趣味は「読書」ですから

毎日、本が読めて、美味しいお酒が飲めて、走って、そして楽しい仕事が出来る。それが一番。何事もなく、今日も読書が出来ることに、本当に感謝です。

2012-01-01から1年間の記事一覧

難しい、と言う前に

「SOSの猿」(30/144) 解説で伊坂の「第二期」の存在を知りました 称して『肩すかしもの』 いいじゃん い〜いじゃん! 第二期、いいじゃんっ 「あるキング」を読んだ時も思ったのですが 本先品も読みながら不安になります なぜ不安に…… 難解だから? 難解にみ…

気分、悪いね、サイテーだね

「殺人鬼フジコの衝動」(29/144) でも、読まずにはいられない ページをめくるのを止められない 未明から明け方にかけて 完全に、この作品の世界に没入してました 真梨幸子、ノーチェックでした まだまだ面白い作家はいるんですね 基本、人殺しの話です フジ…

気持ちいいね

「ヤッさん」(28/144) 銀座のホームレス、ヤッさん 実は 築地市場と高級料理店を繋ぐフィクサー 心から料理・食を愛する粋なオヤジ 素敵なキャラです 夢のような存在です まさに、市井のファンタジー とはいえ、リアルなグルメ批判あり 食の経済的な分析もあ…

島田雅彦、実は読んでなかった

「カオスの娘」(27/144) カオスがカオスでなくなる瞬間 そんな奇跡の場面が書かれている作品です シャーマンになるべく生まれた少年 二年間の「監禁」により壊された少女 それぞれ過酷な生き方をしています 帯には「スピリチュアル・ミステリー」と書かれて…

選ばれた人のストーリー

「褐色の文豪」(26/144) 偉人列伝、とでもいうのでしょうか ある人間の生涯を描く物語 本作品は あの「三銃士」を書いた(って、実は知らなかったのですが…) アレクサンドル・デュマ二世の一生が書かれていますいきなり、ナポレオンが登場する驚愕のオープ…

明日への絶望

「ニサッタ、ニサッタ 上」(24/144) 「ニサッタ、ニサッタ 下」(25/144) 乃南のやさしい視線が 21世紀初頭の日本の社会に容赦なく切り込む 厳しさに立ち向かわなくては生きていけない 現実はそこにある 主人公、耕平、中途半端な男 どこにでもいるような 真…

少しだけ悲しく、さりげなく寂しい

「腕貫探偵」(23/144) 西澤のミステリは とっても愉快で軽快でスマートなんだけど 少しの悲しみ さりげない寂しさ が微妙にブレンドされていて だから 好きなんだな〜 市中に突如出現する公務員(?) 本名は不明? 通称・腕貫探偵 小市民のちょっとした悩み…

過剰な言葉に負けない読書

「ゼロの王国・上」(21/144) 「ゼロの王国・下」(22/144) 度肝を抜かれる そんな愛の物語 なんだ、この物語は!? この圧倒的で膨大な言葉の応酬 最初の電車のシーン シリアスな話なのか、コメディなのか、わからない この主人公、吉田青年は何だ!? 解説に…

表紙に、だまされていました……

「珈琲店タレーランの事件簿〜また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を」(20/144) ラノベっぽいというか コミック系というか アニメチックというか…… 文庫の表紙の「イラスト」のせいで 読むのを控えていました でもでも、ホント〜に様々な書店でプッシュされ…

今、あなたは、夢を見ているのかも

「完全なる首長竜の日」(19/144) あれよあれよという間に 思考の迷宮に 取りこまれていく感じ 映画「マトリックス」を見たことがある人ならば あの世界観、わかりますよね 本当に自分はどちらの世界にいるのか ていうか、本当の自分って何? 夢を「主」とす…

弱者は負ける。だけど……

「ひまわり事件」(18/144) 荻原浩の小説は ある意味、残酷だ 弱者が強者に立ち向かう そこそこまでは、「反逆」は成功する がしかし、最後には そこそこの、冷たい「現実」が待っている その冷たい現実に翻弄される人間の 優しさ、誠意、勇気 それと同時に …

(ちょっと偉そうに書きますが)道尾はこの方向で良いと思う

「光媒の花」(17/144) 玄侑宋久の解説を引用します 〜(前略)ほどなく頭に何の冠もつかない ただの「小説」を書くようになっていったのである。 連作短編集 それも山本周五郎賞受賞作品 ミステリでもホラーでもないただの小説です 6つの作品が作り出す風景…

気持ちが悪いという気持ち

「静かにしなさい、でないと」(16/144) Bとは「ブス」のこと 容姿が 日本の一般的常識から見て 整っていない女性のことを指します B以外のテーマもありつつ短編6つ Bの他に「気チガイ」というカテゴリーの女性の話もあります どれも流行りの言葉で言えば「…

16桁

「ソウル・コレクター 上」(14/144) 「ソウル・コレクター 下」(15/144) リンカーン・ライム・シリーズ、8つ目 今回の敵はちょっと強すぎかと なんか、非現実すぎて、興醒めかなぁ…… って、読みながら、思っていたのですが 実は 現実が 既に 小説を 越えてし…

所謂、1080

「イニシエーション・ラブ」(13/144) ラスト2行の大どんでん返し 80'sの甘いラブストーリーが トレンディな恋愛ゲームが 全く別の顔を見せる 正直に言いますと 読後、全く、この小説の「仕掛け」がわかりませんでした ラスト2行で全部ひっくり返されたのです…

ここまで強いと、いいね

「もぐら」(12/144) 最近、書店で猛プッシュされている本シリーズ 押されているには訳がありました 閉そく感を打ち破る主人公・影野竜司の強さ 法を破ることも気にしないソウル お金に固執しないスマートさ 圧倒的な暴力的パワー 今の小さく縮こまった社会を…

おかえりなさい、タック

「身代わり」(11/144) ひさしぶりだ 彼女が死んだ夜 麦酒の家の冒険 仔羊たちの聖夜 スコッチゲーム そして… 依存 個人的には2004年に一気読みしていたみたいです 震える読書、だったのを覚えています 匠千暁、高瀬千帆、羽迫由起子、辺見祐輔 この四人の登…

こんな犬なら、好きになれるのに

「伏 贋作・里見八犬伝」(10/144) 犬、苦手です…… 本当に、勘弁してほしいです…… でも、この作品の、犬ならば 好きになれる、というか、一緒に生きていけそうな気がします お互いに「生き物」としての立場を尊重しあって…… 江戸の町に潜む人間と犬のあいのこ…

好き、か

「好き好き大好き超愛してる。」(9/144) こんな恋愛 してみたいよね 今週末、見に行く舞台の原作です 知り合いの出演者から 先に読んでおいた方が良いよ、とのアドバイスを受けました 映画でも、舞台でも、読書でも 前知識(限りなく)ゼロで臨みたい主義な…

死刑とは何か

「自白・下」(8/144) ……考えさせられる このグリシャムの思いに どう応えれば良いのだろうか 自分は、死刑に関しては「肯定派」です 本作品を読んでも 基本的な考え方は変わりませんが 死刑の捉え方は変わりました 死刑は無期懲役の上位 という認識は なんか…

信じる思い、信じ抜く力

「自白・上」(7/144) まだ上巻ですが 熱い この根拠を越えた熱さ 帯に真山仁が 〜これは作家の魂の叫びだ。 と記している まさに、叫びだ 無実の罪で逮捕され ※まさか下巻で「無実じゃなかった…」、な〜んて可能性もなくはないが。。。 死刑まであと四日 彼…

人は見た目。100%、見た目。

「モンスター」(6/144) 途中、泣きそうになった 切なすぎて そしてリアルすぎて 誰もが認める「超」ブスな女性が 整形手術を重ねて誰もが振り向く「ウルトラ」美人に変身する ビフォワーからアフターに切り替わるその瞬間の気持ちが 泣けた 本当に電車の中で…

紙に筆記用具で文字を書く喜び

「往復書簡」(5/144) 直筆、いまや魔法 その魔法を こんなに上手に活字で表現してくれるなんて 確かに、この手法の小説は多々あります でもそれは この手法が圧倒的に優れているから シェイクスピアが今でも演じられているのは そのシェイクスピアの手法が普…

全ての、この結末の先に

「本ボシ」(4/144) 幼女をターゲットとした殺人事件 本当に嫌な 最悪で最低な事件… そんな厳しい事件をテーマとして展開される 発表時は『図地反転』というタイトル まさにその通り 何が基本なのか? そして その基本は正しいのか? もし その基本が誤ってい…

たった一夜にこれだけの…

「デパートへ行こう!」(3/144) タイトルにだまされてはいけません でも、 読み終わった時の このタイトルの持つ意味に 必ずや、ホロリ…するはずです 主役が7人!? それも たった一夜に 更に、場所も日本橋のデパート限定! そんな無茶な話を 実にスマート…

小学生の輝き、という視点でも

「再会」(2/144) 横関、初読 江戸川乱歩賞作品 王道ミステリ 安定感のある展開 小学生のころの「仲良し」4人組 23年たって 時計の針は動きだす タイムカプセルに入れられた「ピストル」 4人だけの秘密 この秘密を破ったのは誰? 息子が万引きを… 息子の「未…

久しぶりの、非読書ネタです

「おおかみこどもの雨と雪」 http://www.ookamikodomo.jp/index.html 実に2009年8月以来の読書以外のネタでございます やっと見ました 都内でやっている映画館、僅か 仕事、適当に、抜けて 決め打ちです やっと見ました で、映画館で見て、良かった この内容…

限界を楽しむ

「獣の樹」(1/144) さて、年間100冊読書クラブ 今期一冊目は、最大級の作品を持ってきました ここから始めれば 怖いもの無しっす! 舞城、正直、僕の限界、越えてます 帯にもある「凄まじい文圧!」とはよく言った! この圧力を跳ね返して読み続けるだけで …

歴史のif

「鷲たちの盟約・上」(165/144) 「鷲たちの盟約・下」(166/144) もし、もし、もし、 第二次世界大戦で アメリカ合衆国とヒトラーのドイツが手を組んでいたら!? スケールのデカい「if」 舞台は1943年 合衆国は大変な状況になっていた 自由が封じられた専制…

犯罪の「成功」を願っては、いけないんですか?

「誘拐」(164/144) 当然、フィクション前提で読んでるので 実現は無理なのは分かりきっているのに ふとした瞬間に なんで、この犯罪、誰もやらないんだろうか と思ってしまう ま、物語だから 都合の良い条件はたくさんあります ・総理大臣の孫 ・日韓の歴史…