趣味は「読書」ですから

毎日、本が読めて、美味しいお酒が飲めて、走って、そして楽しい仕事が出来る。それが一番。何事もなく、今日も読書が出来ることに、本当に感謝です。

道尾クオリティとは?

「片目の猿」(113/122)
 
 
この作品のテーマ、
素晴らしいと思います。
中学校の夏休み読書感想文の課題図書でもいいでしょ!(ま、無理ですが)
人は、何かが欠けている存在であり、
その欠損を認めるか、拒否するか、
その二択でどちらを選ぶかが大事なことなのであり。
完璧な存在なんかないし、
それを求めることは意味がないという事を、
生きていく流れの中のどの段階で知るか、
それが大事。
 
そんな大事なテーマを底流で読者に語り掛けつつ、
しっかり、読者を罠にはめるミステリとしての完成度は絶品。
ネタばらしの時に、
あえて、最初から、秘密を露呈させることにより、
その周辺に存在する、多数の謎を隠蔽してしまうというテクニック。
 
いやはや、
この作家、道尾秀介、どこまで書くんでしょうか。
夏休みの一冊として、
間違いなくオススメですから。
 
 
はてな年間100冊読書クラブ(2007-2008.134/122)(2006-2007.133/122)(2005-2006.128/108)
※「もう一つの趣味は「ランニング」ですから

片眼の猿―One-eyed monkeys (新潮文庫)

片眼の猿―One-eyed monkeys (新潮文庫)