趣味は「読書」ですから

毎日、本が読めて、美味しいお酒が飲めて、走って、そして楽しい仕事が出来る。それが一番。何事もなく、今日も読書が出来ることに、本当に感謝です。

2008-11-01から1ヶ月間の記事一覧

美学

「愚か者死すべし」(16/122) 美しく生きるということは、 我慢することなのか? ハードボイルドと呼ばれる小説には、 洋邦問わず、 見た目は今一つだが、 非常にカッコの良い中年の刑事、探偵、犯罪者、市井の人、、、が登場する。 性別は概ね男。 本作品で…

この怖さと、僕の好きな言葉

「象と耳鳴り」(15/122) まずは、本作品から引用させていただきます。 (※文庫版・31頁より)―批判するな。 腹を立てるな。 眉をひそめるな。 見下すな。 批判は心身を緊張させ、軽蔑は感情を磨耗させる。 この言葉、デジャヴかもしれませんが、 以前、何か…

とてつもなく、さりげなく、楽しく、切なく

「最後の願い」(14/122) 光原百合という作家は、 本当にさりげない日常風景を、 どうして、こんなにドラマチックに仕立て上げてしまえるのだろうか。 誰もが毎日通り過ぎている風景の中に潜む「事件」を、 こんなに巧みに切り出せるなんて、、、 感服です。…

文字が踊る

「魔術師・上」(12/122) 「魔術師・下」(13/122) ディーヴァー(そして、池田真紀子の翻訳)の繰り出す文章は、 なぜ、ここまで、高速で展開していくのだろうか。 次から次へと繰り出される事件は、 ただ、ただ、連発されるわけでなく、 有機的に、 実に巧…

実は骨太な作品です(ハート)

「夏期限定トロピカルパフェ事件」(11/122) いや、これ、もっと早く読んでいたかった。 タイトルと カバーデザインにだまされていました。 でも、この前に「いちごタルト」があるんですよね。 順番、間違えちゃいました。残念。 早速買いました。 読まなき…

ストレートな刑事小説

「残照」(10/122) 今野敏の刑事もの。 実にオーソドックス。 まあ、意外な展開はない。 大技も繰り出されない。 が、それが、登場人物を活かしている。 登場する警察の人達、そんなに特出した人達はいない。 追われる側の人間たちも非常に地味である。 そん…

故郷の存在

「帰郷-刑事・鳴沢了」(9/122) 鳴沢は新潟に戻った。 父が死んだので。 それが5作目、本作品。 ナイスなデカ鳴沢が父の未解決の事件に挑む警察警察小説。 でも、今回は、 今や管轄外の故郷での事件なので、 あまり警察色が濃くないです。 どちらかというと…

イヌと戦争と人間

「ベルカ、吠えないのか?」8/122) 衝撃的な作品でした。 なんと評せば良いのか分かりません。 敢えて言うならば、格調高い、とでも言うのでしょうか。 誇り高き作品でしょうか。 簡単に言えば軍用犬の物語なのです。 それにまつわる政治、国際情勢と、 歴史…

えっ!?ここで泣かされるなんて。

「1985年の奇跡」(7/122) いやね、 バカで純粋な青春謳歌小説だと思っていたわけですよ。 中途半端な高校2年生の「僕」が、 恋愛とか、勉強とか、そして本作品の軸である野球を通して、 ほろ苦いノスタルジーを感じられるだけだと思っていたんですよ。 事実…

おおぉ、ミステリー

「グラン・ギニョール城」(6/122) これぞ、ミステリー。 二重構造で進む物語。 ミステリーを読むぞっ!って気にさせてくれます。 お約束も固い。 私立探偵と国家警察。 先生と助手。 このステレオタイプな設定で、どう読者に切り込んでくるのか? さあ、読む…

この作品名で何を思いますか?

「人間動物園」(5/122) このミス2003年の7位、ってことだけで読み始めた本作品。 連城三紀彦作品もはじめて。 作品名も刺激的でしょ。 ちょっと「猟奇的」なのかも、とか思いつつ、 読み始めたら、あれよあれよというまに一気読みでした。 とりあえず事件が…