登場人物の描き方の素晴らしさ
「最後の一球」(118/122)
主人公の「二流」プロ野球選手・竹谷の描写に尽きる。
彼の独白に、
引きずり込まれる。
ストーリーとか、トリックとか、ミステリとか、
社会派とか、技巧派とか、
そういうモノを超えたところで
島田荘司は文章を生み出している。
なんだろう、この読後感。
ある一人の人間の生き様にシンクロしてしまった心地よさ。
作品と自分の心が溶け合うとでもいうのでしょうか。
心優しく、強き人。
でも、成功できない。達成できない。満足できない。
それでも、人は生きていく。
竹谷と武智、二人の男の物語。
野球とか、あまり好きじゃない人にも読んでほしいかな。
もしくは、素敵な夏休みの感想文の宿題にも、是非。
いや〜、読書して良かった!と
心から思える秀作です。
※「もう一つの趣味は「ランニング」ですから」
- 作者: 島田荘司
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