趣味は「読書」ですから

毎日、本が読めて、美味しいお酒が飲めて、走って、そして楽しい仕事が出来る。それが一番。何事もなく、今日も読書が出来ることに、本当に感謝です。

2014-01-01から1年間の記事一覧

湊節炸裂

「Nのために」(162/144) いつも通りの湊スタイル で、純愛 4人のNの語り 杉下は女 安藤は杉下の友達 成瀬は杉下の幼馴染 西崎は杉下と同じアパートに住み小説家志望 表の語りと 裏の語り その4人に多大なる影響を与えた いや もしかしたら、この4人に翻弄さ…

何気ない有りえない話

「幻影の星」(161/144) 実に淡々と 普通の男と女の物語が描かれている 不幸な生い立ちかも でも、この程度の不幸はいまどきデフォルトでしょ 会社での仕事は どちらかといえばハッピー領域 でも、時は311の数か月後 あの頃 東北、関東の直接的な被災地を除い…

語り合いたい

「いなくなれ、群青」(160/144) 新潮文庫から 栞紐が消えてしまった 来た、nex それにしてもヤクザから あまりにも急激な世界転換 これこそ、読書の楽しみ、悦び、醍醐味 え、SF? 不思議なスクールデイズ・ミステリ 初期の伊坂を彷彿させる世界観 そこに理…

ヤクザの魅力

「暗礁・上 」(158/144) 「暗礁・下 」(159/144) ヤクザとフロントもどき?二人が繰り広げる ある種、ドタバタ・アクション・エンタテインメント 軽快な大阪弁と ド迫力の大阪弁が交錯する時 謎が明らかになる 基本的に、登場人物、みんな悪い奴 合法の向こ…

やっぱり、敢えて、言おう

「キング誕生〜池袋ウエストゲートパーク青春篇 」(157/144) ブクロ、サイコー マコト、サイコー そして キング、サイコー 更に やっぱり ブクロ、サイコー http://d.hatena.ne.jp/yosshy443/20050924 http://d.hatena.ne.jp/yosshy443/20070916 http://d.ha…

知って、売って

「太陽は動かない」(156/144) 産業スパイもの らしい カッコよく言えば「情報商社」 下世話に言えば「やくざ」?? 情報で生死が分かれる 先に知る 先に行く、先に動く、先に処理する テーマは「電力」です 石油から太陽光、そして宇宙発電へ 技術と共に動く…

家族っていいね的を全否定

「暗鬼」(155/144) 家族という人の集合体の 気持ち悪い部分を フルスペックで書き上げると こういう気持ちの悪い作品になる 乃南の「嫌」な力に引き寄せられて 心は ただただ 沈んでいくばかり 1993年の作品 携帯電話も普及前夜 インターネットの無い時代 家…

ど真ん中ミステリも読みたい気もするが……

「水の柩」(154/144) やはり、こっちの道尾、好きです 人形を三人で投げ込むシーンは キレイでした 意味は無いかもしれない でも やるべきだ やらないと始まらない 苦しくて、みじめで、情けないけど 圧倒的な希望に包まれ、微かかもしれないが美しく輝いて…

『中弛み』ならではの緊張感

「真夜中の探偵」(153/144) あれから数か月 舞台は大阪へ ソラ・シリーズ第二弾 まさかの母登場 もちろん、本作品内での具体的な進展はありませんが 徐々に、ソラの抱えている問題の大きさが 見えてきたかな……って感じ この中途半端な状態が 一番面白かった…

真相を暴く、美しく

「カラマーゾフの妹」(152/144) あの あの、ドストエフスキーの そう「カラマーゾフの兄弟」の続きだなんて凄すぎる 無邪気にも 「カラマーゾフ」という単語にひっかけた内容で ロシア文学を研究する 日本人の女性かなんかが主人公で 日本とロシアを駆け巡る…

残酷は、実は優しいのか?優しさは、所詮残酷でしかないのか?

「水底フェスタ」(151/144) 最高です、辻村 なぜに、ここまで面白い まさか、ここまでとは もう少し前で 物語は止まるのかと思っていた あと少し、もう少し どんどん体温が下がっていく 全ての始まりは水底だった あまりにも 素晴らしく 僕にはこれ以上書け…

1930年のベルリンに

「ゴールドステイン・上」(149/144) 「ゴールドステイン・下」(150/144) 骨太の海外警察もの それも1930年のベルリンという 近代史上、もっとも「劇的」な舞台 ある意味、皆、いい加減 ちゃんとした捜査ってわけじゃないし 犯罪に関しても どこか寛容なとこ…

自分的に完璧な作品に出合ってしまった

「ふがいない僕は空を見た」(148/144) 他の人にはあてはまらないかもしれませんが 自分的には 今、この作品はパーフェクトでした 文庫化されてから いつも書店で気になっていた本作品 約2年の間 平積みで置かれていて タイトルのパワーに引っ張られつつ なぜ…

竜はいるよ

「ダンス・ウィズ・ドラゴン」(147/144) 積極的に読むというよりは なんとなく、ふと読みたくなる作家 それが村山かもしれない帯には「官能長篇」とありますが どちらかと『感応』だと思います 男が女を 女が男を感じるように 竜を感じる そうドラゴンです …

やっぱ、歌野だなぁ

「ブードゥー・チャイルド」(146/144) いかがわしい黒魔術からスタート 呪いのサイン 前世の記憶に囚われる少年 物語は急に現実世界にジャンプ そのまま急展開 父の不倫疑惑? 母が殺された? 自分に容疑が? 一気にミステリモードに これを、どうやって収め…

闇の中から

「東京プリズン」(145/144) 東京裁判 知らなかった A級、B級、C級の意味を 衝撃的な作品すぎて 正直、自分、パンクしました 受け止められないよ この気持ち 日本とアメリカ 太平洋戦争 ちょっと前の話が 闇の中に…… いや、そんなことはない 闇の中に入れてい…

悲しいです

「晴天の迷いクジラ」(144/144) 今年度のノルマ達成の作品が こんなに素晴らしい作品だなんて なぜか、今まで見過ごしていた窪 これからは、必読です 死に向かう三人の物語 でも、本当に死にたいのか…… なんか死ねたらいいな〜くらいかもしれない 圧倒的に死…

後味、悪い。というか、不味い。

「あいにくの雨で」(143/144) な〜んか、嫌な感じ 構造は完全にミステリで 密室連続殺人ものなんだけど なんか、納得いかない ミステリ部分に納得がいかないわけではない 間違いなく「本格」だ でも作品に流れる違和感とでもいうのだろうか 安定しない人間関…

最低な男にのみ許される純愛

「ジェントルマン」(142/144) エロいんだけど あまりにも悪すぎて そのエロも罪と交じってピュアに見えてくる 悪人のジェントルマン・漱太郎に恋い焦がれ続ける ゲイのユメ 悪の部分が強くなれば ジェントルマンの部分が光り輝く 一人で正負を受けとめる「器…

久しぶりの乙一

「箱庭図書館」(141/144) 久しぶり、乙一 なぜか読んでなかった で、久しぶりに読んで 面白かった 実に面白い小説だった 六つの連作短編 本好きな人を契機に始まる物語 時にファンタジックに、時に残酷に悲しく 実に様々な物語が バランスよく散りばめられて…

大好きなキャリアの話と思いきや

「出署せず」(140/144) お、女性キャリア署長っ! 帯に踊る文字にギュっと惹かれるままに で、主役はキャリアじゃなかったのね で、シリーズ二作目だったんだ およよ…… でも、面白かった 主人公の「代理」の中途半端な立ち位置が たまらない どーして(こん…

家か……家族か……

「我が家の問題」(139/144) 一人暮らし、四十五にとっては ラゴスよりも ある意味、SF度、高いかもね…… 我が家か 未知なる世界、宇宙だね、いや深海かも 一人じゃない人たちが織りなす物語は 一人で暮らす僕にとっては スターウォーズのジャバザハットの居る…

読書感想文を書きたくなるような素敵なSF

「旅のラゴス」(138/144) 筒井作品は 本当に読んでいない 残念だ でも仕方ない 読もう 何気なく書店で選んだ一冊 1986年作品 旅をする男、ラゴス その世界は空想の世界 多分、地球ではないだろう とはいえ完全なるファンタジー・ワールドでもない 楽しみは、…

美しすぎる物語構成にうっとり

「楽園のカンヴァス」(137/144) やっと文庫化 やっと読めた ものすごく期待して読み始めたけど 期待以上だった 前評判が高かっただけに心配だったけど 良かった 前知識を入れないで読むのが常套なのだけど 本作はたまたま「王様のブランチ」で 気が付かぬま…

事実は小説より奇なり、ってこと

「海賊とよばれた男・上」(135/144) 「海賊とよばれた男・下」(136/144) こんな人がいたんだ、この国に…… 小説という作品として、どうこうというのではなく こういう人間がいたという事は 知っておいた方が 絶対に良いと思うので 読むべき作品だと思います …

久しぶりに体感する圧倒的なクリエイティブ

「烏に単は似合わない」(134/144) 理解を要求されない 超絶ファンタジーの世界で繰り広げられる 人間のエゴがぶつかり合う 実に真っ当な社会派ミステリ そんなの、無茶でしょ その無茶が ここにはあるのです 平安時代チックな設定 でも人が鳥(烏??)にな…

もっと読みたいよ〜

「時の罠」(132/144) 辻村深月 万城目学 米澤穂信 湊かなえ 眩しすぎるぜっ この面子 時間の経過をテーマに スパースター作家たちが競演する 辻村は 王道スクールデイズ系ですね 万城目は やっぱ神様で攻めてくるか 米澤は SFで斬ってきましたか そして湊…

低温の魅力

「闇の喇叭」(131/144) 低い このテンションの低さが 作品の緊張感を徐々に徐々に高めていく たまらない 静かに興奮出来る 久しぶりに、来た、かもしれない 設定からして痺れます USAの原子爆弾の開発の遅れにより 歴史の流れが変わり 朝鮮半島ではなく 日本…

季節モノですが

「怪談」(130/144) 夏ですから やっぱ「怪談」です でも、柳の怪談は恐くないです そこに恐怖はありません 雪おんな ろくろ首 むじな 食人鬼 鏡と鐘 耳なし芳一 おなじみの怪談をモチーフにして ミステリというよりは 現代の寓話って感じの小気味良い六つの…

あれ、もしかして……

「黄金色の祈り」(129/144) あの「タック&タカチ」シリーズを書いた西澤だから 温い作品の訳、無いよね 読了して、改めて感じました ずしりと来る そして、ふと我に返る あれ、自分、もしかして…… なんか、昔、やってたかも…… 人を、殺してたかも 中学校、…