趣味は「読書」ですから

毎日、本が読めて、美味しいお酒が飲めて、走って、そして楽しい仕事が出来る。それが一番。何事もなく、今日も読書が出来ることに、本当に感謝です。

2014-01-01から1年間の記事一覧

板の上にのみ在る物語

「薔薇忌」(128/144) 舞台にまつわる短編集 年間50本近くの舞台を観る僕としては 嬉しい限りです 地べたに座っている小演劇から メガ・ミュージカルまで 何でも見ます 先日はこんな事も体験しました 生の人間がその場で動いている それをたくさんの人間が見…

音色が文字に化ける

「シューマンの指」(127/144) ブログ、ちょっと空いてしまいましたが 読書のペースは維持しているわけで 暑さに文字力が少し減退しただけであって…… ピアニストの物語です 様々な音楽家や楽曲に関する 圧倒的な記述の前に 正直、打ちのめされました どうした…

あまりにも面白すぎて、ひとり部屋で笑ってしまいました

「消失グラデーション」(126/144) まさか ここまで…… あの一行を意味を飲み込むまで ちょっと時間がかかりました あっけにとられて で、把握した瞬間 一人で笑ってしまいました(笑) 今まで見えていた学園の風景が より切なく、美しく、浮き上がってくる あ…

読みたいものが全てあった

「機龍警察 自爆条項 上」(124/144) 「機龍警察 自爆条項 下」(125/144) 自分の読みたい作品の要素が 全てそろった作品です 感動的です スパイ アイルランド 警察内の権力争い 各省庁間のパワーゲーム 暗殺 傭兵 公安 中国共産党 東京 謀略 アクション バト…

文字のパワー

「機龍警察」(123/144) 月村、初読です この人、文字が好きなんだな〜と 惚れ惚れしてしまいました ハードな警察ものです 実に質実剛健とした正統派です しかし そのソリッドな世界に 突如「ロボット」らしきものが乱入します 簡単に言えば三体の秘密兵器ロ…

死は何も解決しないのか

「まだ遠い光」(122/144) 終わりました 作品は でも、この物語を生き抜いた人たちにとっては やっと始まったって……感じでしょうか で、敢えて問いたい 死という選択肢は無しなのか その選択は 中長期的には間違っています でも、短期的には…… 天童は否定する…

こんなに平穏に生きていて、良いのでしょうか、許されるのでしょうか。

「幻世の祈り」(118/144) 「遭難者の夢」(119/144) 「贈られた手」(120/144) 「巡礼者たち」(121/144) ドラマ化を機に 読んでいなかったのに気が付き 今更ながら 読み始めましたが…… 重い とてつもなく、重い 天童なので覚悟はしてはいたが 何事もなく平凡に…

泣いちゃうくらい面白いし

「お文の影」(117/144) 江戸 怪談 宮部 6つの物語、面白すぎ どうしようもないくらいに面白い 6つの「あやし」が登場する 掛け軸の中に 影に紛れて 布団に無数の眼が! わが子が鬼? 魂の再インストール ご存知、化け猫 哀しい、切ない、ちょっと微笑まし…

ドキリ、そしてグサリ

「ラバー・ソウル」(116/144) 最初からネタバレになります ですので、とりあえず一言 切ないよ 読んじゃいなよ 様々な心を動きをもたらす 素晴らしい作品です で、よくあるパターンです 全てが狂言だったというやつ ま、このパターンの最高進化形が「容疑者X…

乃南化!?

「ドルチェ」(115/144) 久しぶりに誉田 一年以上経ってる 最近、正直、多作すぎて 逆になかなか手が出なかった 帯みたり書店の「オシ文句」見たりしながら これならば、久しぶりに…… と思って読んでみた あら、乃南アサっぽい これがリアルな感想 今まで僕が…

……

「春から夏、やがて冬」(114/144) 葉桜を読んでから もう7年も経つのか あの衝撃とは 全く違った 静かで 重い結末に …… この心の揺れこそが読書の醍醐味かと 悪いけど、泣けないよ そんな単純な物語ではないと思うし 以下、ネタばれ その前に、30万PV突破で…

このタイプの作品、もっと出していこうよ

「All You Need Is Kill」(113/144) 当然のことながら トム・クルーズが映画化 というフレーズにつられて読んだわけです で、つられて読んで 良かったと思ったわけです このライトな感じ これを書き込みが薄いと批判する人もいるでしょう でも、このライトな…

難易度の高い読書

「メルカトルかく語りき」(112/144) 個人的には メルカトル、二作品目です まあ、問題作ですよね この「問題」をどう解決?消化?納得していくのかは 読者次第 読者が試される読書 犯人がわからない事件とかあります それ、あり? 普通のミステリだと思って…

ひとめぼれ、してみたい

「まっすぐ進め」(111/144) 石持が描く恋愛ミステリ そう、恋愛、ど真ん中 書店で見かけた女性にひとめぼれ その女性が知り合いの知り合い ちょっと無理矢理感は否めませんが ま、恋愛小説だから、許す!! その女性の「謎」を解いたことから始まるラブストー…

桜庭にハマる

「バラバラ死体の夜」(110/144) 実は社会的なテーマ、貸金法改正が軸にある 総量規制の問題 借金をしている人にとっては 非常にインパクト大だった変革 その変革によって 目覚めた人もいただろう より深みにはまった人もいただろう 僕のように 何も関係ない…

久しぶりの「な、な、なんじゃ、こりゃ」

「盤上の夜」(109/144) 基本的に 作品を読む前には 作品のテーマが何で、どういう内容で、どういうテイストで という情報を極力排除している 解説を前もって読むなんてとんでもない タイトルと作家 そして偶然入ってきた情報 それは知人のススメとか各賞の受…

スポーツの王様は自転車かもしれない

「サヴァイヴ」(108/144) 面白すぎる 自転車レース 本当に面白い このワクワクはフットボールや野球では味わえない その感覚を よくぞ毎回小説化してくれる 本当に感謝します サクリファイス エデン に続くロードレースシリーズ第三弾 短編が6作品 二作品の…

久しぶりに、打撃された、結末に

「名探偵に薔薇を」(107/144) 本当に まだまだ知らない作家さんがたくさんいるのです それって『恐怖』です なぜって 一生、出会いなく過ぎていく作家さんもいるわけで その作家さんが 素晴らしい作品を書いているかもしれなくて それを知る前に 多分、僕は…

音の意味

「うさぎ幻化行」(106/144) 音の遺言 死んだ義兄の残した音のメッセージ それは何か? 音響技師だった男の仕掛けた罠は 人を騙すためのものではなかったのか…… 北森の実質的ラスト作品です ファンタジーのテイストの裏に隠された 誰もが心の奥に隠す鋭い牙 …

希望と絶望

「コブラ・上」(104/144) 「コブラ・下」(105/144) コカイン撲滅 そんな強大なテーマ、いや、人類の課題に 真正面から取り組んだ作品 それを書くのがフォーサイスなんだから 本当の出来事みたいだ なんかCNNを見ている感じ でも、フォーサイスだから 一筋縄…

我慢出来ずに

「ブラッド・スクーパ」(103/144) 続けて読んでしまいました いや、面白い 前作からの旅?、移動?、ま、舞台は変わっていく ゼンが辿りついた村 庄屋の娘との会話 初めて触れるものに対する主人公ゼンの疑問に 的確に応える娘・ハヤ これに似た構図は 森作…

久しぶりに、森を味わう悦び

「ヴォイド・シェイパ」(102/144) 約1年半ぶり この感覚 きた 無駄のない文字 破綻しないロジック まさかの「侍」小説 主人公は侍らしい…… から始まる本作品 主人公自体も自分が何者かを知らないところからスタート なので、読者も同様に どの時代の、どの国…

フレンチ、食べたい(って、そのままだねww)

「タルト・タタンの夢」(101/144) こういうフレンチ・レストラン どこかに、あるのでしょうか 商店街の片隅に 素敵なビストロ…… 一応、ミステリなのですが もう謎解きは置いといて タルト・タタン ロニョン・ド・ヴォー ガレット・デ・ロワ オッソ・イラテイ…

現代日本人のDNA

「天魔ゆく空・上」(99/144) 「天魔ゆく空・下」(100/144) めったに読まない歴史モノですが 真保作品ならば ねえ で 知らない世界が、また一つ、開きました 時は文明四年 わかりやすく言えば1474年からスタート そして永正四年、1507年でひとまず幕を閉じま…

恋は落ちるのではなく、嵌まるもの

「ツ、イ、ラ、ク」(98/144) ああ、嵌まりたい 嵌めたい 嵌められたい 小学低学年から30代に至るまでの ピュアなラヴストーリー この純度が高いピュアさは 脳天を直撃する この前に読んだ姫野作品が「お●んこ」小説だっただけに このギャップはたまらない そ…

「ツ、イ、ラ、ク」(98/144) ああ、嵌まりたい 嵌めたい 嵌められたい 小学低学年から30代に至るまでの ピュアなラヴストーリー この純度が高いピュアさは 脳天を直撃する この前に読んだ姫野作品が「お●んこ」小説だっただけに このギャップはたまらない そ…

カッコ良すぎるぞっ!

「転迷 隠蔽操作4」(97/144) 3.5 3 2 そして始まり 主人公の警察キャリア、竜崎 もうカッコ良すぎ いや、まさかここまでカッコ良くなるなんて 6年前に想像できただろうか!? 懲罰人事から抜け出せず まだ大森署の署長(といっても署長かよ!)に座に在る竜…

忘れてた……が

「弔い花 長い腕Ⅲ」(96/144) あれから4年か…… で、大切なことを忘れていました それは Ⅱを読んでいなかったということです でも 面白かった まちがいなく面白かった ミステリは謎が解けて当たり前 その過程のカタルシスが醍醐味である でも、時にそのルール…

24年の時を超えて

「霧越邸殺人事件・上」(94/144) 「霧越邸殺人事件・下」(95/144) 王道 山奥の邸宅での連続殺人 それを書くのが綾辻 1990年の作品 どこまでが本当に起っている事で どこからが幻想の部分なのか 物語の中で発生する偶然は どれがトリックで、どれが本当の偶然…

大ネタ、きたね〜

「花競べ 向嶋なずな屋繁盛記」(93/144) 江戸モノ 向島の「花師」夫婦の物語 ラストにもの凄い大ネタが待っているのですが それはあくまでもオマケであって 本筋は 実に生き生きとしている王道の時代小説 花師・なずな屋に降りかかる様々な事件 性格の善いお…