(38/122) Gシリーズ、四つ目。 バスジャック。 上手いね、森博嗣。筆力、全開って感じです。 真賀田四季の存在がグッと大きくなってきたのが本作なのでは。 四季の狙いも気になるところですが、 今回の仕掛け、なかなか良いですよ。 最近、森…

愛のある小説

「探偵映画」(37/122) 我孫子武丸の初期の作品。 1990年。 なんか、良い時代でしたよね。 携帯電話も普及してなくて、インターネットも無くて。 世紀末に向けての最後の「ゆとり」期間みたいな。 そんな時代背景を勝手に思い起こして読んだからでしょうか。…

こんな馬鹿なハナシが、、、ですよ。

「NEXT・上」(35/122) 「NEXT・下」(36/122) クライトン、 生前発表の最終作。 彼のメッセージは重く深く、とにかくシリアスでした。 こんな馬鹿げた騒ぎが、 遺伝子という(今のところ)「金のなる木」を見つけてしまった愚かなヒト達によって、 小説の中…

久しぶりに、読みながら震えてしまいました。

「悪人・上」(33/122) 「悪人・下」(34/122) 悪い人とは、 どういう人のことを指すのでしょうか? 殺人事件が起こります。 犯人は、法治国家の日本では、間違いなく「悪人」です。 殺された人に罪はありません。 当然のことです。 殺人犯と逃げる人がいま…

ホントのような嘘

「フィッシュストーリー」(32/122) この空気感を書けるのは、 伊坂しかいないのだろうか? 短編4つ。 それぞれに本当にささやかな感情を呼び起こされる。 「動物のエンジン」→ささやかな共感 「サクリファイス」→ささやかな同情 「フィッシュストーリー」→…

冒険、スタート。

「精霊の守り人」(31/122) やっと、噂の上橋菜穂子にたどり着きました。 これが「守り人」シリーズなんですね。 チラシに「児童文学界の怪物ベストセラー」とか書いてありましたが、 素直に「文学界の」でOKです。 その背後に構築された世界観、素敵過ぎま…

ハイスペック、だよ

「中庭の出来事」(30/122) 恩田陸の 作り上げる世界が あまりにも凄すぎて 現を抜かしていると あっという間に振り切られてしまう。 本作品、 劇中劇と、 劇中劇中劇と、 劇中劇中劇中劇(?)と、 リアルと現実とが、 入り混じるというか、なんというか。 …

はたらくおじさん

「借金取りの王子」(29/122) あなたは、 何のために働いていますか? お金のため。 自分の夢のため。 社会に貢献するため。 家族を守るため。 特に意味はない。 何となく。 みんなが働いているから。 親から働けといわれているから。 カッコいいから。 そん…

いきものとは?

「カクレカラクリ」(28/122) 生きているか、否か。 それは、 有機とか無機とかいうことで 処理できるものではないのだろう。 本作品の中に登場する機械は生きている。 機械をカラクリと読み替えた時、 実感する。 死んだように生きている人間と、 活き活き…

どうしよう、この感じ。

「凍りのくじら」(27/122) 2010年は、辻村深月、からです。 うん。 元旦の夜に、この作品を読んで、非常に「打たれた」わけです。 東京が一番静かなこの時間に、くじらは、凍り、沈む。 主人公、女子高校生・理帆子の心の動き、 家族、友人、学校、病院、彼…

2009年の一番

明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。 2009年の「自分」の結果発表です。 ■書籍=139冊読了(2008=135) <一番> 「空飛ぶタイヤ」池井戸潤 <次点> 「夜は短し歩けよ乙女」森見登美彦 「秋期限定栗きんとん事件」米澤穂信 「冬…