心を、気持ちを、何が守る
「被匿」(91/122)
刑事・鳴沢了シリーズ第八弾。
これ、
今までの熱く、行き場を失った鳴沢の思いが、一番悲しく叫んでる。
もう、堪らない。
この乾いた涙の意味をどこに求めれば良いのだろうか。
「雪虫」、「破弾」、「熱欲」、「孤狼」、「帰郷」、「讐雨」、
そしてアメリカ合衆国を舞台に暴れ回った「血烙」。
そして本作品で、鳴沢は西八王子に舞い戻る。
そこで起こった、代議士の「事故」。
鳴沢以外の記事には「事故」。
が、しかし、
鳴沢には「事件」なんだ。そう、刑事にとっての事件。
この疑義が鳴沢を走らせる。
どんな悲しく無残な結末だろうが、走る。
その気持ちが、
読者を熱くさせる。
更に切なくさせる。
それが、作者・堂場瞬一を筆力ですから。
私にとって、
本作品の最後一行は、
このシリーズの最高のエクスタシーであり、
寂しさであります。
いや、マヂで、鳴沢、頑張れ。
※はてな年間100冊読書クラブ(2007-2008.134/122)(2006-2007.133/122)(2005-2006.128/108)
※「もう一つの趣味は「ランニング」ですから」
- 作者: 堂場瞬一
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2007/06
- メディア: 文庫
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