趣味は「読書」ですから

毎日、本が読めて、美味しいお酒が飲めて、走って、そして楽しい仕事が出来る。それが一番。何事もなく、今日も読書が出来ることに、本当に感謝です。

2010-01-01から1年間の記事一覧

家族の重さ

「ラスト・チャイルド・上」(28/144) 「ラスト・チャイルド・下」(29/144) 読書、した。 うん、本、読んだ。 このミス5位は伊達じゃない。 あの、「川は静かに流れ」のジョン・ハートです。 やはり、間違いは無かった。 双子の妹が誘拐された主人公・ジョニ…

最も愛する

「最愛」(27/144) ってタイトル、 なんか、どんな作品だか全くわからないまま読み始め、 さすが、真保裕一と、噛みしめながら読み進め、 そして、この、結末。 う〜ん、 素晴らしい。 大矢博子の解説、秀逸。 そうさ、そうなんだ。 作者の自信。 そして、そ…

国を守る

「瀕死のライオン・上」(25/144) 「瀕死のライオン・下」(26/144) 守る。 この単語の意味を 改めて感じた作品でした。 自衛隊をレスペクト。 内調もレスペクト。 そんな僕にとっては、不謹慎ながら、たまらない内容。 さまざまなテクニック。 あらゆる手段。…

久しぶりのニヤリ

「アソシエイト・上」(23/144) 「アソシエイト・下」(24/144) グリシャム、いいね〜 シニカルなリーガルサスペンス これが彼の真骨頂であることは間違いない 大学時代の5年前の「乱痴気騒ぎ」にネタに、 脅迫され、犯罪に手を染めることになる主人公・カイル…

デフォルト、不幸。

「ハッピーエンドにさよならを」(22/144) もう、不幸、オンパレード。 幸せに傾きそうになると、 しっかりと、ググっと、不幸に誘導する力技。 さすが、 さすがの、歌野晶午。 人は、幸せから不幸に「落ちる」のか。 それとも、不幸から幸せに「這いあがる」…

固定概念は、人を助ける場合も、あります、たまに

ふしぎな「心臓と左手」(21/144) 石持浅海の名作「月の扉」の続編ではないけど、 流れを緩やかに受けている短編連作集。 主人公は「座間味くん」。 構成は「安楽椅子探偵」モノの王道。 ただ、中身はというと、 非常に、悲しく、厳しく、人間の儚さを感じず…

惜しい人から死んでいく。。。

「メタルギア・ソリッド〜ガンズ オブ ザ パトリオット」(20/144) 小島監督も これは嬉しいだろう そして その何倍も、悔しいだろう 伊藤計劃が既にこの世に実在しないという事実 本当にMOTTAINAI ゲームのノベライズ、 とか思って読んでない人、多いんじゃ…

日本は朽ち果てる。男は腐りきる。未来は今の延長でしかない。

「メタボラ・上」(18/144) 「メタボラ・下」(19/144) 宇野常寛の解説が素晴らしすぎる。 これだけ桐野夏生の作品をシャープに説明してくれるとは。 解説に、これほど打たれたのは、はじめてかも。 もちろん、宇野の解説が冴えるのは、 桐野の作品が素晴らし…

直球スパイ小説!

「沈底魚」(17/144) いや〜、久しぶりに、剛速球、ど真ん中のスパイもの。 堪能させていただきました。 場所は日本。 舞台は公安。 相手は中国。 国会議員を巻き込むスパイ・スキャンダル。 コードネーム「マクベス」。 与党vs察庁。 赤坂の関与も? 麻布と…

先を読む、という能力

「6時間後に君は死ぬ」(16/144) あの「グレイヴディッガー」の、 高野和明の、 予知能力モノ。 連作ミステリです。最初の作品。 とある女性が6時間後に死ぬことが見えた。 予知能力者は、 その女性の運命を変えようと奔走する。 そして最後の作品。 予知能力…

飛行機は飛ぶ

「霧のソレア」(15/144) 基本軸は旅客機テロものなんですが、 そこにCIAの謀略も絡んできて、 USエアフォースと空自とのドックファイトも楽しめて。 飛行機の魅力が満載、てんこ盛り! LAからナリタに向かうジャンボ機内で、 爆弾が爆発した。 ギリギリ飛べ…

防御する、自分の中で

「ルームメイト」(14/144) 以下、全てネタバレです。 文庫のオビのコメントで、 〜ミエミエな展開だなあと、思っていたら、 意外な方向に話は進んで、 いやあ まんまと騙されました〜 その通りなんだよなぁ。 ミエミエなんだよなぁ。 そこの仕掛けなんだよな…

久しぶりの番外編:ああ、もう終わるんだと思うと、、、

「ハリー・ポッターと死の秘宝 Part1」 今朝、というか昨晩深夜、見てきました。 早く見たいんだけど、この金土日と時間の余裕なかったんで、 まいっか、と思い新宿で。 で、見て正解なり。 ストーリーの結末は知っているし、 今回はあくまでも「死の秘宝」…

スパイもの。やっぱ、いいね!

「ぼくを忘れたスパイ・上」(12/144) 「ぼくを忘れたスパイ・下」(13/144) 僕の読書の原点の一つは「海外スパイもの」です。 ちなみにもう二つあって、それは「アガサ・クリスティー」と「火車」です。 で、とにかく、海外スパイものは、 日本で文庫化されて…

スマート、だね

「人柱はミイラと出会う」(11/144) 所謂、「9マイル」的ミステリ?(って言わないかww) 安楽椅子探偵小説の系譜かなあ。 石持浅海の切れ味冴えまくりの短編連作集。 日本の風習がミステリにつながるという趣向。 その設定が美しすぎる。 洗練されている。 …

えっ、

「名前探しの放課後・下」(10/144) 凄い。 なんだ、このミステリ。 超弩級青春小説であることは間違いない。 ホントに水泳のシーンとか、 涙が出てくる。 高校生という時代をこれほどまでに鮮やかに、輝いて書かれたひにゃあ、 二の句が接げません。 で、も…

辻村の高校生と米澤の高校生の違いは?

「名前探しの放課後・上」(9/144) 辻村深月、ひさしぶりです。 で、高校生、ど真ん中。 学園ミステリ系。 いきなりのタイムスリップで高校一年生の秋から冬にかけての物語が、 静かに静かに、動き始めます。 今から三カ月もしないうちに、 クリスマスイヴに…

サイコパス

「贄の夜会・上」(7/144) 「贄の夜会・下」(8/144) 読み応え十分。 しっかり読ませる長編作品。 うん、読んだ、って感じ。 刑事とプロフェッショナルな暗殺者。 この二人が、 様々な「利害関係」の対立を内包しながら、 サイコキラー、連続殺人犯を追い詰め…

なぜか、号泣、大号泣。

「のぼうの城・上」(5/144) 「のぼうの城・下」(6/144) 武士の心意気を 真っ直ぐに、そして華やかに、 誤解を恐れずに これほどまでに見事に書ききった作品があっただろうか。 武士に呼応する農民の生き様を ここまで楽しく、明るく、気持ちよく、 描いた作…

怒ろう、マコトと一緒に

「非正規レジスタンス―池袋ウエストゲートパーク8」(4/144) IWGP、ついに8。 12年目。 本作品、僕にとっては、今までの中で、 一番、怒りを感じました。 この日本という国を、 池袋は、きっと、憂いています、とてつもなく。 4つの短編。 1、シングルマザー…

本格だ

「UFO大通り」(3/144) やっぱ、元祖。 約200頁の作品二つ。 御手洗の裁きは超本格だ。 もう、読むのが止まらなかった。 お婆ちゃんがUFOを見たという話と、 女の人が傘を車に轢かせていたという話。 さあ、こんな訳のわからない話から、 御手洗の推理、とい…

敢えて言おう、道尾クオリティであると

「ラットマン」(2/144) いやー、巧い。 実に美しい。 研ぎ澄まされたミステリ。 素人バンドの面々がスタジオで練習している最中に、 元ドラマー、現ドラマーの姉が死亡する。 事故?否、殺人。 昔の出来事。 主人公、姫野の姉は23年前に死亡している。 事故…

厚く熱い読書

「万物理論」(1/144) 100冊読書、今期は、目標通り、SFでスタートしました。 で、どうせ読むなら、ってことで選んだのが、 グレッグ・イーガンです。 流石、ハードSFの名著。 重厚かつ繊細に綴られる、 思想と アイデアと 描写と レトリックと 人間関係と そ…

僕には向かない職業

「少女には向かない職業」(150/122) 桜庭一樹の職業は作家。 少女の職業は少女。 僕の職業は、、、? 中学二年生の女の子、二人が共謀して人を殺します。 二人。 田舎の島で。 普通の中学校生活の中に、 無理なく組み込まれた殺人の物語。 心があまり揺れな…

骨太な叙述系。ズシンとくる。

「六月六日生まれの天使」(149/122) 初、愛川晶。 しっかりしたミステリ、堪能。 で、ある意味、叙述系なんで。 何も書けません。 てか、叙述系と書いた時点でネタバレか。 申し訳ありません。 ヤクザもの。 ヤクザのオンナもの。 そして、 記憶障害もの。 …

発見、二つ

「阪急電車」(148/122) 一つ目。 有川浩って作家の書く文章って、 誰にでも書けそうな体を装っているけど、 非常にシンプルで自然に流れてくる感じだけど、 そんなことは無い。 全く無い。 かといって計算されているわけでもないんだけど、 圧倒的な筆力をも…

答えは、あるのか

「重力の井戸の底で」(147/122) 凄いよ このガンダム もう「ガンダム」を越えちゃってる 人の底、世界の底、心の底にドロリと溜まった 理性では解決できない何かが 戦争を継続させる みんな止めたいに決まってる でも、でも、 止められないんだ どうして? …

正統派の面白さを噛みしめる

「川は静かに流れ」(146/122) 北米ミステリの正統派。 本当に王道を行く物語。 その重厚な作りに、 読者は引き込まれていく。 冒頭に作者、ジョン・ハートが書いているように、 これは家族の物語です。 本当に北米人は家族を大切にします。 その異常なまでの…

本当に上手な小説なんだな

「後巷説百物語」(145/122) 京極、凄い。 夏彦、ヤバい。 これほどまでに完成度の高い作品、 滅多にありません。 巷説百物語、続巷説百物語の後をうけ、 時代はググっと進んで明治維新の頃。 妖怪は、 相変わらず人々の中に、 そして世の中に、 生き続けてい…

もはや、謎も解かない

「ηなのに夢のよう」(144/122) さあ、Gシリーズ、六つ目。 どうなる? え、東京に、西之園!この展開、衝撃的。 もう事件があるだけ。 事件を一義的に解明することを放棄したミステリ。 これだけ読んでも、何のミステリにもなっていません。 事件、起こりっ…