趣味は「読書」ですから

毎日、本が読めて、美味しいお酒が飲めて、走って、そして楽しい仕事が出来る。それが一番。何事もなく、今日も読書が出来ることに、本当に感謝です。

2007-01-01から1年間の記事一覧

この気配、空気薄い感じ。

「みんな元気。」(101/122) みんな元気? 私は… 舞城王太郎という人は、 本当に作家さんらしい作家です。 この世界観を作り出していくパワー! 読んでいて、こんなにプレッシャーを感じること、 そうそうないと思うんです。 それも、あまり体験したことの無…

静かなる道のりを

「ハンニバル・ライジング」(下)(100/122) 人が狂気を帯びて行く過程は、 当人にとっては、 別にドラマチックでも、サディスティックでもなく、 ごく当たり前の成長でしかないのかもしれません。 ハンニバル少年は、青年に成長して行くなかで、 知識や教…

あらら、予想外(昔は想定外)

「ハンニバル・ライジング」(上)(99/122) これ、面白い。 もっと早く読んでおけばよかったかも。 言わずと知れた、レクター4部作。 時系列的には ハンニバル・ライジング→レッド・ドラゴン→羊たちの沈黙→ハンニバル 当然ながら、3作品、読んでいますが、 …

もう、無理

「ハルビン・カフェ」(98/122) いやぁー。 久しぶりに読むのに時間かかりました。 だって、厚くて、深くて、重くて… 打海文三って、何を考え、思って、目指しているんでしょうか。 凄すぎて、理解、不可能。 ただただ、彼の綴る文字の流れに乗っているだけ…

その町は、濡れている

「風の盆恋歌」(97/122) 友達と本屋に行って、 お互いのオススメ本を買って、あげました。 それで僕が貰ったのが、本作品。 八尾の「風の盆」はテレビで見た事があったのですが、 より鮮やかで優しい、その景色が、その音が、その風が、ここにはあります。 …

非読書ネタで・・・夏風邪で・・・夜読書が出来なくて・・・

「Wicked」(ウィキッド) http://www.shiki.gr.jp/applause/wicked/index.html 見てきましたよ、ウィキッド。 いやあ、強い楽曲が、 これでもか!これでもかっ!!これでもかぁ!!! 沼尾グリンダと濱田エルファバ、素晴らしい。 特に、一幕ラストのエルフ…

信じる、何を?

「神々のプロムナード」(96/122) あなたは「何」を信じますか? 「何」=神? 「何」=運命? 「何」=自分? 「何」=無・・・? 鈴木光司作品。 彼の作風&タイトルからして、 かなりオカルト風かと思って読み始めたら、 これが非常に現実的で、日常にあ…

「あくむ」(95/122) ホラーストーリー、短編5連作。 読み終わった直後は怖くない。 少し時間が経過して、ふと思い出すと、これが怖い。 盗聴=ホワイトノイズ 失明=ブラックライト 妄想=ブルーブラッド 圧迫=ゴールデンゲージ 悪夢=インビジブルドリー…

重いことを軽くすること

「幽霊人命救助隊」(94/122) 自殺という重いテーマを、 良くぞ、ここまでライトに書き上げてくれました。 高野和明という人の人柄なんでしょうか。 天晴。 あ、ライトといっても軽薄とかいうネガティブな意味ではありません。 非常に真剣に、自殺とか鬱病と…

剛腕作家。

「応酬」(93/122) FBI落ちこぼれ軍団セクション。 率いる顔に傷のある男ヴァンコー。 突如編入してきた訳ありのシーラ。 ミスをなんとしてでも探そうとする嫌味な監査官ランシング。 マフィア、ギャラントファミリーの支部。 率いる首領の縁戚マイク・パシ…

気持ちよく、美しく、潔く、推理する

「アイルランドの薔薇」(92/122) 本格推理小説。 その言葉がピッタリです。 まじ、一気読み。あっという間に一気読み。 石持浅海に完敗、そして乾杯。 解説で西澤保彦さんが、 〜斬新なクローズド・サークルを考案する新鋭〜 と石持さんの事を評しています…

市井のスパイ

「6ステイン」(91/122) 静かなる職業軍人達の人生。 福井晴敏の熱き思いが、 豪速球ではなく、背後から迫り来る。 6つの短編。 市ヶ谷の精鋭たちが、国を守る。 否、心を守る。 ヒーロー、ヒロインもいないし、派手な工作もない。 地味に、確実に、誠実に…

名作、二つ。深く、重く、秀逸。

「行きずりの街」(90/122) 「レ・ミゼラブル」 今日は、深く、楽しい一日でした。 エンタテインメント、満喫。 まずは小説。 1991年このミス1位。 すごく、オーソドックスな展開なのに、 なぜか、読みながら、心、揺れてしまう。 主人公の動き、発言、思考…

不安になる。不安である。

「Q&A」(89/122) 恩田陸からの質問? それとも答えなのか? ミステリアスな作品です。 文章全てが質問と答え。 で、答えのみが「」付き。質問は地の文章。ここが怖い。 質問者は誰?読者は質問者に感情移入しちゃって良いの? それとも、あくまでもQ&Aを俯…

思い込み=生きる意味

「リドル・ロマンス」(88/122) 不思議なミステリー。 ま、ミステリーって不可解って解釈できるから、当然といえば当然か。 久しぶりに読んだ西澤保彦は、 やっぱり、読者を迷宮に誘ってくれるわけで。 それも毎回、違った手法で。 うーむ、筆の力、卓越。 …

久々の非読書ネタ。それも舞台で笑いすぎ。

舞台「へっぴり腰で行こう!」 http://www.bring-up.co.jp/produce-gotsugo.htm いやあ、かなり笑わせて頂きました。 お馬鹿コメディミュージカルです。 博品館ならではのコンパクトな造りが素敵! 古いお付き合い(?)の吉田仁美嬢が御出演。 前回「ご都合…

人生はニガい

「深追い」(87/122) 一つの警察署に勤務する、 七人の男たちの人生は、それぞれである。 警察という「会社」の中で繰り広げられるドラマは、 普通の会社のそれと、本質は変わりないだろう。 そう、変わらないはず。 横山秀夫の抑えた筆が、その一般社会との…

小説な、小説!

「劫火4 激突」(86/122) いやー、面白かった! 都庁、最高。倒壊。 海ほたる、最高。崩壊。 超冒険小説「劫火」という長編を4冊に分けた第四弾。 ついにラストを迎えました。 いやー、新宿、炸裂。戦場。 実に、東京湾、爆発。戦場。 本当に、めくるめく冒…

輩の小説 

「劫火3 突破再び」(85/122) 最終章の手前で、 グッと力を抜きさる、この巧みな筆技! 西村健、恐るべし。。。 スーパー冒険小説「劫火」という長編を4冊に分けた第三弾。 大活劇を彩る輩、オールスター、遂に勢揃い。 善チームも、悪チームも、中立チーム…

狂気を哀しいと言ってしまって、良いのか?

「グロテスク・下」(84/122) 上巻の悪意が更に加速する下巻。 主人公「わたし」含め、4人の女性の狂気が昇華していきます。 もう異常で、醜く、苦しい世界。 でもでも、読後感が、思ったより悪くない。 確かに屈折した酷い彼女達の生き様だけど、 それを哀…

彼女の狂気は、この世の正気

「グロテスク・上」(83/122) なんてソリッドな。 なんて無駄のない。 なんて明快で厚い文章なんでしょうか。 もう、文字を追うだけで、嬉しくて、楽しくて。 桐野夏生の仕事、本当に素敵です。 主人公の狂気。 自分とは違うサイドに位置する彼女は狂気を孕…

闘う小説

「劫火2 大脱出」(82/122) 最近、早朝(ん、未明?)の読書にはまってます。 4時位、なぜか目覚めてしまった時、ふと読み始める。 これって贅沢な時間の使い方、でしょでしょ。 さて、今朝は「劫火」という長編を4冊に分けた第二弾。 西村健の繰り出す大活…

紅子、やっぱり、苦手です。

「赤緑黒白」(81/122) Vシリーズ10作目にして完結。 森博嗣の宇宙が見える感じ。 敢えて言いましょう。 ミステリーでは無いと思います。 では何か。 普通の小説です。 紅子を中心とした(と僕は思ってます)人の心の機微を、 殺人事件を軸にして描いた作品…

葉桜の季節に君を想うということ

「葉桜の季節に君を想うということ」(80/122) 文庫の帯にも書いてありました。 これが現代ミステリーのベスト1です。 だから、読みましょう。 ※はてな年間100冊読書クラブ(2005-2006.128/108) ※妄想キャスティング http://mixi.jp/view_community.pl?id=4…

携帯電話が無い頃の

「私が殺した少女」(79/122) 骨太の推理小説。 事件は誘拐。 主人公は私立探偵。 舞台は80年代後半。 そして、直木賞受賞作。 日本のハードボイルドの王道でしょう。 秀作、間違いなし。 携帯電話が無い時代、 今の若い子は、その時代設定の小説とか読んで…

ザクとは違うけど、踏み台にはしたのは、若さゆえの過ちです

「永遠のガンダム語録」(78/122) 久しぶりの非小説本です。1月に買って、やっと読了です。 機動戦士ガンダム(ファーストガンダム) Zガンダム ガンダムZZ 逆襲のシャア 初期ガンダム4部作の中から名セリフ150をピックアップ。 複数のライターがセリフにつ…

活劇じゃーーん!!最高っす

「劫火1 ビンゴR」(77/122) 西村健、初めてです。 いやあ、凄い、楽しい、面白い。 詳しい、深い、細かい。 そして、最高にふざけてる。秀逸。 「劫火」という長編を4冊に分けた第一弾。物語の導入部分です。 主人公オダケンの「軽い」活躍がスタートしたわ…

意味とは何?偶然とは何?

「奇偶・下」(76/122) 人は、意味が無いと何もしない。 というか出来ない。 生きるために無理やり意味を作っていると言っても過言ではない。 ある出来事に「偶然」という意味をつけることで、 かなり世の中はスムーズに廻るようになる。 偶然だから、許され…

運命。偶然。神。確率。原子。

「奇偶・上」(75/122) なんだ、これは!!!!! 凄いぞ、凄すぎる。 脳ミソが足りない。言葉に理解がついていけない。 あー、取り残される。 山口雅也は、別に走っているわけでない。 ゆっくり歩いているに違いない。 でも、油断してたらキャッチアップで…

本格、という意味を知る

「そして扉が閉ざされた」(74/122) 岡嶋二人の頭脳に完敗、乾杯? この、理解不能をスッキリさせてくれる筆力。 圧倒的です。「本格」です。 文庫の島田荘司の解説を読んでもらうと、 一番よく理解できますね。 密室で繰り広げられる「推理」エンタテインメ…