2006-01-01から1年間の記事一覧
「手紙」(22/122) やっと読めた。 年内ギリギリ間に合った。 で、改めて、年の瀬に読んで良かった。 この、自分の生活が静かになる年末に、心、痛く、そして強くなれた。 強盗殺人犯の弟と、どうつきあっていくか? シンプルな話だけど、、、 もちろん、兄…
「夜のピクニック」(21/122) 高校生小説(?)の最高峰! 間違いないでしょ。 恩田陸の魂震えるペン捌き(タイピングか!)が見えてくる。 素晴らしい。 なぜ、これほどまでに事件が無いのか? それは彼らが高校生だから。 それも、どちらかといえば優等生…
「ナイトフォール・下」(20/122) そして、911へ。。。 ここに至るデミルの思いを、噛みしめて読了。 たまたま飛行機内で読み終わった、というシチュエーションもあって、 かなり感慨深い読書となりました。 正義とは、何? 更に言えば、 正義は、いつも最善…
「ナイトフォール・上」(19/122) 濃密な翻訳もの。 少し前は、年末はクランシー新作だったんだけどなあ。。。で、やっぱ、ネルソン・デミルですよ。 笑っちゃうほど、単純でシニカルな主人公・コーリーが良いんだね。 行間を読む、の真逆。 行間に、敢えて…
「真夜中のマーチ」(18/122) 奥田英朗作品。 この底抜けに明るい3人組のコンゲーム。 スカッと読める軽快でポジティブな作品です。 奥田じゃなきゃ、ここまで軽く書けないでしょ。 中途半端な軽さじゃないのが、 本作品のポイント。 いやーー、軽いのは「…
「嗤う闇」(17/122) 音道貴子。 ますます素敵な女性になっちゃって。 もう、可愛いんだから。 30歳なかばにして最高じゃない! で、刑事もの。 でも、音道刑事の華麗な解決っぷりを楽しむ、訳ではない。 所謂「事件」も、所詮「生活」の一部でしかないわけ…
「シャッター・アイランド」(16/122) ほほう、精神科病院と刑務所と。 殺人と逃亡と疑心と・・・ ネタバレになるので、 あまり書けないのですが、 文章の流れが、読んでいて、ググっとくる重い感じ。 現実から、突如、夢に変遷し、 また現実に引き戻される…
「翳りゆく夏」(15/122) 素晴らしいミステリーです。 王道。迷い無し。 20年前の事件を、今改めて検証する。 それも誘拐事件。 淡々と進んでいくストーリーに引きずり込まれます。 ホント読んでいて楽しい、小説です。 登場人物の絶妙なキャラ立ちにも感服…
「アキハバラ@DEEP」(14/122) 石田衣良の小説は、 物語的には賛否両論あると思います。 でも、街の描き方は、秀逸だと思います。 このタッチで浮かび上がる街の風景。 登場人物以上に鮮烈に感じます。 「4TEEN」の月島界隈、好きです。 特に詳しいエリア…
「レキオス」(13/122) いやあ、大変でした、読むの。 一体全体、何の話なのか? 最初の方、わからないんだもん。。。 が、しかし、いつの間にやら物語が結実していく。 池上永一、どんな思考回路してるんでしょうか? もう、シンジラレナーイ。 もの凄く力…
「真相」(12/122) 横山秀夫という作家は、 非情な文章を書きますね。 でも、それは、優しい視点を持っているからこそ、 書けるに違いない。 人の不安、恐怖心、弱さを知っているから、 書けるに違いない。 短編集です。 犯罪における、被害者、加害者、その…
「被告A」(11/122) 折原一といえば、まあ「叙述トリック」なわけで、 もちろん、読みながら、 今回はどういう「仕掛け」があるのかと、 疑いながら読み進めていくわけで。。。 時間トリック? 同一人物トリック? 場所トリック? 異性トリック? 夢トリック…
「氷の森」(10/122) 1989年のニッポン。 暗闇の中でうごめく人たち。 活き活きとしてるけど、その活力の源にあるのは? 悪?金?権力?愛?本能? システム?社会?運命? 人は不思議な生き物なんですね。 どーして、こんな事しちゃう訳? 何が?why? ま、…
「ロシア紅茶の謎」(9/122) 有栖川有栖の、卒ない短編集。 ナイス。 久しぶりに犯人当てに燃えてしまいました。 うーむ、1勝5敗。 自分は、敢えて犯人当てを避けて、読む習性があるんですが、 本作は、 当てなければならない心境に、さりげなく誘い込む。…
「星々の舟」(8/122) 村山由佳作品、 今更ですが、初めて読みました。 安心して読めますねえ。 うん、僕なんかが言うまでもないのですが、流石なり。 恋愛小説? いや、男女小説では。 恋愛という簡単な言葉では片付けられない、 男という人間と、女という…
「純粋理性批判殺人事件・下」(7/122) いやあ、楽しい。 この殺人の結末も意外でしたが、 何より、タイムスリップできた、このファンタジー! これこそ、読書の楽しみです。 予想外に哀しくも、未来のあるエンディング。 やりますね、匿名作家マイケル・グ…
「純粋理性批判殺人事件・上」(6/122) 時は1800年、ちょっと過ぎた頃。 場所はプロシア、ってドイツか。 光が違、色が違う。 匂いも違うし、音も違うでしょう。 フランス革命終わってナポレオンが攻めてくるかも、、、 なーんて設定、訳わからないでしょう…
「ミッドナイトイーグル」(5/122) 不覚にも、涙。 国内軍事謀略もの。 横田基地。自衛隊。北。ペンタゴン。核。 フォトジャーナリスト、ジャーナリスト、内閣総理大臣。 ステルス。AK。手榴弾。 もう、満載。でも、決して詰め込み過ぎではない。 絶妙なり。…
「繋がれた明日」(4/122) 簡単に内容を説明すれば 人を殺した人間が、刑務所から出て、 どういう人生を送るのか、を叙述してるだけなんです。 が、しかし、真保裕一が作品に仕上げると、さすがです。 リアルを明確に提示しつつ、 読んで感動、感銘できる小…
「光の帝国〜常野物語」(3/122) 優しい物語です。 恩田陸ならではの静かで力強い文字を精一杯楽しみました。 あるいみ超能力者ストーリなんです。 北米ならば「X-MEN」になっちゃうかも。 でも、この東北のX-MENは地味で、控えめで、普通なんです。 人知れ…
「僕たちの戦争」(2/122) 荻原浩のユーモアとリアルが絶妙に融合した佳作でしょ!! 表層的にはタイムスリップものですが、 SF的要素を、ちょっと越えた何かがあります。 ネタバレになるかもしれませんが、 スリップしちゃたお互いの、時代描写が巧みです。…
「天使と罪の街・下」(1/122) いやー、読む順番間違えた。 ザ・ポエット、、、読んでからでしたね。 といって、本作がつまらない訳ではありません! 手に汗握る、素晴らしいサスペンスです。 上巻で繋がった糸は、一気に結末へ。 ボッシュ、レイチェルのコ…
「天使と罪の街・上」(128/108) マイクル・コナリーの、ボッシュシリーズ。 今回もさりげない導入部分から、 暗い過去が、ジワジワとしみ出してきています。 くぁー、恐ろしい。 そんな暗さの中、 ボッシュは相変わらず、苦悩に満ちつつ淡々と、 暗闇の中の…
「マッチメイク」(127/108) 不知火京介の江戸川乱歩賞作品。 プロレスものミステリーです。 珍しいですよね、きっと。 正直、プロレスとか格闘技とか全然詳しくないし、 興味もないのですが、 本作、非常に楽しめました。 主人公の山田君が、大人になってい…
「名もなき毒」(126/108) 宮部みゆき、って。 このギリギリまで抑えた480頁。 普通の作家ならば、もっと盛り上げたり、メリハリつけたりするでしょう。 でも、宮部みゆきは。。。 読者の思惑を大きく越えた所で、自由気ままに、そして巧みに、 並々ならぬ文…
舞台、見てきました。「奇跡の人」。 ヘレン・ケラーとサリヴァン先生の物語。 で、本作品、誤解していました。 目の見えない、耳の聞こえない人の物語ではなく、 言葉の無い人の物語だったんですね。 モノは、言葉が付加されないと、存在しない。 ヒトは、…
「聖戦の獅子・下」(125/108) ほほう。 地味で、したたかなトム・クランシーでした。 物理的でなく、心理的な攻防。 人間の戦い、予想外に堪能。 テクノスリラーというよりは、エスピオナージュですね。 やっぱ、最後は、人と人とのコミュニケーション。 戦…
「聖戦の獅子・上」(124/108) トム・クランシーのオプ・センターシリーズ。 前回の大打撃から、 ググっと立ち上がるのかと思いきや、なかなか繊細なスタートでした。 舞台はアフリカ、ボツナワ。 やはり、トラブルは宗教がらみが発火点なのか? それとも、…
「架空取引」(123/108) 舞台はリース会社。 ノンバンク。 へえー、こういう仕事してるんだ、とプチ発見。 金融業って、面白いんですね。 紙切れだけで、お金が動く。 実際、お金は動いていなんだけど、、、不思議。 でも便利ですね。 こういう仕組みが世の…
「フェイク」(122/108) ダメ男にはダメ男なりの、コンゲーム(詐欺?頭脳ゲーム?)があるんです。 なんて、男は馬鹿んでしょうか? なんて、女はしなやかに強いんでしょうか! 楡周平だから、気合い入れて読み始めたんですが、 気持ちよく、外されました(…