趣味は「読書」ですから

毎日、本が読めて、美味しいお酒が飲めて、走って、そして楽しい仕事が出来る。それが一番。何事もなく、今日も読書が出来ることに、本当に感謝です。

2008-06-01から1ヶ月間の記事一覧

有栖の気合い

「マジックミラー」(91/122) トリックとは、 ミステリーの根幹である。 そんな有栖川有栖の本質を堪能できる作品です。 アリバイに挑む。 アリバイを崩す。 作品内でアリバイトリックの講義まで実施するほど、 読者にヒントを与えつつ、 読者に挑む、そのミ…

鳥の姿

「ダック・コール」(90/122) 不思議な物語です。 短編6作品。 鳥と男たちのふれあいがメインの物語。 や、メインって訳じゃないなあ。 人生のある一瞬。 刹那的に、鳥という存在とすれ違う。 そんな風景を見事に切り取っている。 解説にも書いてある通り「…

「仕事をすること」と「生きていくこと」

「虚構金融」(89/122) 金融スキャンダル。 政界、財界、そして官僚がそこには絡む。 自殺? 否、他殺? 動機は?理由は? そして、話は日米間の外交問題まで一気に拡大。 その先に見えてきた真実は。。。 バブルの責任は? 日本経済の舵を取るのは誰なのか…

枠を越えることの是非

「クレイジーへヴン」(88/122) 最初の20ページの、 疾走?失踪?失笑??感で、 この作品の狂気を実感できるんですが、 垣根涼介のテクニックにより、 この狂気は、優しさも悲しみも内包する感情に昇華する。 ただの狂気なんて、意味無し。 そんなの、陳腐…

冒険かあ。。。

「上と外・下」(87/122) いろんな意味での「冒険」、してますか? 本作の主人公、少年・練、少女・千華子。 二人は肉体的も、精神的にも冒険する。 そして克服する。 そう、冒険は乗り越えるもの。 過酷なマヤの儀式。 少年達は地下宮殿を所狭しと駆け巡り…

恩田陸の魔法

「上と外・上」(86/122) 兄14歳、妹12歳。 両親の離婚。 まあ、最近では珍しくないシチュエーション。 それが、いつもまにか、 クーデターが起こり、 ヘリコプターから落ち、 ジャングルでサバイバル活動。 地下神殿に突入。 そして、そして、二人の運命は…

Just American Crime Novel !!!

「デス・コレクターズ」(85/122) まさに、 北米の、 エンターテインメント、 且つ 人の本性を深く抉り出すような、 リアルなテーマを孕んだ、 非常に 良質な作品でした。 いやー、これは、本当に楽しめます。 あの「百番目の男」に続く本作。 サイコキラー…

見える、見えてくる

「雨の匂い」(84/122) 大久保が舞台で、 この質感、 様々な匂い、香りが、文章の裏から。 その匂いの向こう側に、様々な人間模様が見えてくる。 それぞれの問題を背負った人達が。 優しい人、切ない人、醜い人、情けない人。 で、本作品、非常に映像化に向…

カイシャの話

「震度0」(83/122) 横山秀夫、懇親の一作! 震えました、この重さ。 N県警(=カイシャ)で起きた課長失踪事件。 人の醜さが、ジワジワと浮かび上がる。 普通の会社ではないだけに、 より鮮明に浮かび上がる。 本部 警務部 警備部 刑事部 生活安全部 交通…

このトリックに、やられた

「モロッコ水晶の謎」(82/122) 3中編+1掌編。 どれも、見事な謎解きを披露してくれます。中編3つのテーマも ・誘拐・連続殺人・密室系 どれもミステリーの王道を突き進む作品です。中でも、やっぱり、タイトル作品は素晴らしかったです。 ※すいません、以…