一読で二度。
「凶笑面」(27/122)
友人から薦められて読みました。
ただのミステリーとは、違いました…
知的で攻撃的。
脳味噌がザワザワと騒ぎ出す。
ちょっと興奮、それも新しいタイプの。
民俗学とミステリー(本作では殺人事件)が完全に一体化。
両方の謎を解くことで、物語は終結。
柱となる民俗学の所が初めての衝撃かも。
この日本人(とういうか人間)の本質の謎を解く知的アプローチ。
そこに殺人が絡んでくる。
民俗学って面白いんですね。
仏像、面という物体に込められた民衆の思いとか、
お祭りの意味とか、昔から伝わる行儀の役割とか。
人の営みを心・魂の側面から解きほぐしていく感覚なのでしょうか。
うーーー、頭の回転が、
通常の生活では味わえない方向で!速度で!タイミングで!
下世話な表現をすれば、
NHKスペシャルと土曜ワイド劇場を一緒に楽しんでる感じ。
そんな離れ業を繰り出す北森鴻をはじめて知りました。
今後、彼の作品、ちょっとトレースしてみます。
多分、本年、ラストかな?
また一つ、読書の楽しみが増えてしまいました。
これだから、止められない!
※はてな年間100冊読書クラブ(2006-2007.133/122)(2005-2006.128/108)
- 作者: 北森鴻
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2003/01/29
- メディア: 文庫
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