趣味は「読書」ですから

毎日、本が読めて、美味しいお酒が飲めて、走って、そして楽しい仕事が出来る。それが一番。何事もなく、今日も読書が出来ることに、本当に感謝です。

2010-07-01から1ヶ月間の記事一覧

登場人物の描き方の素晴らしさ

「最後の一球」(118/122) 主人公の「二流」プロ野球選手・竹谷の描写に尽きる。 彼の独白に、 引きずり込まれる。 ストーリーとか、トリックとか、ミステリとか、 社会派とか、技巧派とか、 そういうモノを超えたところで 島田荘司は文章を生み出している。 …

新しい。うん、新しい。

「インシテミル」(117/122) 米澤穂信が書くと、 こうなるのか。。。 クローズドサークルもの。 集団密室もの。 ありえない条件設定のもとで進むミステリ。 12人の男女が「殺しあう」。 時給10万円を超える一週間の短期バイト募集が物語の発端。 さらに、その…

影に生きる優しき人々

「続巷説百物語」(116/122) 本当に面白い物語です。 愉快だし、爽快だし、 切ないし、悲しいし。 京極夏彦、おそるべし。 文庫750ページ、相変わらずの長丁場ですが、 読み進めるのが、嬉しくて。 巷説百物語の流れです。 六つのエピソード。 それぞれが絶妙…

なぜ、こんな、悲しいことが。。。

「永遠の0」(115/122) 第二次世界大戦。 零戦、そして特攻のお話です。 誰がこんなにも愚かで馬鹿げたことを考えたのでしょうか? 日本人は、 狂っていたのでしょうか? そして、 今も狂ったままなのでしょうか。。。 本作品だけで様々な状況を判断するのは…

卓越したストーリー展開を味わう贅沢

「エコー・パーク 上」(113/122) 「エコー・パーク 下」(114/122) ご存知、ハリー・ボッシュ・シリーズの12作目です。 帯に「これぞ警察小説の真骨頂!」と書いてありますが、その通り。 司法取引という、日本では馴染みのない制度が生み出した、 事件を読み…

昨日の補足

あまりに打たれたので 読後、すぐに書いてしまったのですが その後、解説で 作者の伊藤さんが既に お亡くなりになっていることを知りました 自分の命を量りつつ書いていたかと思うと。。。 これ たぶん、読んでおいた方が良いと思います 特にSF苦手のの方 こ…

凄いよ、これ

「虐殺器官」(112/122) 伊藤計劃、凄いよ。 なんだ、これ。 これだけのメッセージを積み込んであるのに、 とてつもなくスマート。 信じられない。 国家の仕事として「暗殺」をする男が主人公。 その暗殺を主軸に、 国家とは。宗教とは。バイオテクノロジーと…

宮崎あおい

「たりないピース」(110/122) 「Love,Peace & Green たりないピース2」(111/122) 自分にとっては珍しいジャンルの本です。 宮崎あおいと実兄・宮崎将の2人が体験したことを スタッフとの議論を交えながら、 フォトエッセイ風にまとめている作品。 非常に硬…

銀行って、必要??

「果つる底なき」(109/122) 銀行、そりゃ、当然、必要ですよ。 でも、本当に必要なのかな。 そもそも、銀行って、何してる会社で、 どういう社会的責務があって、 そこに努める人たちは何なんだろうか? 本当に、シンプルに、 営利団体として捉えて良い集団…

暗殺とは犯罪か

「カストロ謀殺指令・上」(107/122) 「カストロ謀殺指令・下」(108/122) キューバ事変。 カストロ暗殺未遂。 史実をデイヴィッド・L.ロビンズが第一級のエンタテインメントに。 いったい、どこまでが現実なのか? 読者の頭脳は歴史の迷宮の中でスパークする…

手紙という素敵なシステム

「追伸」(106/122) 真保裕一という作家は奥深いですね。 様々なスタイルに変容しつつ、 ズッシリと芯の通ったストーリーを語ってくれる。 本当に安心して読めます。 本作品、手紙のやり取り、往復書簡だけで展開します。 それも思いもかけない二重構造。 ・…