趣味は「読書」ですから

毎日、本が読めて、美味しいお酒が飲めて、走って、そして楽しい仕事が出来る。それが一番。何事もなく、今日も読書が出来ることに、本当に感謝です。

2013-06-01から1ヶ月間の記事一覧

百まで、死ねない……

「あんじゅう 三島屋変調百物語事続」(111/144) 中村ダブルの後に 宮部を読めるとは幸せ幸せ 本当に幸せ 百物語シリーズの2作品目 聞き手のおちかも成長しました その成長と共に 多数の魅力的な新キャラ登場にも支えられて 怪奇な物語が語られます 今回はち…

殺されかける気持ち

「土の中の子供」(110/144) 中村文則、連発です 芥川賞にふさわしい読み応え 充実した読書でした 子供時代に 土の中に生きたまま埋めらて 殺されそうになった経験のある青年が主人公 鋭い描写に 心を削られるんだけど なぜか、痛くない なんだろう…… 主人公…

近い

「遮光」(109/144) 苦しく狂おしい内容だが 最後に訪れる絶望的な解放感に心休まる 指を持ち歩く主人公 彼に味方するわけではない 同情もしない でも、距離の近さは感じる きっと、本作品を読んだ人は、皆、そう思うのではないだろうか 150頁、すぐ読めます …

エス

「密売人」(108/144) 道警シリーズ5作品目 いきなり3つの死体 佐伯、津久井の復権間近の雰囲気 そのまま物語はラストまでなだれ込む 次々と事件の背景が見えてくる 警察vs暴力団/犯罪者という構図だけでは 世の中は描けない エス(=警察協力者)という存…

ドラマチックを排除したドラマ

「地のはてから 上」(106/144) 「地のはてから 下」(107/144) 乃南の筆力に脱帽 普通の人間の普通の暮らしを描いているだけなのに 引きずりこまれます 実は「ニサッタ、ニサッタ」の前段なんです 貧しい家族の物語 20世紀の半ばの生き様が、そこに在ります …

麻薬の力

「欧亜純白 上」(104/144) 「欧亜純白 下」(105/144) 重かった ずっしり文庫1,300頁 でも 一気に駆け抜ける快感読書 久しぶりだったかも なんていうか 読み終わって眠れなくなる感じ 日本と北米と中国の麻薬取締官の活躍 潜入捜査の醍醐味が ぎっしり書きこ…

お役所仕事に憧れる……

「県庁おもてなし課」(103/144) いいな〜 こんな仕事している人がいるなんて 異次元です お役所…… おもてなしの心が必須な観光にかかわる仕事を お役所に出来る訳が無い、という確信を得る事が出来ました まあ、フットワーク軽く動かれて ミスされては困るの…

撃ったことが無い人には、わからないだろうな

「銃」(102/144) 中村文則、一気読み月間(?) 本作がデビュー作品 銃を拾った大学生の物語 ハンドガンですね 拳銃ってやつ ライフルとは違うんですよ 重いんです 義理の弟が北米人でして 代々引く継いだモノも含め 10丁程の銃器をもっています それを撃た…

きたっ、本格的社会派警察小説!だけど……

「震える牛」(101/144) とある強盗殺人事件の 真相を探究するベテラン刑事 そこに様々な社会問題がクロスする シャッター商店街 グローバル化 デフレ 食の安全 天下り そう、資本主義だから だって、民主主義だから でも法治国家としての誇りは? どのライン…

デビューならではの

「翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件」(100/144) 今年100冊目は 今から約20年前の新本格ミステリでした つい最近読んだ麻耶作品に触発され 作家の原点であるデビュー作品を読みました いやー、詰め込んでる デビュー作ならではの詰め込みです この勢いはデビ…

親族の「死」と自分の「生」

「ツリーハウス」(99/144) ある「情けない」一族の 波乱万丈……風な 大河(いや、小河ww)小説 祖父の死にアタフタ・アタフタでスタートした物語は とある一族の 70年にわたる些細な でも彼らにとっては「かけがえのない」歴史を綴っていく どちらかといえばド…