携帯電話が無い頃の
「私が殺した少女」(79/122)
骨太の推理小説。
事件は誘拐。
主人公は私立探偵。
舞台は80年代後半。
そして、直木賞受賞作。
日本のハードボイルドの王道でしょう。
秀作、間違いなし。
携帯電話が無い時代、
今の若い子は、その時代設定の小説とか読んで、
実感沸くのかなあ。
近くに電話が無い。
もしくは電話を人が使っていて使えない。
その緊張感が生み出す人間模様。
今で言えば、
電池切れ、もしくは電波圏外ということなのでしょうか。
でも、線でつながっている電話のほうが、
一度切れたら、二度と繋がらないかもしれない恐怖を強く感じる。
というか、根本的に、受けるときは、
その電話の前にいなければいけない。
待っている場所、時間、がそこには明確にある。
それを空しいと、無駄と感じるかどうか…
本作品において電話が重要なファクターを占めているわけではありませんが、
なぜか、凄く、心に引っかかります。
※はてな年間100冊読書クラブ(2005-2006.128/108)
※妄想キャスティング
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