趣味は「読書」ですから

毎日、本が読めて、美味しいお酒が飲めて、走って、そして楽しい仕事が出来る。それが一番。何事もなく、今日も読書が出来ることに、本当に感謝です。

2013-01-01から1年間の記事一覧

強者のロジックは悪なのか?

「下町ロケット」(29/144) 直木賞ということで どんな作品なのかなと で、読んでみて納得 善とは? 悪とは? ビジネスという切り口で見事に表していたと思います 流石です 強者対弱者という構図は 世の中を明るくしない 強者の中にも強弱があり 弱者の中にも…

七つ目、ここまで来たか

「夏天の虹」(28/144) さあ、振り返りましょう 八朔の雪 花散らしの雨 想い雲 今朝の春 小夜しぐれ 心星ひとつ で、ですよ 今年7月から読み始めた本シリーズ ここまでくると 料理という行為は、はっきり言って、二の次です たまたま 澪は料理が好きで上手な…

訳ありまして……

「Like a KIRIGIRISU “保障のない人生"を安心して生きる方法」(27/144) 訳ありまして 本書に 登場しておりまして…… 自解無しで、よろしくお願いします あ、著者は同級生です ※「もう一つの趣味は「ランニング」ですから」Like a KIRIGIRISU “保障のない人生"…

裏切られ、裏切られ、裏切られ……

「ロードサイド・クロス 上」(25/144) 「ロードサイド・クロス 下」(26/144) キャサリン・ダンス・シリーズ 二つ目 どんでん返しを覚悟しながら読んでるから どこがミスリードで どこに本筋があるのか 終始、疑心暗鬼 誰が犯人 誰が共犯 そして、誰が次の被…

これが、日本、なんだな

「優しいおとな」(24/144) 桐野が提示する近未来の日本 洒落にならない これ、SFじゃないでしょ ただのドキュメンタリーでしょ ホームレスに占領 いや、ちょっと違うな ホームレスが町に溶け込んでいる 別に犯罪に溢れているわけでもなく それぞれの立場で …

来世はスパイになろうと固く誓う

「レッド・スパロー 上」(22/144) 「レッド・スパロー 下」(23/144) スパイ小説好きとしては これはパーフェクト 合衆国とロシアのガチな戦い 冷戦終結後の 今の情報戦争がここに書かれている 古典的なスパイ活動とテクノロジーの融合 きっと、今夜も 赤坂で…

目の付けどころが……ってやつですね

「ブック・ジャングル」(21/144) ラジコンのヘリコプターと 図書館 なるほどね〜 うまいね〜 それだけどゾクゾクしちゃうね〜 石持作品なんで まあ期待通りのクオリティ 実に正統派のアクションミステリです 深夜の図書館に潜入した 二人の男子と三人の女子 …

靡エロ、微エロ、美エロ

「氷平線」(20/144) きた、直木賞 初読です 枯れた環境での わずかな性 「雪虫」「霧繭」「夏の稜線」「海に帰る」「水の棺」そして「氷平線」 さびしい物語が続きます でも、たださびしいって感じじゃないんだよなぁ 強いとか弱いとか超えて セックスという…

これが史上稀にみる「失敗」だったのか

「暗殺者の森・上」(18/144) 「暗殺者の森・下」(19/144) イベリアの雷鳴 遠ざかる祖国 燃える蜃気楼 暗い国境線 鎖された海峡 長いね 超巨編だね 全世紀(1999年)からスタート 長すぎて 前作を読んでいたつもりになってました…… 今作品はヒトラー暗殺未遂…

日本人で良かった

「蜩ノ記」(17/144) この絶妙な気持ちは 日本人じゃなきゃ わからないだろうな〜 逆もありますよね キリスト教が深く係る作品のツボは 理解は出来ても やっぱ、わからないし…… でも、良かった、日本に生まれて そんな気持ちになる 悲しくも清々しい物語です …

「そして、移動しなければ出会いはない」

「歌うクジラ・上」(15/144) 「歌うクジラ・下」(16/144) 「そして、移動しなければ出会いはない」 心に刺さるフレーズが散りばめられていますが 僕は この言葉が 一番好きです ※「もう一つの趣味は「ランニング」ですから」歌うクジラ(上) (講談社文庫)作者…

貧乏且つスタイリッシュ

「桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活」(14/144) えっと あの奥泉が この軽くて超適当な作品を書くなんて…… もちろん 軽さの先にある 緻密なミステリを見つけるたびに やっぱ違うな奥泉、と実感 ダメダメ、圧倒的にダメな大学准教授・桑幸が 日々の苦しく…

蜂とは戦いたくないね

「雀蜂」(13/144) 様々な見え方をする作品 読み終わった後 この作品の どのポイントに注目するのが 一番面白いのか 再考するるために 最初から 読み返すこと間違えなし ラスト25ページのドンデン返しを受けて 最初の3ページを何度も読み返す これは誰の物語…

物凄くドラマチックじゃない

「光」(12/144) まさか、帰るとは…… いや、ビックリ ネタバレになるのでこれ以上は書けませんが 誰もが期待する展開を 小説ならば、こうなるだろうな〜と想像する流れを あっさりと裏切る いや、気持ち良かった 小さな島が 津波で壊滅した 残された子供は3人…

超絶技巧

「開かせていただいて光栄です」(11/144) 調べてみたら 皆川作品は「死の泉」だけ読んでました 2005年1月1日読了でした きっと2005年は素晴らしい1年になったことでしょう で、本作、 18世紀ロンドンが舞台です で 18世紀ロンドンが舞台でなければ成立しない…

不幸、幸福、不幸、幸福。その次は……

「死もまた我等なり・上」(9/144) 「死もまた我等なり・下」(10/144) クリフトン年代記 シーズン2です 北米に渡ったハリー いきなり牢獄 そこから、まさかの「作家デビュー」とは!! ハリーの「妻」メイジー まさかの北米行き強行とは アーチャーの得意技炸…

江戸は問う

「心星ひとつ」(8/144) 澪の物語は ホップ、ステップ、ステップ ホップを挟んで ステップしたと思ったら まさかの展開が…… みをつくし料理帖、第六弾 超急展開です! 料理人失格と厳しく窘められつつ 店を持たないかという二つの誘いに悩んだあげにく 遂に小…

江戸で泣く

「小夜しぐれ」(7/144) 澪の物語は ホップ、ステップ、ステップ で、あえてここでホップかな みをつくし料理帖、第五弾は 様々な涙に彩られています つる屋の亡き娘、おつるの悲しき物語 親子の姿に何をみたのか、種市さんよ 幼馴染との約束は 二人の歩む道…

江戸を切る

「今朝の春」(6/144) 澪の物語は ホップ、ステップ、ステップ……で留まりつつ さあ、どっちに転がる? とか思いつつ 紆余曲折ありつつも どう〜せ、澪にとって、良い方向にしか行かないと分かっているんです 絶大なる安心感ともに あいも変わらず、お腹が減る…

殺人者の気持ち

「悪と仮面のルール」(5/144) 悪人の話しなんだけど なんで こんなに優しいんだろうか 人を殺した奴に どうして さりげない共感を抱いてしまうのだろうか 誰もが 悪に憧れる その悪を描く中村文則 素晴らしすぎる 主人公 大金持ち 実の父を「殺害」 動機は好…

悶える……

「小暮写真館・下」(4/144) 悶える この、あまりも絶妙な、結末に なんだろう この「切なさ」と「嬉しさ」 この按配が、宮部クオリティ 悶えます 心霊写真探偵の話から 辿り着いた先は 実はシンプルなファミリーのストーリーでした とにかく、読んでください…

え、え、え、え、え、心霊写真!?

「小暮写真館・上」(3/144) いや 宮部みゆきの 懐の深さに もう感動を通り越して 恐怖を感じます 文庫の帯に書いてある どこまで行くんだ、宮部みゆき! その通〜〜〜〜りっ!!! この人は 本当に存在するんでしょうか? まさか「写真館」というタイトルから …

来年4月までは、必ず生きていたいと、切実に思う

「人類資金・3」(1/144) 「人類資金・4」(2/144) 序盤から中盤へ M資金とかいう問題から 世界を動かすシステム(=ルール)の話しに発展ですから ロシアを舞台に 究極の「詐欺」が仕掛けられる が、しかし そこに登場するのは なんと、ヤクザだった 更に、そ…

暗闇の先に見えたものは……

「シンセミア・上」(160/144) 「シンセミア・下」(161/144) 上巻 不安でした この物語の行きつく先が全く見えない 神町での話し 戦前からの町の歴史を引き摺りつつ どうみてもイケてない町に住む 輪をかけてイケてない住民がおりなす 爛れた話し 暴力、セッ…

天才は呆気なく散る

「見えない復讐」(159/144) すみません タイトル時点でネタバレなんですが…… 文庫帯に書いてあるとおり 極限の推理劇 偶然にも同じ志を持っていた男が二人 出会ってしまった物語 天才二人の「深読み」対決です 本当は対決と言う関係では無く もっと微妙な関…

そこに、光があるから

「光待つ場所へ」(159/144) そこに、光があるから 否 光があることを、信じているから 人は前に、進めるのかな でも、簡単に信じることが出来ないから 生きていくのは辛いってことかな 今回も名台詞満載でした 僕の一番は 絵を描く人たちの物語「しあわせの…

ぐうの音も出ない程、面白くて 

「マリアビートル」(158/144) 何でしょ これ 面白さ、説明不能な程の面白さ 徐々にヒートアップしていく読者を置き去りにする 様々な登場人物たち 最初から盛り上がっている人 すぐに死んじゃう人 ずっと冷静な人 ずっと怒っている人 すっと不運な人(笑) …

ルールを作るリスクと悦び

「ダークゾーン・上」(156/144) 「ダークゾーン・下」(157/144) 様々な切り口で読める作品です 解釈も様々でしょう 現実の世界とゲームの世界の関係性は 特定されていません そもそも 現実とゲームという二極化すら 明示されていないので 非常に自由に読める…

自分だけの江戸を楽しむ

「想い雲」(155/144) 澪も徐々に成長しています これで三つめ 今回も美味しい料理を届けてくれています 朝の連続テレビ小説的な 大河ドラマ的な 大きなうねりの中で ついに、澪と野江がコンタクト 野江があさひ太夫から離脱出来る方法はあるのか? このシリ…

とにかく、新しいのかと

「雑司ヶ谷R.I.P.」(154/144) あれから、雑司ヶ谷のイメージは…… 圧倒的に 素晴らしくなりました 鬼子母神、行かなくちゃ 雑司ヶ谷の歴史が明らかになる 雑司ヶ谷のトリックが白日の下に 何か言いたいことがあるというよりは 何を知りたいのか 読者が選べば…