趣味は「読書」ですから

毎日、本が読めて、美味しいお酒が飲めて、走って、そして楽しい仕事が出来る。それが一番。何事もなく、今日も読書が出来ることに、本当に感謝です。

2009-01-01から1年間の記事一覧

東野よ、なぜに、こんなに悲しみを書くのだ

「赤い指」(130/122) 家族の崩壊。 こんなに悲しいことはありません。 本作品も、 徹底的に、そして圧倒的に悲しく切ない家族を描き出します。 でも、 その裏側には、 悲しみを乗り越えた家族もいます。 本作品を読みながら、 自分は、 なんて幸せな家族と…

空を見てみよう

「空の中」(129/122) 凄いことが、待ってるぞ。 さあ、首が痛くなるまで、ずーっと、上を見ていよう。 で、ハードなSFです。 もう、ワクワクしちゃうSFです。 心も温まっちゃうSFです。 もう、読まなくちゃいけないSFです。 すぐに買ってください。 そして…

地味な悪意

「看守眼」(128/122) 横山秀夫じゃなくちゃ、 これ、書けないよね〜。 地味な仕事、立場の人たちが主人公の短編6つ。 留置管理係、自伝ライター、家裁調停委員、県警ホームページ担当、新聞社の整理部員。 そして、県知事秘書。 みんな、日陰の職業ってわ…

処女作

「ウルは空色魔女(1)はじめての魔法クッキー」(127/122) 知り合いの処女作です。 直接、手渡しで本作品いただいて、 勢いで読んでしまいました。 ちなみに著者のあさのますみさんは、 先に絵本でデビューしています。 まだ未読なのですが、、、スイマセン、…

高校生という時代

「氷菓」(126/122) これが米澤穂信のデビュー作なのですね。 静かで、めったに盛り上がらない、 リアルな高校生活ミステリー。 それは古典部からスタートしたのですね。 で、古典部って? 枕草子とか徒然草とか、毎週読んでるのかなぁ。 そんな気持ちからス…

無駄に、死ぬなっ!

「栄光なき凱旋・下」(125/122) 栄光も無く、 誰からも忘れ去られた凱旋の結末は、 小さいけど、深い感動を与えてくれました。 1,500頁の 戦争ドラマ終盤は、 解説の方も書いているように、 映画「プライベート・ライアン」のあの凄惨な戦闘シーンを、 まざ…

戦争、してみたら?

「栄光なき凱旋・中」(124/122) さあ、真ん中。 中巻の宿命としてドラマ的な盛り上がりには欠けますが、 登場人物が読者に直球で投げつける、 思いの重さが際立ち、 しっかりとした読書の醍醐味を味合わせてくれます。 日系二世の3人は、 それぞれ考え抜い…

今日という日に

「栄光なき凱旋・上」(123/122) 久しぶりに読む真保裕一が描くのは、 第二次世界大戦下、 アメリカ合衆国で、 戦う、 生きる、 耐える、 日系二世の物語。 日本人だけどアメリカ人。 パールハーバーを受けて、 アメリカ人からは「卑怯者」として見下される…

フィクションを味わう

「ユダヤ警官同盟・上」(121/122) 「ユダヤ警官同盟・下」(122/122) とりあえず、本年度も読書目標(年122冊)達成しました。 その記念すべき作品が、これ。 いつも通り、タイトルだけの印象で読み始めた時は、 第二次世界大戦中の レジスタンス系の話かな…

冗長、という魅力

「子どもたちは夜と遊ぶ・上」(119/122) 「子どもたちは夜と遊ぶ・下」(120/122) 辻村深月、一気読みも中盤戦に入りました。 上下で1,000頁超え。 講談社文庫とはいえ、決して短い作品ではありません。 大学のゼミを中心とした物語。 狐塚と浅葱。そして月…

非読書ネタ:初音ミクが引導を渡した音楽と創造した音楽

久しぶりの非読書ネタです。 あまりにも考えることが多かった(で、同様に、物凄く楽しかった) 今日の初音ミクの ・ライブ? ・イベント。。。 ・祭り! ・集い、、、 ・オフ会(笑 ちょっと、この衝撃は文字に残しておきたくなるほど、 深く、鋭く、大きか…

夏休みの二冊

「星の王子さま」(117/122) 「銀河鉄道の夜」(118/122) 7月、ハワイ島のマウナケアで星を見ました。 東京生まれ、東京育ち、田舎も東京な自分にとって、 この星空は衝撃的でした。 あ、夜って明るいんだ。 天の川って雲みたいだ。 ツアーガイドの方が、 次…

隠された罪と隠すという罪

「凍てついた墓碑銘」(116/122) まさにアメリカ合衆国のミステリ。 もう王道。 非常に完成度の高い作品でした。 17年前の殺人事件と殺人事件隠蔽工作が ある関係者の死によって蘇る。 何事も無く生活が進行しているように見える田舎町で。 このパターン、 …

今更、これ、読むか???

「バカの壁」(115/122) って感じでしょ? 会社に落ちてた(笑)から読んでみました。 超ベストセラーにやっと着手。 小説以外を読むのは、実に6月以来。 やっぱり面白いことが書いてありました。 中でも、一元的な世の中から脱出しなくてはいけないって感じ…

読んだぁっ、て感じ

「海の底」(114/122) いいねぇ 怪獣SF いいねぇ 警察、自衛隊、子供たち 突飛な設定を圧倒的リアルで描くこの手法。 マヂで「小説」です。 読んでてドキドキワクワクです。 横須賀が巨大ザリガニ軍団に襲撃される。 それが前提。 そこに理由はいらない。だ…

道尾クオリティとは?

「片目の猿」(113/122) この作品のテーマ、 素晴らしいと思います。 中学校の夏休み読書感想文の課題図書でもいいでしょ!(ま、無理ですが) 人は、何かが欠けている存在であり、 その欠損を認めるか、拒否するか、 その二択でどちらを選ぶかが大事なこと…

生きていくための元気と勇気

「トーキョー・バビロン 上」(111/122) 「トーキョー・バビロン 下」(112/122) 馳星周は それを僕にくれるんです。 暑い夏だからこそ その「気」が必要なんです。 それにしても東京の夜の世界、闇の世界はワンダフルです。 歌舞伎町、六本木。 夜の力で街…

作家の罠

「愚行録」(110/122) インタビューと独白で構成された作品。 貫井徳郎ですから、 注意して読み進めなくちゃ、 仕掛けられた罠にはまらないようにしなくちゃ。 と、思いながら読み始めるものの、 一気に文章の中に取り込まれてしまい、 まんまと罠に。。。 …

勝つ人は勝つ、負ける人は徹底的に負ける

「謀略法廷・上」(108/122) 「謀略法廷・下」(109/122) こんなグリシャム、あり? この衝撃、 ただのリーガルサスペンスをはるかに超越。 <以下、ネタバレです> 弱者必敗の理。 こんな厳しい現実を見せつけられるなんて。 グリシャムだから、 最後は、も…

あの頃、僕は、聞いていた

「あの歌がきこえる」(107/122) 重松清の自伝的小説 地元山口県(多分)での 小学校、中学校、高校での「甘酸っぱい」ストレートな青春物語。 これ、剛速球。 5歳程、僕の方が下なんで、 各ストーリーに流れるこの時代の楽曲は、 前半はチョット、実感わか…

混ざった感じ

「背の眼・上」(105/122) 「背の眼・下」(106/122) 道尾秀介の長編デビュー作。 ミステリなのか?ホラーなのか? 結末はどっちなのか? 理性か?感情か? そ〜んな不安定な気持ちで前半読んでいたのがバ〜ッカみたい。 最後のこの締めくくり方、さすがです…

辻村深月の1,100頁

「冷たい校舎の時は止まる・上」(103/122) 「冷たい校舎の時は止まる・下」(104/122) 八人の高校生のドラマで、 ここまで、 読者を惹きつけるとは。 なんでしょう、この文章の力は。 何がここまで。 目線が違うのかなあ。 読んでいて、たまに心がヒリヒリ…

また、新しい、作家を、知ってしまいました

「金のゆりかご」(102/122) その人の名は、 北川歩実。 この、 なんと言えば良いのだろうか。 クレバーな感じ? 理性で迫ってくるんだけど、 どこかしら温かい雰囲気? 新しいミステリな感じがするんですけど。 本作品の主題は「幼児天才教育」です。 0〜3…

あと三年の物語

「終末のフール」(101/122) あと三年で人類が滅亡する、、、 という、さりげなく、非常にわかりやすい設定。 そこで繰り広げられる、 ただのホームドラマです。 そう、普通の物語。人間の物語であり、家族の物語であり。 よくある質問。 明日、地球が滅びる…

そもそも、新しい事なんか存在するのか?

「ジウ3 新世界秩序」(100/122) ジウシリーズ最終章。 美咲と基子、二人の女性の歩む道が、 また重なる。 その時、何が起こったのか? 二人の「恋」が、日本を滅ぼすのか?救うのか? 正直、結末だけに執着してしまえば、 非常に予定調和的なものです。 だ…

ずるい、うまい、ヤバい。

「名探偵の呪縛」(99/122) 東野圭吾の「自虐」シリーズ。 この「名探偵」は、本当に一筋縄ではいきません。 紙面上で展開される名探偵の謎解きを、 楽しんでしまって、良いのだろうか? この「楽しみ」を否定することを東野は求めているのではないだろうか…

これほど続編を期待してしまう作品はあまりないだろう

「刑事の墓場」(98/122) あの「脳男」の首藤瓜於が「墓場」を書くんだから、 ちょっとヤバくない、、、と思って読みはじめましたが、 良い意味、裏切られました。 実にオーソドックスな刑事小説です。 味のある、癖のあるオトコたちが集う、 非常にストレー…

辻村深月

「ぼくのメジャースプーン」(97/122) 辻村、初読です。 ああ、 なんで今まで読んでなかったんだろ〜 小学生の男の子が、 悪と真剣に戦う物語。 この真剣さ、只者ではない。 そして、 この気持ちを文字化することが出来る辻村深月は、 当然、只者ではない、…

謎が謎が謎が謎が

「ルパンの消息」(96/122) なんと、横山秀夫のデビュー作なんですね。 読み終わってから知りました。 時効成立の日の刑事たちの戦い。 15年前の高校生活に秘められた謎の数々。 女性教師の自殺は殺人? そんな「謎」のタレコミから始まる24時間の攻防戦。 …

理解じゃなくて、感応

「エンド・ゲーム 常野物語」(95/122) 恩田陸の作品は ストーリーを分析したりとか 物語の謎と謎のミッシングリンクを探したりするんじゃなくて 読んだまま、っていうか 理由を求めないっていうか そういう脳じゃなくて ただただ、本を読むという作業に没頭…