趣味は「読書」ですから

毎日、本が読めて、美味しいお酒が飲めて、走って、そして楽しい仕事が出来る。それが一番。何事もなく、今日も読書が出来ることに、本当に感謝です。

2009-01-01から1年間の記事一覧

なぜ、逝ってしまったのか!教えてくれ!

「遊戯」(94/122) なぜ、藤原伊織の遺作なのでしょうか。 で、 なぜ、遺作なんかになってしまったのでしょうか。 2007年5月17日59才って。 神様は、 大事なところだけ見逃す性格らしいよ。 「遊戯」という短編連作集は未完です。 悲しい大人の男と美しい女…

最後の四文字のエクスタシー

「誇りと復讐・上」(92/122) 「誇りと復讐・下」(93/122) やっぱ、ジェフリー・アーチャーは巧いや! 本当に最後の四文字の、 あの「セリフ」を読んだとき、 久しぶりに、 読書で、 疑いなく、 心から、 圧倒的に、 スカッとしました!! 獄中経験者である…

心を、気持ちを、何が守る

「被匿」(91/122) 刑事・鳴沢了シリーズ第八弾。 これ、 今までの熱く、行き場を失った鳴沢の思いが、一番悲しく叫んでる。 もう、堪らない。 この乾いた涙の意味をどこに求めれば良いのだろうか。 「雪虫」、「破弾」、「熱欲」、「孤狼」、「帰郷」、「讐…

久しぶりに読みたくなって

「時間封鎖・上」(89/122) 「時間封鎖・下」(90/122) 本屋で見つけたのが、これ。 ヒューゴ賞受賞作だし、「SFが読みたい」2008第一位だし。 作者のロバート・チャールズ・ウィルスンは知らなかったけど、 読みはじめました。 で、ハードなSF、堪能。 空か…

トリックを読む快感

「長い家の殺人」(88/122) 歌野晶午のデビュー作か、、、 この純粋なミステリー、 というよりも推理小説って呼んだ方がしっくりするかもしれませんが、 とにかく、 これほど鮮やかなトリックとトリック解明、 久しぶりに読んだ気がします。 1988年作品です…

空は限りなく、人間は切なく

「スカイ・イクリプス」(87/122) 「スカイ・クロラ」シリーズに、 少しばかりのヒントを与えてくれる短編8作品。 森博嗣の遊び心? それとも意地悪な気持ちなのかな? これ読んだら、 また最初から読まなくちゃ、シリーズって気持ちにさせてくれる。 『ナ・…

空=自由、生きる=??

「クレィドゥ・ザ・スカイ」(86/122) スカイクロラシリーズ、 僕の中では最終巻(短編除くで)。 でも、物語の時系列的には違うんですよね。 『ナ・バ・テア』 『ダウン・ツ・ヘヴン』 『フラッタ・リンツ・ライフ』 『クレィドゥ・ザ・スカイ』 『スカイ・…

温暖化よりも怖いことin1962

「沈黙の春」(85/122) 人間は愚かだ。 なぜ気がつかない。 衣服をまとった時点で、 農業を始めた時点で、 料理を始めた時点で、 とにかく、 もしかしたら、存在が始まった時点で、 地球破壊を始めていたという事実、否、真実に。 1962年に書かれた作品です…

ニューヨーク、アトランタ、フロリダ

「血烙 刑事・鳴沢了」(84/122) 鳴沢のサプライズ(って単語、嫌いですが、、、)は、 ニューヨーク市警への研修ですか。 この展開にはマヂで驚きました。 シリーズ7作目にして、 この「とんでもない」舞台を惜しげもなく繰り出す堂場瞬一の、 破壊力満載の…

ネタバレは回避してます

「ジウ(2)」(83/122) ネタバレしないで、 何にも書けなくなるほど、 スリリングな展開、ありえない軌道修正が、 この「ジウ」三部作の真ん中に詰み込まれてます。 一作目では、 過激でクールなクライムノベルって認識だったのが、 本作で、あれ、、、って…

選ばれた人たちがする事

「ベルリン飛行指令」(82/122) それは 空を 飛ぶこと 1940年、 日本からドイツに飛んでいった男達の物語。 タイプ・ゼロという名の飛行機で、 飛んでいった。 この物語に、理由はないかもしれません。 兎にも角にも、 飛ぶことで、全てが完結する。 主人公…

刑事・鳴沢了という人物

「讐雨」(81/122) 堂場瞬一の、 大河刑事小説、第六弾。 主人公、鳴沢は、実在しているに違いないと、 読者に心地よく錯覚させてくれる域に達してます。 こんな男の存在は奇跡だけど、 読者は、きっと信じてます。 猟奇連続児童殺人と、 無差別爆破テロリズ…

犬と人間の差異って

「犬はどこだ」(80/122) 何なんでしょうか? 人を探すのと、 犬を探すのと、 そこに何の違いがあるのでしょうか。 米澤穂信の 研ぎ澄まされたミステリです。 主役の紺屋&準主役のハンペー。 二人の「私立」探偵が謎を突き詰める。 大した謎ではないかもしれ…

人間の力なんて。

「踊る天使」(79/122) 永瀬隼介って、 ノンフィクション作家スタートなんですね。 本作品、所謂クライム・ノベルなんですが、 派手なんだけど、 どこか冷めてて、正確な切り口がチラ見できるんです。 火事・放火事件と80年代後半のバブルの後始末が、 歌舞…

大きな河

「テンペスト・上」(77/122) 「テンペスト・下」(78/122) 超大作を時間をかけて読むという贅沢。 今回の場合は約一ヶ月間でしょうか。 昼間は今の東京で働き、遊び、生活する。 夜、休日は19世紀の琉球王国を闊歩する。 そして、 主人公・真鶴の怒涛の人生…

考えることは自由であり無限であり

「迷宮百年の睡魔」(76/122) 森博嗣、百年シリーズ第二段。 主人公ミチルは、 取材で伝説の島、イル・サン・ジャックに「相棒」ロイディに赴く。 そこで出くわした首切り殺人事件。 その謎を解くのが本作品の大きなテーマではあるが、 決して主題ではないの…

二人の女性の間で揺れ動く

「ジウ」(75/122) 二人のヒロイン、って立て付けが上手い! 三部作の導入作品。 二人の行動様式を巧みプレゼンしてます。 読者は、 果たして、美咲と基子、どちらの味方につくべきか? という楽しみを、 誘拐、そして現場突入事件という緊迫した状況が、 と…

いつの世から、物事の是非が結果で判断されるようになったんだね?

「冬そして夜」(74/122) タイトルの一文、心にしみるでしょ。 文中に出てくる古いバーのマスターの言葉なんですが、 しびれます。 そうだよ、ショーティー、そうなんだよ。 今年の「このミス」7位だし MWA最優秀長編賞受賞ってことで とりあえず読んでみた…

警察に就職したい、でも

「制服捜査」(73/122) 駐在所という職場。 それも北海道の人口6,000人のコミュニティ。 多分、そこは、 想像を絶する壮絶な環境に違いない。 常識とか、法律とか、道徳とか、 今、自分が「正しい」と「信じ」ているものが、 いとも簡単に覆される。 そんな…

斬れてる

「異邦の騎士」(72/122) これが島田荘司のデビュー作なのか! 記憶喪失という「禁じ手」を使っているにもかかわらず、 全く油断させない物語は、 さすがです。 これぞミステリー。 突如現れた、記憶喪失の、ど〜も冴えない男。 そこに「可愛い」女の子が。…

戦争とは、何と戦う事なのでしょうか

打海文三「愚者と愚者・下」(71/122) 椿子は戦う。 とにかく戦う。 生きるため? 尊厳を保つため? 楽しいから? ラストの池袋での戦闘は、 あまりにも鮮烈で。 だから、 愚かな人間は、戦争を止められないのかと。 椿子の疾走する様が、 脳裏に焼きつく。 …

戦争は、人を殺さないといけないんですよ。

「愚者と愚者・上」(70/122) きた、ヘビー級。 そう、「裸者と裸者」に続く第二弾。 海人は20歳。 司令官として戦争をする。 このサイバーな世界観に、過剰なまでの戦闘描写。 青梅街道を挟んで、 戦争する様は刺激的であり、退廃的でもある。 そして、その…

キスは、怖い

「秋期限定栗きんとん事件・上」(68/122) 「秋期限定栗きんとん事件・下」(69/122) 春が過ぎ、 夏が来て、 そして長い長い秋を迎えることになりました。 米澤穂信のキレは、 とどまることを知りません。 最後の一行。 もの凄い衝撃ですよ。 小市民シリーズ…

13世紀に在る愉しさ

「黒のトイフェル・上」(66/122) 「黒のトイフェル・下」(67/122) それもケルンです。 ケルンをこんなに近くに感じるなんて、 この作品を読まなくっちゃ、有り得ないでしょ。 大聖堂、超行きたい。 あ〜、行きたい。 13世紀から21世紀に飛躍したい。 昨年…

唸らざるを得ない。。。

「向日葵の咲かない夏」(65/122) 初・道尾秀介でした。 で、 見事に引きずり込まれました。 最初から最後まで、 何を信じればよいのか、 何がこの作品の中における真実なのか? 不安にさせつつ、 所謂「名探偵」小学生が活躍する、 非常に緻密なミステリで…

先ほど、向こう側から戻ってまいりました

「ネクロポリス・上」(63/122) 「ネクロポリス・下」(64/122) 恩田陸が ゼロから作り上げた向こう側の世界で た〜っぷり楽しませていただきました。 今回の舞台は、 ハッキリいって、訳わかんな〜い。 意味不明。 マヂ、雰囲気オシって感じかも。 日本とイ…

40歳、ということ

「フォーティ 翼ふたたび」(62/122) 石田衣良の 14歳の小説を読んだ時 14歳でこの作品を読みたかったな〜と思った。 そして 石田衣良の 40歳の小説を読んだ時 40歳でこの作品を読んでしまっっった、、、と感じた。 40歳の主人公が 大企業から脱出し 素の自…

音道ちゃん、素敵すぎる

「風の墓碑銘・上」(60/122) 「風の墓碑銘・下」(61/122) 乃南アサが作り出した、 音道貴子という、類まれに見る、素敵なキャラ。 その彼女が、 あの「凍える牙」でのナイス(!)相棒、滝沢さんと組むんだから、 面白くないわけがない。 で、この作品の何…

理想の生き方とは

「町長選挙」(59/122) きっと伊良部先生のような生き方なんです。 渡邉恒雄さんよりも。 堀江貴文さんよりも。 黒木瞳さんよりも。 伊良部先生なんです。 「イン・ザ・プール」「空中ブランコ」と続くスーパードクターシリーズです。 今回は、 著名な歴史上…

愛情表現という目的に、ホラーという手段

「20世紀の幽霊たち」(58/122) 短篇、中篇集です。 超ホラーからファンタジックホラーまで。 読む人の心によって、 様々な解釈が出来る18のホラー作品たち。 それぞれが、 異彩を猛烈に解き放っています。 でも、どれにも愛を感じます。 表題作「20世紀の幽…