趣味は「読書」ですから

毎日、本が読めて、美味しいお酒が飲めて、走って、そして楽しい仕事が出来る。それが一番。何事もなく、今日も読書が出来ることに、本当に感謝です。

2007-01-01から1年間の記事一覧

悲劇を読む。

「オセロー」(129/122) 実は、知人が舞台「オセロー」に出てまして。 http://www.saf.or.jp/p_calendar/geijyutu/2007/p1004.html 次の月曜日に見に行くわけで、 予習の意味もこめて、今、シェイクスピアです。 四大悲劇。「ハムレット」「オセロー」「リ…

泣いてしまう

「終着駅」(128/122) 蕎麦屋で涙。 中央線で涙。 喫茶店で涙。 久しぶりに、本読んで、泣きました。 「おじさん」には堪らない一冊。 「おじさん」は読んだ方が良い。 うん、生きてるうちに、読んだ方が良い。 ※はてな年間100冊読書クラブ(2005-2006.128/…

死への怖れ。死ねない畏れ。

「ダウン・ツ・ヘヴン」(127/122) 空から「地上」に落ちれば、「死」。 空から「天上」に落ちれば、「生」? スカイ・クロラ、ナ・バ・テア、本作。 いやあ、森博嗣、凄い。 人の命題ともいえる、こんなに大きなテーマを… こんなにクールに… 読むべき。 以…

いつのまにか、闇の底へ…

「闇の底」(126/122) 空から一転。 闇の底… 大ドンデン返し、って感じじゃない。 この物語。 根を同じくする二つの犯罪。 幼女殺人事件。 幼女殺人者殺人事件。 その事件、共に巻き込まれていく、事件被害者親族である警察官。 どこに、この作品の軸がある…

ページの白い部分が、語りかける

「ナ・バ・テア」(125/122) 地球では、飛んだら、落ちる。 そんな当たり前の事を忘れてしまっているのでは? そう、飛び続けることは不可能です。 だからこそ、 飛んでる素晴らしさがあるわけで。 飛ぶという美しい行為が理解されるわけで。 「スカイ・ク…

愛しさと切なさと心の弱さと

「無間人形 新宿鮫4」(124/122) 歌舞伎町 若者 ゲームセンター 走る、逃げる、刺す、倒される 覚せい剤、トルエン、マリファナ、ハルシオン。 本作品の鮫島は薬物、しゃぶを追い詰める。 その先には、必ず、可哀そうな奴らが、座っている。 心の弱さを、自…

強=美

「屍蘭 新宿鮫3」(123/122) 今回は歌舞伎町はあまり出てきません。 そして、 あの鮫島さんも、 少し、弱気になったりして。 その代わりといってはなんですが、 今回は強い女性がたくさん出てきます。 負のオーラ満載の女性。 絶対に負けられない女性。 折…

危険だからこそ、惹きつけられる

「毒猿 新宿鮫2」(122/122) ああ、なんて人間は矛盾した存在なんだろうか。 何故に自ら危険地帯に足を踏み入れてしまうのか? 大沢在昌のマスターピース、新宿鮫第二段。 1991年作品。 だけど、古くない。 逆にあの時代のスピード感は、今を越えてるから、…

何度でも言おう、ブクロ、最高ぅっ!

「反自殺クラブ 池袋ウエストゲートパーク5 」(121/122) マコトが生きている、 文庫本の中に。 バッグから本を取り出し、 ページを開いた瞬間、 そこはブクロ、西口、公園。 登場人物の言葉が聞こえてくる。 文字が音声に自動切り替え。 この作品、決して…

人間は自ら堕ちることが出来る生物なんだな

「果てしなき渇き」(120/122) いやー、 久しぶりです、この読後感のザラザラした感じ。 ま、読んでるときも、なんか腎臓あたりがムズムズした感じ。 読み始めた瞬間から、 きっと最悪な結末が待っている事が分かっちゃって、 その結末に至るまでの過程も最…

芸術という芸、生きるという術

「禁じられた楽園」(119/122) 恩田陸の ファンタジックなホラーストーリー。 舞台はいつの間にか熊野に。 聖域で繰り広げられる、 夢と現実の間に翻弄される登場人物のドラマにシンクロして、 読者も不思議な感覚に いつのまにか入り込めます。 天才芸術が…

警察官も、給料を貰って生きてるわけで

「笑う警官」(118/122) 北海道警を舞台にした、 非常にタイトでスリリングな展開の、 クライムノベルです。 根にあるのは、組織の不正、汚職、スキャンダル。 殺人事件が、 狭い世界の中で、 無理やり収束させられていく様は、 非常に理不尽であるが、 小…

紙一重の緊張感

「死亡推定時刻」(117/122) 冤罪事件を ここまで克明にリアルに 緻密に描かれた作品は 知らなかった… この手法の小説は 一歩間違えば、事実(事件)の羅列に陥り 冗長な作品になりがち。 だけど本作品は リアルな小説になっている。 本当の事を書いてある…

久々の非読書ねた・・・見ちゃった

「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」 初日、ですから。 やっぱり、 エヴァ、好きですから。 一番大きなスクリーンで見るべきだと思いました。 新宿ミラノに行きました。 気がついたら映画の日なので1,000円でした。 久しぶりに映画で並びました。 前方右斜め前…

最初の30ページの厚み

「グラスホッパー」(116/122) 本当に伊坂幸太郎は面白い。 面白すぎる。 つい、面白すぎて、ガンガン読んでしまうんだけど、 もったいない。 たまに「読み止って」、ちょっと味わう。 その位が丁度よい感じ。 今回は珍しく東京が舞台です。 鈴木・鯨・蝉の…

空を飛べる。きっと飛べる。

「スカイ・クロラ」(115/122) 読んでいると、空を飛ぶ気持ちが、心に忍び込んでくる。 そして、目を閉じるまでもなく、 活字が青く高い空の中に溶けていく。 飛行機の挙動が左脳から右脳に駆け抜ける。 そして右手をギュっと握り締める。 気がつくと、そこ…

命の意味・・・か。

「命の遺伝子」(114/122) 不死の遺伝子? そんなの嘘に決まってんじゃーん。 と言い切れないかも… それは怖いことですか? それは夢のある話なの? 命の価値は、一人一回、誰でも平等であるからこそ。 それが、崩れる時。 何が起きるのだろうか? ドイツ、…

弱い自分

「リオ 警視庁強行犯係・樋口顕」(113/122) なんて素敵な主人公でしょうか。 樋口。 いやー、久しぶりに出会えたって感じ。 人の目を気にする。 周りの雰囲気を読む、というか深読みしすぎる。 家族を大切にする。 相手に対して(必要以上に)気を使う。 ま…

こ〜んな綾辻、楽しもう

「最後の記憶」(112/122) 時間と記憶は一心同体。記憶していない物事に時間は張り付かない。 本当の時間の順序よりも、 記憶している時間の記憶で世の中は動いている。 そう、覚えていないことは、存在しないこと。 忘れられないことは、きっと、大切なこと…

この小説の中に、僕は居る

「太陽の塔」(112/122) なんというドライブ感!!! 駆け抜ける。 あの頃の自分が。 若かりし頃の自分が。 頁から飛び出して、目の前で踊り狂う。 この疾走感。 大学生、という時代に起こった事件は、 実は小学生の時に起こった事件より、 より空想的で、よ…

真っ直ぐ。そう、真っ直ぐ。

「新宿鮫」(111/122) 文庫の帯に書いてある一文、「心に響くロングセラー」。 はい、その通り。 1990年に産まれた作品だけど、そんなの関係ねえ。 ロングセラーは時を越える。 本作品を駆け巡る様々な登場人物は、 今も、新宿を歩いている。 絶対に歩いてい…

笑えない?否!笑い飛ばしてしまいたい現実

「図書館員・下」(110/122) いやー、ブラックコメディ。 ま、コメディってことにしときましょ。 所詮、大統領(というかブッシュ)なんて、こんなもんさ。 こんな世の中、どうしましょ。 もう、面白おかしく生きてくしかないよね。 さ、今夜も酔っ払ってい…

皮肉いっぱい、夢いっぱい

「図書館員・上」(109/122) アメリカ大統領選挙ものです。 王道。 やっぱり、北米のサスペンス系・謀略系小説は、 大統領が絡まなくちゃね。 大統領という記号でアメリカは辛うじて一本の筋で繋がってるって感じ? 非常に脆弱な社会だからこそ、 圧倒的な記…

賢い人たちが活躍すると、こうなる。

「交渉人」(108/122) スピーディな展開なんだけど 実は、大した事が起こっていない。 ずっと同じ場所で物語が進む。これは新感覚。 よくもまあ、こんな地味な設定の中で、 これだけの仕掛けを用意してくれました。 感嘆。 リアルを越えたリアルか!? タイ…

力を抜くというのは、こういう事なんだ。

「チルドレン」(107/122) 伊坂幸太郎にはかなわないや… 面白い。ああ、絶望的に面白い。 短編5作が一長編として徐々に輪郭を現してくる。 本当に旨いね。 主要登場人物の設定。 さりげなく盲目の青年を入れ込むところなんて。 マジで旨いね。 家裁調停官な…

憂う。何を?

「グリズリー」(106/122) 「憂う」 1・よくないことになるのではないかと心配する。心を痛める。また、嘆き悲しむ。「日本の将来を―」 2・心の苦しみを人に訴える。自分の嘆きを人に告げる。 笹本稜平の冒険小説。 日本、そして北米に対して独りで「蜂起…

この人殺し、美しすぎる

「水の迷宮」(105/122) 全てが美しすぎる殺人事件小説です。 現実世界で繰り広げられる、 劇的にファンタジーな事件。 解説で辻真先さんが書いているとおりだと思います。 結末が「甘く」て何が悪い。 これ、石持浅海だから持ちこたえられている、ギリギリ…

人生とは、そんなもの

「トリプル・クロス(下)」(104/122) まあ、最後は悪は負けるわけですが、 その負けるきっかけが、 ここにあるとは… ネタバレになるので書きませんが、 人生なんて、予測出来ないんですよね。 本作品の巨悪、ロシアの大マフィアのボスも、 ことごとく邪魔…

権力のゲーム

「トリプル・クロス(上)」(103/122) 毎回、毎回、フリーマントルの作品は、 社会でサバイバルしていく上で、 とても役に立ちます。 今回は軸が二つあります。まずは悪の戦争。 ロシアのマフィアvsイタリアのマフィアvs北米のマフィア。もうひとつは、もっ…

一億三千万のジレンマ

「天空の蜂」(102/122) 東野圭吾としては珍しい国家テロもの。 物凄いエンタテインメント小説。 高速多重展開ストーリーは、 一歩間違えば、ただの急展開物語になってしまうけど、 彼は違う。力がある。質が違う。 濃密な時の経過、10時間を一気読みで堪能…