趣味は「読書」ですから

毎日、本が読めて、美味しいお酒が飲めて、走って、そして楽しい仕事が出来る。それが一番。何事もなく、今日も読書が出来ることに、本当に感謝です。

2013-05-01から1ヶ月間の記事一覧

小説は「締め」が大事、というお手本の作品

「掏摸」(98/144) また、素敵な作家に出会ってしまいました…… ああ、時間が、足りない スリの男の話です 犯罪者の話です 華麗なるスリの描写にウットリします ミラクルな指の動きを 活字が淡々と刻んでいくエクスタシー 圧倒的な文字力です 登場する絶望的な…

京極が提示してくれる因果という真理

「西巷説百物語」(97/144) ファースト 続 後 前 そして本作品 西 他人に悪いことをしたら 自分に悪いことがふりかかる そんなシンプルなルールを なぜ、人は、守れないのか そんな切なさを「怪」を通して描いている本シリーズ 今回は大坂(大阪じゃないよっ…

物語の、その先に、心、震える

「ファントムの夜明け」(96/144) 「彼女は存在しない」で衝撃を受けて 次に読んだのが本作品 タイトルの「夜明け」の意味を考えると 心、揺さぶられます 果たして、夜が明けてやってくる次の日は 歓迎すべきものなのか? そのまま、夜のまま、ずっと夜のまま…

分かっちゃいるけど、巧いね〜〜〜っ

「時のみぞ知る・上」(94/144) 「時のみぞ知る・下」(95/144) 前にも書いたけど 面白いんだよね〜 20世紀前半の英国が舞台 本作品は「クリフトン年代記第1部」と銘打たれているように シリーズの導入部分です 主人公ハリー・クリフトン君は もちろん貧しい家…

第二章

「晴子情歌・下」(93/144) 高村薫の第二章は この後、どこに行くのでしょうか…… 人間の思いを 実に濃厚に綿密に描ききった本作品 善と悪とか 正と誤とか そういう簡単に分類することが出来ない人間という存在を 青森の旧家を舞台に描ききってます 個人の判断…

重い、読書、

「晴子情歌・上」(92/144) いや〜 久しぶりの高村は、重い 文字に絡みとられて ページをめくる速度が…… 母からの「過去」を綴った手紙と 息子の今がクロスする 戦争を挟んだ昭和の景色が 青森をメインに展開する 重厚な世界観に身を任せ 少しずつ読み進めて…

青春の光と影、とは良く言ったものだ

「明日の空」(91/144) さわやかだな〜、貫井にしては 素敵な青春、描いてるな〜 主人公が、可愛い帰国子女の女子高生だもんな〜 意外だな〜 でも もちろん そこには邪悪な心が隠れているんですがね そして、このドンデン返し…… この「仕掛け」は クリーンヒ…

久しぶりに、これ、凄い、キタって、ホント

「教室に雨は降らない」(90/144) 凄い、伊岡 久しぶりに 大きく裏切られた、凄く良い方に 感動したさ、静かに、そして猛烈に 主人公、縁あって小学校の音楽の「アルバイト教員」に そんな彼がクラスで起きる事件に なぜか首を突っ込むことになり…… 扱ってい…

限界突破

「クォンタム・ファミリーズ」(89/144) 簡単に言えば パラレルワールド系SFなのですが 全く簡単じゃない…… 主人公の元に 自分が「産んで」いない娘からメールが届く そこから始まるとある家族の物語は 時間と空間を超え 体と心の遊離を伴いつつ突き進む も…

名探偵登場×ダブル受賞=!!!!!!!!!

「隻眼の少女」(88/144) おおおおおおおぉぉぉ このミステリ 本格派ですね、間違いなく 名探偵登場から始まる直球ミステリ 隻眼の探偵一族の少女 もちろん、ちょっと冴えない助手も登場します 彼の語りで物語は進行します ま、それ自体が「罠」なのですが…… …

本当に些細な出来事で構築される世界

「生きる歓び」(87/144) きっと、これが、初・橋本治です 家の片隅に置かれていた文庫本です 今から10年以上前に発売された文庫 作品の発表は約20年前にさかのぼります 大げさですが 時空を超えた作品との出会いでした…… で、ほんと、何でもない物語が9つ …

満足の読書

「彼女は存在しない」(86/144) 書店での 超オススメコメントに 久しぶりに乗っかって読んでみました おお、なるほど 叙述トリック系かな…… あ、きた 所謂「二重人格」ものだな…… 注意して、ページをめくる が、しかし この作品が素晴らしいのは 読んでいくう…