趣味は「読書」ですから

毎日、本が読めて、美味しいお酒が飲めて、走って、そして楽しい仕事が出来る。それが一番。何事もなく、今日も読書が出来ることに、本当に感謝です。

2009-01-01から1年間の記事一覧

嘘でも、偽善でもいいから、前を、見ようよ

「ブルータワー」(27/122) 石田衣良の作品は、 とてつもなく、前向きである。 それを、 拒絶する読者も多いと思いますが、 ですが、僕は、素直に受け止めるタイプの読者です。 IWGP精神とでもいうのでしょうか。 その、MAXにポジティブな気持ちを、 感じる…

聖夜に、絶句

「残虐記」(26/122) いや、 凄いよ。 桐野夏生って、 なんだ。 残虐って、何? クリスマスを、 楽しく過ごすことを強制されている人たちの本当の気持ちを、 感じることが出来ない人たちは、 残虐なのでしょうか? これ、 文庫で250頁弱だけど、 読むの、 す…

氷のような人生とは

「氷姫」(25/122) スウェーデンの作品。 ミステリ、ど真ん中。 最初は スウェーデンの雰囲気とか、 文章の全体的な暗さに押し潰されて、 頁を捲る速度が遅かったのに、 いつのまにか、 あっという間に殺人事件の舞台・フィエルバッカに飲み込まれ、 後半は…

奇跡、だって

「奇跡のリンゴ」(24/122) めったに読まないノンフィクション。 ルポルタージュものです。 仕事関係で頂いた本なので、ちょっと読んでみました。 NHK「プロフェッショナル〜仕事の流儀」で紹介された、 農業人・木村秋則さんの半生記。 リンゴの無農薬で育…

コドモな大人

「久遠 刑事・鳴沢了 上」(22/122) 「久遠 刑事・鳴沢了 下」(23/122) 鳴沢シリーズも遂に十作目。 王道に戻った、 渾身の一作になってます。 鳴沢に殺人容疑? な、展開から始まる本作。 ただ、この容疑が非常にいい加減。 付け焼刃的な対処。 がしかし、…

僕は、好きです

「蒲公英草紙―常野物語」(21/122) 恩田陸の「常野」シリーズの二番目なのでしょうか。 このシリーズ、 ちょっと間違って、順番、無視して読み始めたんだけど、 今となっては、 順番通りじゃなくて、良かった気がします。 本作品は、田舎の少女の中心とした …

思いが強くなると→願い?or呪い?

「新帝都物語 維新国生み篇・上」(19/122) 「新帝都物語 維新国生み篇・下」(20/122) 舞台は昭和から江戸末期、明治へ。 五稜郭での決戦。 正邪の戦い。 物差し、定規が大きなテーマに。 正確な物差しで、 土地を測る、家を建てる、町を作る。 そこから社…

初めての周五郎

「五弁の椿」(18/122) 今から五六年前にもらった小説。 時代物、苦手なんで、、、 実にこれが初・山本周五郎でした。 鮮やかな復讐劇。 江戸の町での連続殺人は、 若く美しく艶やかで危険な娘「おしの」の仕業。 ぶっちゃけ、父の仇を次々と着実にこなして…

戦争=公共事業

「となり町戦争」(17/122) 僕の戦争に対する、 モヤモヤした思いを、理解を、解釈を、 この作品が、 実に、実に、明確に、簡単に、示してくれました。 だって、 殺人は罪でしょ。 これに関しては北朝鮮もキューバもそうだし、 キリスト教も、イスラム教も、…

超いい加減な伊坂幸太郎

「陽気なギャングの日常と襲撃」(16/122) 伊坂幸太郎はいいね。 なんで、こんなにいいんだろうか。 不思議だぁ。 陽気なギャングの第二段。 今回はメインの銀行強盗に周囲に散りばめばれた、 様々な、超いい加減の事件が一気に収束していく。 本当にいい加…

これ程のページを捲りたい誘惑は初めてかもしれない

「空飛ぶタイヤ・上」(14/122) 「空飛ぶタイヤ・下」(15/122) 文句なしに面白い。 読後感、最高。 最高に晴れ晴れ出来る作品です。 久しぶりに完全エンタテインメントでした。 町の小さな運送会社に起こった事故。 それも人を「殺して」しまった。。。 社…

タイトル萌え?燃え!

「数学的にありえない・上」(12/122) 「数学的にありえない・下」(13/122) やっと読めました。 このタイトル、最高にヤバいです。 このミス2007年版でこのタイトルに出会ったときから、 ずっと、ワクワクして待ってました。 いつもの通り、内容に関する情…

北村薫マジック

「玻璃の天」(11/122) なんで昭和八年? なんで超名門ご令嬢? それが北村薫の魔法なんです。 勇み足で「ベッキーさん」シリーズの第二弾から読み始めてしまいました。 でも、全く問題なし。 鮮やかなミステリでありつつ、 実は時代小説でもあり、 というか…

グッジョブ!

「警察庁から来た男」(10/122) 北海道警シリーズ第二弾。 そろそろ公開される映画「笑う警官」の続きです。 腐敗を一掃した、 大きな犠牲を払って一掃した、 そんな道警でしたが、 実は、 まだ、 実に不可解な、実に瑣末な、実に軽微な「腐敗」の芽があった…

青春とは無尽蔵な何か

「四畳半神話大系」(9/122) 京都堪能、 森見登美彦が冴え渡る。 苦い青春が四畳半に渦巻く。 本編、変わった構成になっています。 同時期の話が四回連続してます。 時間は流れず、同じ期間が四回。 主人公が大学入学時に入ったサークル(?部活?組織?)に…

油断してたよ。ヤラれたよ。

「弥勒の掌」(8/122) 我孫子武丸、 甘く見ちゃ、いけないね。 警察、新興宗教が絡み合ったサスペンス。 人が失踪し、 殺されて、 アウトロー警官が登場して、 弱っちい教師とタッグ組んで、 なるほど、なるほど、 まあ、どんな結末なのかな〜と、読み進めて…

池袋、行こ。

「Gボーイズ冬戦争―池袋ウエストゲートパーク7」(7/122) やっぱ、面白いね。 ブクロ、サイコー。 オレオレ詐欺(って古いね)。 キャッチ画廊。 未成年放火魔。 そして、Gボーイズの内紛。 今回も面白いテーマがそろいました。 池袋で生きていく勝者と敗者…

そして、ゆるい命(その五)

「屍鬼 五」(6/122) 遂に、 人々は立ち上がる。 猛烈な憎悪、 そして恐怖心が、 人々の心を潰した結果だ。 その様は屍鬼の残虐な振る舞いよりも惨たらしい。 生きるためには、 命を継続するためならば、 生き物は、人間は、屍鬼という名の化け物は、 草花は…

ゆるい大人、ゆるい常識(その四)

「屍鬼 四」(5/122) 化け物退治に立ち上がったのは、 子供たちと ちょっと頭が壊れている(と思われている)狂信者だけだった。 そう、 本当の敵「屍鬼」よりも、 常識という強大な敵の前に、 大人たちは屈しているのだ。 でも、 主人公の二人は、 お互いの…

ゆるい真実、ゆるい決断(その三)

「屍鬼 三」(4/122) 遂にやつらの正体が。 屍鬼が見えた。 こんな驚くべき事実を発見してしまった、 大人、 そして子供。 アプローチは異なれど、 墓を掘り返すという「暴挙」の先に事実はあった。 そして、 事実を知ったはよいが、 その事実を、どうやって…

ゆるい社会、ゆるい理解(その二)

「屍鬼 二」(3/122) 死は続く。 その理由は? 外場村の時間の流れはゆるく、 物事が 構築される時間も、 崩壊していく時間も、 ゆるりゆるりと流れるしかない。 医師と僧侶の謎解きは、 アプローチや思考は違えども、 目的は同じ。 村のため。 でも、それは…

ルールを決める恐怖

「パラドックス13」(2/122) 東野圭吾らしいSFですね。 まさに東京壊滅サバイバル。 世界から「生物」が消えた。 だが、ごく僅かな人間達が「生き残った」。 彼らは東京を彷徨う。 荒天の極みを尽くす都市。 自然の前にガンガン崩壊していく東京を生き抜く。…

ゆるい死、ゆるい恐怖(その一)

「屍鬼 一」(1/122) 宣言通り、初読から今年度スタート。 小野不由美、 それも超大作。全五冊。 実は買ったまま、一年以上放置してました。 実に閉鎖的な「田舎」の村が舞台。 その描写の「長さ」が素敵。 もし、作品の舞台が東京とか大阪だったらありえな…

壊す男、鳴沢了

「疑装 刑事・鳴沢了」(139/122) 鳴沢サーガ、第九弾。 そしてラス前。 否が応でも盛り上がります。 が、しかし、舞台は北関東の小さな寂れた町。 西八王子からの移動も地味に「八高線」です。 が、しかし、 心の闇、社会の悪気無き「罪」、子供が陥る地獄…

初京極堂

「魍魎の匣」(138/122) 今まで2,000作品ぐらい、読書してきましたが、 今、やっと。京極堂にたどり着きました。 いやあ、長い道のりでした。 本作品も、購入してから約二年。読み始めてから半年以上でしょうか。 濃厚な文庫1,000頁。 分厚いので家読みだけ…

こうきたか。。。

「動く家の殺人」(137/122) 事件と事件が こういう絡み方をしているなんて いや〜思いもつかなかった 歌野クオリティを なめてかかってました 反省 そして、この結末 本当に本格ですね トリックを引っくり返す様も美しいと思いました 素晴らしい ネタバレに…

44→57

「グラーグ57・上」(135/122) 「グラーグ57・下」(136/122) この痛み。 この辛さ。 その先にしか、本当の「生」はないのかもしれない。 ソ連とは、本当に、 1950年代に、こんな国家なのか? そして、 こんな国家にも、家族は確かに、存在していたのか? 前…

なんだっ!?

「帝都衛星軌道」(134/122) このタイトル。 そして、 本編を一冊の中で前編、後編に分け、間に中篇を挟み込む構成。 島田荘司の狙いは、何なんだ! 本編は、実に巧みなクライムサスペンス。 誘拐事件の描き方はたくさんありますが、 この切り口は斬新かも。…

モラルの外、ルールの外

「禿鷹狩り・上」(132/122) 「禿鷹狩り・下」(133/122) 一般的倫理観を壊していない小説なんて、 誰も読まないでしょ。。。 と、先日、知り合いの某理事長さんが仰ってました。 そうです、 人は悪に惹かれてしまうのです。 本作品の悪党・禿富刑事、通称・…

気持ちが良い

「シャドウ」(131/122) このスッキリした読後感。 ミステリとしての気持ち良さ。 これが道尾クオリティ。 本当に、読書して良かったと思う。 ある母親の癌による死から始まる日常。 が、しかし、 突然訪れる、別のある母の飛び降り自殺。 二人の母の子ども…