ホントのような嘘
「フィッシュストーリー」(32/122)
この空気感を書けるのは、
伊坂しかいないのだろうか?
短編4つ。
それぞれに本当にささやかな感情を呼び起こされる。
「動物のエンジン」→ささやかな共感
「サクリファイス」→ささやかな同情
「フィッシュストーリー」→ささやかな信頼
「ポテチ」→ささやかな悲哀
その小さな感動をギュっと捕まえる感覚で読み進める伊坂ワールドは、
最高に最強である。
何がそうさせるのか。
登場人物のインチキさの「加減」なのかもしれない。
こんな奴、居るわけないじゃん。
でも、ちょっと居てほしいかも。
というか、居たら、一緒に仕事したくないけど、
確実に飲み友達としてキープしたいな。
でも、待てよ。
こんな奴、居るわけないし。
でも、全部じゃないけど、ちょっとだけ真似した生き方、したいよね。
そんな良い「加減」のいい加減さが、
物語に軽やかだけど真摯な命を吹き込んでいるのではないだろうか。
それにしても、
伊坂、
凄いぜ。
※「もう一つの趣味は「ランニング」ですから」
- 作者: 伊坂幸太郎
- 出版社/メーカー: 新潮社
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