趣味は「読書」ですから

毎日、本が読めて、美味しいお酒が飲めて、走って、そして楽しい仕事が出来る。それが一番。何事もなく、今日も読書が出来ることに、本当に感謝です。

2006-01-01から1年間の記事一覧

POPなフリーマントル、お試しあれ。

「知りすぎた女」(121/108) フリーマントルにしてはポップな作品。マフィア マネーロンダリング 愛人 FBI ニューヨークおなじみの要素ですが、 フリーマントルが料理すると、これが美味しいわけです。 今回は、かなり軽めで食べやすい(読みやすい)んです…

きたきた、ビジネスファンタジー

「神様からひと言」(120/108) 最初の100ページが良いね。 そして、最初の20ページがファンタジー。 久しぶりに読んだビジネスファンタジー小説。 荻原浩のユーモア物と人は呼ぶみたいですが、納得至極。 楽しい読書時間を過ごすことが出来ました。 内容に関…

ハードボルドなピュア恋愛小説

「熱欲」(119/108) 堂場瞬一の「雪虫」、「破弾」、そして本作。 日本の刑事ものとしては、本当に完成度高いですよね。 普通の犯罪刑事小説に、 ここまでしっくりと、そしてさりげなく恋愛模様を入れ込むテクニック。 完敗です。。。 毎回、素敵で癖のある…

ちょっと前に進みたい時に

「鍵」(118/108) 解説の受け入りになりますが、 本作品、とって優しい人間の成長のドラマです。 姉、兄、妹、3人が人生を前に進めていく。 ただ、その中でトリガーとなったのが「通り魔」だったわけです。 もちろんミステリーとしても立派に成立しています…

守ってあげたい

「守護者」(117/108) 骨太のアクション小説。 読み応えあり。 主人公はボディーガード。 守るべきは女性医師。 妊娠中絶と言う社会的問題を横軸に、ボディーガードという仕事を縦軸に。 しっかりとストーリーが進んでいく。 恋愛もあり。 かなりお茶目な登…

秘密結社、なんて馨しい響き

「石の扉」(116/108) 久しぶりに読んだノンフィクション。 フリーメーソン本です。 いわゆる秘密結社ですね。なんか、サークル活動っぽい感じ。 坂本龍馬のくだりは面白かったです。 確かにねえ。 まあ、これを陰謀と呼ぶか、政治呼ぶか。 はたまた経済活動…

やられたっ!!!

「空白の殺意」(115/108) ネタバレにならないように気をつけて書きますね。 高校野球、教師、不倫、地方都市、連続殺人、モーテル、女子高生。 あーあ、2時間ドラマチックな、オーソドックスな作品かなあ。 次々と人も殺されていくし、 事件を追う刑事さん…

東野圭吾、ですね

「殺人の門」(114/108) いやー、また東野圭吾ですよ。 もう完敗です。 読み始めた頃の予想を完全に覆され、そして、このラスト。 そんな、殺人、ありなの。。。。。。。。 最初は、どんどん人を殺してしまう主人公の物語かと思い、 いつ殺人癖が始まるのか…

これは純愛なのか!?破滅系主人公に乾杯

「破弾」(113/108) 刑事・鳴沢了シリーズ第二弾。 前作「雪虫」に増して、さらにさらにストイック。 だからこそ純情、純愛、、、 超トラウマを負って上京してきた鳴沢。 そのダメな感じがハードボイルド。 で、相棒の「美女」刑事もハードボイルド。 その男…

恋愛、且つ幻想小説に嵌まる快感

「ライオンハート」(112/108) 恩田陸の魔の手に嵌まる心地よさ。 うーむ、読書の快感。 読み始めて思ったこと、「なんなんだ!?」 途中で考えたこと、「やるねえー」 読み終わって、「感謝」 時空を越えて、とは良く言ったもので、 時系列はバラバラ、舞台…

ミステリの読み方として

「十角館の殺人」(112/108) やっと読みました。 綾辻行人のデビュー作。 1987年発表作品。 バブル全盛期か。 そんな時代に本格ミステリーが湧き出た時代背景に乾杯。 携帯電話が登場して、 ミステリーはつまらなくなったかも。 それは、 東西ベルリンの壁が…

ココロの表ギトギト、裏ザラザラ。

「照柿・下」(111/108) 嫌な話だ。 嬉しい事がどこにもない。 全てが楽しくない。 仕事も最悪。 家庭も最悪。 恋愛も最低。 ああ、生きている意味なんか、どこにもない。 もう、死んでしまった方がまし。 唯一の光明は合田と義理兄との「大人」の関係かなあ…

清々しい推理小説、満喫。

「46番目の密室」(110/108) 有栖川有栖、「本格」推理小説、あー楽しい。 密室トリック、こう来るか。 直球勝負であり、 ある意味、牽制球的なサプライズでもあり。 でもでも、やっぱ推理小説。 見事な謎解き、王道であり本格的であり。 ネタばれしちゃうか…

あー、ヒリヒリする。

「照柿・上」(109/108) 高村薫の痩せた感覚。 なんで、ここまで。。。 読んでいて、苦しんだけど、 その苦しさが、ヒリヒリする。 この感覚がページを捲らせる。 1994年作品なんですね。 なんか、テレホンカードで電話して度数切れする感じ。 とっても懐か…

でも、テロリズムは許さないんだけど

「ワイルド・ソウル下」(108/108) こう来たのか、、、Good Job! どういうテロ行為で迫ってくるのかと思ったら、 ははーーん。 爽やかな半社会的行為。 ギリギリだね。 上巻の緊張感が、 一気に解放されていく。 このテロならば、許してあげてもいいんじゃな…

責任を取る、という事か。厳しい。

「ワイルド・ソウル上」(107/108) 南米移民。 今まで全く気にした事が無いテーマでした。棄民政策。 なんて惨い、酷すぎる。誰に責任? で、作品的に凄すぎる。 ハイスピードなんだけど、粗くない。 このテンションはどこまで続く? 特に貴子の所はググっと…

なんだ、この心に沁み入る文字の波は!

「重力ピエロ」(106/108) 伊坂幸太郎が書く文字は。 なぜか、 訳が分からないまま、 心に入って来るんです。 これは、読書の快感です。 これこそ、本を読む意味なのかも、です。 今までの作品のキャラが、さりげなく登場する確信犯的内輪受けもあり。 何度…

冷たい笑い、冷たい感動、冷たい優しさ。

「ZOO〈2〉」(105/108) いや、いやいや、 なんて言えば良いのでしょうか、乙一。 ま、とりあえず、読みましょう。 全編に通じる冷たさで、 暑い夏、少しは涼しくなるかと思います。 特に「落ちる飛行機の中で」はクールです。 登場人物が全員、いかしてます…

不可解なり。不愉快なり。でも、読みたい。

「ZOO〈1〉」(104/108) 乙一作品は、不思議です。 短編集です。5編。 全部バラバラ、という言い方も出来ましょう。読んでて、気持ち悪くなってくる作品も、正直、あります。 でも、でも、でも、読みたいんです。 文字から想起される場面が、情景が、 残酷…

証明終了、なのである。

「QED―百人一首の呪」(103/108) おおう。 和歌に秘められた謎? 少し俳句など、やっているだけに、 興味ある題材であります。 で、繋ぐ快感、凄いです。 僕には到底無理な頭脳ゲーム。 やっぱり完全文系な私には・・・厳しい。 でも、和歌って文学でしょ。 …

弄ばれる歴史たち

「タイムスリップ明治維新」(102/108) 鯨統一郎の遊び、 毎回、楽しみですねえ。 歴史を、真剣に、こねくり回して、ゴチャゴチャにして、 メチャクチャにして、 でも最終的には、奇麗にまとめる。 あー、読んでいて気持ちが良い!! で、今回は明治維新です…

戦争は、止めておいた方が良い。

「出口のない海」(101/108) 第二次世界大戦、日本。 無茶。 無謀。 無理。 そんな中の人間魚雷「回天」。 もう、止めようよ。 とりあえず、戦争は。 意味あるように思えるけど、基本的に無駄。 でも、無駄が儲かるシステムの社会だから、残念ながら。 世界…

自分読書史上(?)で最も愛すべき主人公である

「グレイヴディッガー」(100/108) こんなに素敵な主人公に出会えるなんて! ちょっと、感動です。 八神俊彦。 愛すべき「小悪人」なり。 いちいちの行動がおかしいし、 発する言葉も小憎らしい。 逃げる逃げる逃げる。何のために逃げる? 自分のため、そし…

僕が生まれる前の日本

「天使の傷痕」(99/108) 西村京太郎、もしや、はじめて読んだかも。で、本作品、 昭和四十年度の江戸川乱歩賞受賞ってことは、 60年代中盤の日本が舞台。 ミステリーって、凄く時代に敏感に反応するでしょ。 その時々の旬を捉えるどん欲さがミステリーの良…

生きる事に対する虚無観。そして皮肉な現実。

「タイタンの妖女」(98/108) 1959年作品です。 カート・ヴォネガット・ジュニア著。 久しぶりにSF読みました。 で、これですよ。 人間が作り出した、哲学、また宗教を笑い飛ばす。 なんてニヒルでコミカルで、そして絶望的なお話しなんでしょうか!! 爆笑…

クールだぜ。

「無頼の掟」(97/108) 禁酒法時代のアメリカ。 犯罪。 熱い時代だねえ。 ただの犯罪活劇壮快痛快ストーリじゃない。 もう少し、深い。 心の細やかな動きが、嫌みじゃなく織り込まれている。 巧みです。 そして、情景描写が素晴らしい。 1920年代の汚く猥雑…

神様の力は?科学の力は?

「天使と悪魔・下」(96/108) ほほう、そういうオチでしたか。 カトリック教会で設定されている神の力。 ま、正確に言うと、その神を信じる人たちの力。 それに対抗(しちゃうところが、日本人には今一つしっくりこないけど)する科学の力。 そーんな二つの…

ローマに行きたい。ヴァチカンに行きたい。

「天使と悪魔・中」(95/108) 凄い情報量が詰め込まれていると思いますよ。 「ダヴィンチ・コード」より ジャンル、場所、時間が限定されているんで、 本当に凝縮された事柄が、 ギュギュギュと書き込まれている。 そして、中盤、本当の悪は誰なのか? ミス…

ほほう、細かいねえ。そして、速いねえ。

「天使と悪魔・上」(94/108) 謀略ミステリーはこうじゃなくちゃ! やっぱ、最近、80年代、90年代活躍の作家は緩い!! ダン・ブラウン、勢いあります。 間違いない。 本当に間違いない。 結末への流し込みに一抹の不安はあるけど、 この上巻の勢いは素晴ら…

新聞というビジネス。父親という仕事。

「クライマーズ・ハイ」(93/108) 僕は新聞の仕事をしているわけではない。 また、父親という立場に立ったこともない。 でも、横山秀夫という人の文章を読んでいると、ね。 ・・・凄いという言葉も陳腐になる。 もう、圧巻。 何も言うこと無し。 読もう。 絶…