趣味は「読書」ですから

毎日、本が読めて、美味しいお酒が飲めて、走って、そして楽しい仕事が出来る。それが一番。何事もなく、今日も読書が出来ることに、本当に感謝です。

信じるという才能、勇気、決断。それは力。

「駆けこみ交番」(9/122)




最近、疑惑・裏切系の作品ばかり読んでいたから、
より強く感じたのかもしれません。
人を疑うのは、簡単です。


信じるという行為の「凄さ」を感じました。



乃南アサだからこそ書ける作品でしょう。
ジャンルで言えば、警察小説。
交番に勤務する「おまわりさん」の高木さんが主人公です。
高木さんは、信じることが出来る立派な人です。
一歩間違えば、単なる、お人よしの「お馬鹿」キャラになりかねません。
本当に普通の若者です。
愚かさを持ち合わせた普通の人です。
でも、
既に「音道貴子刑事」を作り上げている乃南は、
確かな筆力で、その普通の社会人たる「おまわりさん」を、
素敵な人間として描きあげています。


信じる。
それは「確信」?「盲信」?「勘違い」?
でも、最後は、信じる人が、良いんです。
勝ち負けではなく、良いんです。




本当に優しい作品でした。






はてな年間100冊読書クラブ(2006-2007.133/122)(2005-2006.128/108)

駆けこみ交番 (新潮文庫)

駆けこみ交番 (新潮文庫)