趣味は「読書」ですから

毎日、本が読めて、美味しいお酒が飲めて、走って、そして楽しい仕事が出来る。それが一番。何事もなく、今日も読書が出来ることに、本当に感謝です。

2014-01-01から1年間の記事一覧

今年、最後にキタ、間違いなし、傑作

「その女アレックス」(29/144) 何も書けないです 書けばネタバレになってしまう 女性の誘拐事件から物語ははじまるが その物語のゴールは…… どんでん返しとはまた違う 圧倒的な衝撃 こんな小説、読んだことない 頁が進むにつれて どう、感情の落とし所を見つ…

超めんどくせーオンナ

「すべて真夜中の恋人たち」(28/144) 何がめんどくさいって 嫌いになれない 川上が丁寧に書き上げて生み出された主人公、入江 かなりエキセントリックだが そこまで変わっていない でも、普通じゃない でもでも、その行動原理を否定する気にはならない 共感…

たまには心温まる作品も読むんですよ

「ウィンター・ホリデー」(27/144) 良い人たちの話 久しぶりに読んだかも このホッコリ感、たまには嬉しいかも シリーズものであることを知らずに読み始めましたが 途中入りでも全く問題なしでした 元ヤンでホスト ある日、突然現れた「息子」 それをきっか…

最低の気分をお試しあれ

「或るろくでなしの死」(26/144) 最悪の読後感 なんで、こんな文章を書く人がいるんだ そして なんで、こんな作品を読む人がいるんだ 答えは そこに「生」があるから、かな? あら、ちょっとカッコつけすぎかも この残虐で陰惨な「死」の反対側には 輝ける希…

小馬鹿ですが

「高原のフーダニット」(25/144) うん、小馬鹿にしてる でも、本格 これでいいの? でも、完全に本格だから 有栖川はヤルね 特に一作目「オノコロ島ラプソディ」 あまりにも『酷い』トリックに 打ちのめされました 最初、読んだときは「ありえね~」と思うが…

ハワイといえば

「ホテル・ピーベリー」(24/144) この緩い雰囲気のミステリは 舞台がハワイ島だからこそ成立する 妹がハワイ島に住んでいる縁もあり 三回ほどハワイ島には行っている 主人公が空港に降り立ったシーンなどは 本当に、あの時の「気持ち」を再現してくれている …

新宿に、行きたい

「絆回廊 新宿鮫10」(23/144) 四年ぶり 鮫に会いました 9、8、7、6、5、4、3、2、1 今までは変則的な読み方をしていたので こんなに間があいたのは初めて でも鮫島は すぐに戻ってきてくれました このキャラ、無敵 刑務所から出て来た男の 警察官に対する逆…

想像を絶する

「PK」(22/144) まずは、一度、読んでみてください 次に、どのページを開いても どこからでも構いません そこを読むだけで 途中だろうが何だろうが その部分を読むだけで 圧倒的に面白い 全てが湧き上がってくる 物語が 前より大きくなって僕に襲い掛かって…

王者と王者

「007 白紙委任状 上」(20/144) 「007 白紙委任状 下」(21/144) ボンドとディーヴァーが同じ「舞台」にいるなんて 信じられない…… もの凄い対決だね で、読んでみた この闘いは、壮絶に素晴らしかった 結果は「引き分け」でしょ 5日間の物語 テロをほのめか…

一歩、間違ってからの、心中

「えんじ色心中」(19/144) 読み終わって気が付いた この作品、心中の話なんだと 自殺、殺人、心中 気持ちによって ていうか、「気分」によって言い方は変わる 息子を殺したと供述後 殺していない、無実だと主張を変える父 この親子の物語をなぞるかのように …

翼はいらない

「翼」(18/144) 初めに言っておきます 涙は出ないかと でも、面白いです 白石ワールドに引き込まれます そんな感動的なラブストーリじゃないと思う もっと、ギリギリな感じ 登場人物の心の動きに無理があるとか言っている人もいますが そもそも、無理のない…

広島カープを球場で応援したくなるミステリ

「確信犯」(17/144) まず「確信犯」の意味を調べてから 読み始めてください そして「社会的な善と悪」と「個人的な善と悪」の判断基準が どれだけ異なっているか 考えてみてください この「どんでん返し」は実にシニカルです このモゾモゾする感覚が 司法の…

ラスト8頁のジェットコースター

「ビッチマグネット」(16/144) そもそも舞城作品なので 理解よりも 文字を追う悦びを享受しようと思って読みはじめたけど 今回の主人公の姉と弟を軸にした 恋とか愛の話は 想像以上に物語が見えてきて 弟に対する姉の屈折した思いの描写とか 父の愛人に対す…

死んじゃった……

「親子の肖像 アナザーフェイス0」(15/144) 最近、堂場はこのシリーズしか読んでいないかも 1、2、3、4ときて なぜか「凍る炎」を忘れていましたが 今作は0だから大丈夫 シングルファザーになる前の大友と なって部署を移ったばかりの大友の物語です 奥…

乾いている2014年

「緑の毒」(14/144) 連続レイプ犯の話 なのに 何か不思議な空気が流れている 様々な社会の問題や事象が 濃密ではなく ライトに絡み合っている感じ きっかけがあれば、あっという間に解けそうなパズル でも 解けないよ、これ 今の日本の状況に似ているかも 桐…

書いていない部分は読者のもの

「絶望系」(13/144) 新潮NEXです なんと、電撃文庫から転籍(?) そして、お恥ずかしいことに 作者、谷川が『涼宮ハルヒ』シリーズの著者ともしらず 読んでいました ラノベ風の描写があるのは ちょっと気になったけど 読み進めるうちに、そんなことは忘れて…

肝の巻

「天国の囚人」(12/144) 4部作の3つ目 過去が見えてきた やはり本作品は発表順に 「風の影」 「天使のゲーム」 の次に読んでもらいたいと思うが 実は、本作品から読むほうが「分かりやすい」かも 登場人物の行動原理の説明がここにあるから フェルミンの壮絶…

地味に

「ナンバー」(11/144) 警視庁捜査二課です 横領、詐欺 いわゆる知能犯相手 殺人や対暴力団といったヴァイオレンス系や 公安といったエスピオナージュ系に比べれば はっきりいって地味です でも どちらかといえば 市井の人に近い人たちが「犯人」であるだけに…

友達は……3,000頁の先にいました

「ソロモンの偽証6」(10/144) 何が凄いって 温度のキープ力が半端ない 宮部の力技 圧巻 ここまでの長篇なのに ここまでの劇的な事件なのに おさえて、おさえて、おさえて…… 物語が進む こんなに素敵なクライマックスなのに 温度の急上昇はない だから よく考…

夢の続きは……

「ソロモンの偽証5」(9/144) 裁判が始まった この550頁 夢を見せつけられている気がした 今まで見たことのない リアルだけど 振り向けば、そこに得体のしれないリアルが存在しそうな 夢、だよ、これは 中学生のバトルに オトナが巻き込まれていく様を パロデ…

これは、ファンタジーなんだ

「ソロモンの偽証4」(8/144) これは 宮部がしかけた ファンタジーなんだ 中学生が裁判を実施するというファンタジーなんだ 魔法はいらない ロボットとも必要ない そこには 論理と言葉のみ そんなファンタジー このファンタジーのラスボスは 最初に死んだ中学…

この先、まだまだ見えない

「ソロモンの偽証3」(7/144) 裁判、だって 検事と弁護士を同級生がやる 柏木卓也は自殺だったのか? 宮部の仕掛ける奇想天外な設定で 事件の真相が 全く別の角度から明らかになってくる 同級生が 自分たちで事件を解明する それも、オトナの手法に則って こ…

まだ1/3

「ソロモンの偽証2」(6/144) テレビに出た また事件が動き出した 悪意の積み重ねが善意を踏み潰していく と言ってしまえば簡単なのだが リアルは違うことを 宮部は丁寧に、そして冷酷に提示していく 正義と悪意は時として紙一重であり 無関心の中に芽生えた…

遂に、ですよ

「ソロモンの偽証1」(5/144) 遂にですよ 宮部の超大作ですよ もう、6巻も、大量に読めるから、嬉しすぎですよ 導入の500頁 事件は中学二年生にふりかかります 終業式、クリスマス 雪の積もる学校の通用口に死体が 自殺ということで関係者一同のコンセンサス…

完成度、高過ぎる

「夜よ鼠たちのために」(4/144) 短編集 どれも濃い 短編じゃ勿体ない でも連城は無駄な部分を限界まで削ぎ落として 芯だけ ソリッドなミステリ この短さの中に繰り広げられる世界 書いていないから 読めないからこそ見えてくる 読者の中にのみ在る世界 最高…

フォロー、命

「撃てない警官」(3/144) シリーズ第一弾 珍しく第二弾から読んでしまったので やっと彼の左遷の理由がわかってホッとしました(笑) まあ、罠にはまって、というか一種のトバッチリで 綾瀬署にやってきたんですが 様々な事件、というか はっきり言えば、各…

頁が重い

「誰よりも狙われた男」(2/144) 実は、久しぶりのル・カレ もしかしたら10年ぶり やっぱ、重い 911以降のイスラムテロもの 舞台はハンブルグ 今になって 911におけるハンブルグの意味を知りました 情けない…… この作品で知ることが出来て良かった テロの話と…

書く、読む、楽し

「ミステリーの書き方」(1/144) さて、本年度一冊目は まさかの非小説 書きたい人は当然 読んでいるだけでも満足な人でも 読むべき一冊 好きな作家の裏側と言うか本質と言うか どういう気持ちで作品を書いているのかを想像できる これ、最高でしょ でも 本作…

ハードな妄想にハイになる

「火星の人」(164/144) きた、ハードSF それもコミカル 火星にたった一人取り残されるという 無茶なシチュエーションが 読んでいるうちに なんか、ありそうな気になってくる不思議 2014年時点では真っ赤なウソだけど 近未来的には きっと、リアルなはずさっ…

エロスと共に生きていくべきなのか

「花酔ひ」(163/144) エロいよ これ、エロい 地下鉄で読んでいて ちょっと恥ずかしくなるくらいエロい エロいというかエロスというか 人間関係全般の中での性交 つまりセックスという行為の占める割合は 人それぞれ異なるとは思う フィジカルな性交の中に ど…