刑事・鳴沢了という人物
「讐雨」(81/122)
堂場瞬一の、
大河刑事小説、第六弾。
主人公、鳴沢は、実在しているに違いないと、
読者に心地よく錯覚させてくれる域に達してます。
こんな男の存在は奇跡だけど、
読者は、きっと信じてます。
猟奇連続児童殺人と、
無差別爆破テロリズムが交差する大胆なスキーム。
そこには、法治国家の限界が描かれているのかもしれません。
が、しかし、それを裏返した、
無法冶状態の恐怖を考える必要もあります。
ネタバレになるので、
あまり書けないんですけど、
復讐の是非って、誰が判断すればよいのでしょうか?
目には目を、という思想は正しいのか、間違っているのか?
死刑、という制度は妥当なのか、有り得ないのか?
読みながら、そんな事を考えていました。
そんな深読みをしつつも、
目まぐるしく展開する警察と犯人との駆け引きは、
文句なく、読者を惹きつける超エンタテインメント。
驚愕の、大どんでん返しの結末が待っています。
流石、堂場、間違いなし。
出来れば、鳴沢シリーズは、
順番に、
雪虫→破弾→熱欲→孤狼→帰郷→と読んでもらって、
この作品にたどり着いたら、
→血烙→被匿→偽装→久遠と思う存分楽しめますから。
それにしても、
人の気持ちって、難しいです。
※はてな年間100冊読書クラブ(2007-2008.134/122)(2006-2007.133/122)(2005-2006.128/108)
※「もう一つの趣味は「ランニング」ですから」
- 作者: 堂場瞬一
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