趣味は「読書」ですから

毎日、本が読めて、美味しいお酒が飲めて、走って、そして楽しい仕事が出来る。それが一番。何事もなく、今日も読書が出来ることに、本当に感謝です。

いつのまにか、闇の底へ…

「闇の底」(126/122)




空から一転。
闇の底…


大ドンデン返し、って感じじゃない。
この物語。
根を同じくする二つの犯罪。


幼女殺人事件。
幼女殺人者殺人事件。
その事件、共に巻き込まれていく、事件被害者親族である警察官。


どこに、この作品の軸があるのか?
どれがフェイクで、どこが核心なのか?
読み進めていくんだけど、なかなか見えてこない。
そう、さりげない仕掛けが潜んでいる。
巧い。
途中、とてもじれったくなるんだけど、それも作者・薬丸岳の計算。



で、結末は、本当に、タイトル通り、闇の底にありました。
切ないとか、悲しいとか、そういうんじゃなくて、
喜びの影が見えるからこそ、真の闇。
そこに感情は存在しないのかも。


この何とも言えない読後感…
問題作でしょう。
読み応え、かなり、です。





はてな年間100冊読書クラブ(2005-2006.128/108)

闇の底

闇の底