趣味は「読書」ですから

毎日、本が読めて、美味しいお酒が飲めて、走って、そして楽しい仕事が出来る。それが一番。何事もなく、今日も読書が出来ることに、本当に感謝です。

2010-01-01から1年間の記事一覧

本当の顔は?

「ダブルフェイス・上」(142/122) 「ダブルフェイス・下」(143/122) 東電OL殺人事件。 1997年だったんですね。 なんか、思ったより最近ですね。 その話がモチーフとなり展開する 警察小説であり、 クライムノベルであり、 社会派小説である。 一見、過剰とも…

小学校の高学年

「びっくり館の殺人」(141/122) 館シリーズ第8弾。 本作品、「ミステリーランド」という「子供向け」ミステリシリーズとして 書かれたってことなど、 最後の解説を読むまで知りませんでした。 子供といっても、 これは10歳以上対象でしょう。 小学校5、6年と…

森見登美彦の謎が解けた

「有頂天家族」(140/122) どうしてこんなに 森見作品は面白いのか。 頭の中で整理できずに、本能的に享受していたのだが、 本文庫の 大好きなヨーロッパ企画の上田誠の解説を読んで、 やっと理解した。 以下に引用します。 森見先生の作品は、 そのようにし…

歪み、か

「長い腕」(139/122) いきなりゲーム会社の製作現場からはじまって、 ちょっと面食らいました。 元セガ、なんですね。 川崎草志。 で、で、で、 あっという間に舞台は四国の田舎の古い村へ。 小気味良く進んでいくストーリー。 ネット内のみで展開していく、…

小説、ドラマチック。

「赤朽葉家の伝説」(138/122) 三連休、本当に良い作品を読ませていただきました。 やっと文庫になりました。 桜庭一樹。 面白かった〜!!! こういうタイプを「全体小説」って言うんですね。 大河モノというか、年代記というか、 時代の流れに、主人公を取…

ありがとう

「遠まわりする雛」(137/122) 米澤古典部シリーズ、その四。 これでお別れなのか。。。 とも思いたくなるぜ! それにしても、 こんな気持ちにさせてくれるなんて、 ありがとう、米澤穂信。 本当にありがとう。 この二日間、ページを開いている時間は、 確か…

文化祭という魔法の時間

「クドリャフカの順番」(136/122) 米澤古典部シリーズ、その三。 もう、僕の心は高校生。 文化祭で起こるミステリー。 事件の事象自体は大したことはない。 アイウエオ順に モノが盗まれていく。 次は何部がターゲット?! 盛り上がるだけには丁度良い規模か…

盛り上がる事だけが大事なのではないのだよ

「愚者のエンドロール」(135/122) 米澤古典部シリーズ、その二。 「氷菓」は読んでいました。 「遠まわりする雛」が文庫化されたので、 ここは一気読みだろ、ってことで、高校生活に逆戻りしています。 それにしても、感情の起伏の薄さが秀逸。 表面的な文章…

ガンダムは問い続ける

「ラプラスの亡霊」(134/122) 福井ガンダム、五つ目。 折り返し地点。 登場人物が、 皆、自分とは何かを振り返る。 そして、ユニコーンも、大気圏を越えるのか? 本作品、シリーズ内で一番地味に違いない。 モビルスーツでの戦闘シーンも少ない。 が、しかし…

長き夜に読了す長編:その4

「LIMIT」(133/122) 2025年の大事件が終わった。 上海、ベルリン。 カナダ、ロンドン。 赤道ギニア。 そして、月。 さらにヴァーチャルなサイバースペース 時間と空間を駆け抜けた2,400頁。 事の始まりは1970年代なのか? それとも、 人類が誕生した瞬間なの…

地ベタを這い進む文字の遅遅とした流れに

「乳と卵」(132/122) 何かすぐに読み切れる厚さの本が必要となり、 じゃ、これだろ、って事で、 気軽な気持ちで買ったことが、 正解でした。 あまり自分の読書ゾーンに近くない作家、 川上未映子、初読です。 この大阪弁(関西弁?)の文字化という技。 そし…

秋の「熱帯夜」に心冷やして読む長編:その3

「LIMIT」(131/122) ここにきて600頁越え。 ずっしりとボディにくる読み応え。 ベルリンを舞台とした、 手に汗握るサスペンス・アクションシーンもさることながら、 まさか、アフリカが、 こういうカタチで絡んでくるとは。 20世紀の地球の歪んだシステムの…

僕は警察のミカタですから

「警官の紋章」(130/122) 北海道警察シリーズ第三段。 まだまだ不正の根源は、 明らかになっていないってことですね。 あくまでも、この作品はフィクションですが、 実際に、 行政機関とか、政府とか、その筋が力を合わせれば、 ねつ造なんて、簡単なんだろ…

確信する

「ジェネラル・ルージュの伝説」(129/122) 海堂さんは面白い人だ。 こういう人になりたい。 自分のやりたいことを必死にやってしまう人に。 短編が三作品。 バチスタ、ナイチンゲール、ジェネラル、イノセント、そして迷宮の脇を、 さりげなく支える物語たち…

暑さを楽しみに変える夏の長編:その2

「LIMIT」(128/122) 二巻目、舞台は2025年、上海がメインに。 都市、 都市の影に追いやられた特区、 そしてサイバーシティ。 社会的に認められた人、 存在すら否定されている人、 生物的には人間ではないが電子的には人間と思い込まれている人。 さあ、この…

眠れぬ夏の夜の長編:その1

「LIMIT」(127/122) 今、敢えて、挑む、長編。 文庫2,000ページを軽く超え。 フランク・シェッツィング。そう、あの「深海のYrr」の作者。 今度は宇宙だ、月だ。 まだ四分の一。 たった600ページ弱ではこの物語の行く先は全く読めない。 2025年の近未来。 月…

無念、でも、人は逝くのです。

「名残り火」(126/122) 藤原伊織の最後の長編。 サラリーマン・ハードボイルド。 こんなに早く逝ってしまうなんて、 世の中って、無常というか、ひねくれているっていうか。 自分の命の残量を量りながら、 綴った作品かと思うと、 背筋がピンと伸びます。 唯…

空想するチカラ

「MM9」(125/122) ハードSFを読む。 怪獣小説。 そう、ウルトラマンの怪獣です。 久しぶりに、血沸き肉踊る作品に出会えました。 怪獣を真正面から描ききる。 その空想に感謝、感激。 そういう、一見、意味のないことに対して、 真剣に対峙することが、 衣食…

限りなく無駄で、無限の輝きを放っていた四年間に感謝

「砂漠」(124/122) まず、 大学四年間通わせてくれた、 両親に感謝します。 ありがとうございました。 この作品の登場人物、五人に負けないくらいの、 無駄で楽しい時間を過ごす余裕を与えてくれて、 本当にありがとう。 あの、無為な時間の流れは、 今、本…

サスペンス至高の舞台、ヴァチカン

「P2・上」(122/122) 「P2・下」(123/122) ヴァチカン、そしてフリーメーソン。 このサスペンス二枚看板で、 真っ向勝負の本作品。 著者が北米人ではなく、 ポルトガル人であったことが、 実に良い按配に作用している。 結論は、、、闇の中のまま。 決してハ…

何のために!誰のために!

「サクリファイス」(121/122) 自転車のロードレース。 面白いんですよ。 ツール・ド・フランスを、 一時期、フジテレビがほぼ毎晩フォローしていてくれて、 良く見てたな〜 その前は、NHKが2時間番組位にまとめてくれてたりして。 とにかく、駆け引きが凄…

「狼は瞑らない」(120/122) 初読、樋口明雄。 熱いオトコの小説、読ませていただきました。 舞台は山、雪山。 奴は警察官、元SP。 日本を動かす陰謀と、 それとは真逆の、 冬の山での事件がリンクする。 共に、 生死をかけた闘い。 共に過酷だ。 でも、 人…

昭和の東京の輝き

「かたみ歌」(119/122) 初読です。 朱川湊人。 直木賞作家。 今更ながらです、、、 申し訳ないっす。 で、早くも、以下、 東京の下町とは、こういう場所なんだという事を力説しつつ、 ネタバレしちゃいます。 ここにある昭和の日本は、 当然、切なく悲しい歴…

登場人物の描き方の素晴らしさ

「最後の一球」(118/122) 主人公の「二流」プロ野球選手・竹谷の描写に尽きる。 彼の独白に、 引きずり込まれる。 ストーリーとか、トリックとか、ミステリとか、 社会派とか、技巧派とか、 そういうモノを超えたところで 島田荘司は文章を生み出している。 …

新しい。うん、新しい。

「インシテミル」(117/122) 米澤穂信が書くと、 こうなるのか。。。 クローズドサークルもの。 集団密室もの。 ありえない条件設定のもとで進むミステリ。 12人の男女が「殺しあう」。 時給10万円を超える一週間の短期バイト募集が物語の発端。 さらに、その…

影に生きる優しき人々

「続巷説百物語」(116/122) 本当に面白い物語です。 愉快だし、爽快だし、 切ないし、悲しいし。 京極夏彦、おそるべし。 文庫750ページ、相変わらずの長丁場ですが、 読み進めるのが、嬉しくて。 巷説百物語の流れです。 六つのエピソード。 それぞれが絶妙…

なぜ、こんな、悲しいことが。。。

「永遠の0」(115/122) 第二次世界大戦。 零戦、そして特攻のお話です。 誰がこんなにも愚かで馬鹿げたことを考えたのでしょうか? 日本人は、 狂っていたのでしょうか? そして、 今も狂ったままなのでしょうか。。。 本作品だけで様々な状況を判断するのは…

卓越したストーリー展開を味わう贅沢

「エコー・パーク 上」(113/122) 「エコー・パーク 下」(114/122) ご存知、ハリー・ボッシュ・シリーズの12作目です。 帯に「これぞ警察小説の真骨頂!」と書いてありますが、その通り。 司法取引という、日本では馴染みのない制度が生み出した、 事件を読み…

昨日の補足

あまりに打たれたので 読後、すぐに書いてしまったのですが その後、解説で 作者の伊藤さんが既に お亡くなりになっていることを知りました 自分の命を量りつつ書いていたかと思うと。。。 これ たぶん、読んでおいた方が良いと思います 特にSF苦手のの方 こ…

凄いよ、これ

「虐殺器官」(112/122) 伊藤計劃、凄いよ。 なんだ、これ。 これだけのメッセージを積み込んであるのに、 とてつもなくスマート。 信じられない。 国家の仕事として「暗殺」をする男が主人公。 その暗殺を主軸に、 国家とは。宗教とは。バイオテクノロジーと…