愛しさと切なさと心の弱さと
「無間人形 新宿鮫4」(124/122)
歌舞伎町
若者
ゲームセンター
走る、逃げる、刺す、倒される
本作品の鮫島は薬物、しゃぶを追い詰める。
その先には、必ず、可哀そうな奴らが、座っている。
心の弱さを、自ら認めれば良いのに、
認めることが出来ない、可哀そうな奴らが、居る。
鮫島の彼女、晶に忍び寄る危機。
でも、心の強い彼は、
自分の弱さをシッカリと認識して、難局をクリアする。
彼女と思っていた女の危機。
心の弱い香川進は、
彼女のせいにして、現実逃避する。そして崩れる。堕ちる。
直木賞受賞の本作品は、
アクションや闇社会の緻密で繊細な描写は勿論のこと。
弱い自分を認めることが出来ない人達を、
老・若、男・女、勝ち組・負け組、都会・田舎、国家・ヤクザ、
立場など関係なく、
どこにでも存在する現実社会のありのままの姿を、
読者の前に、嫌味なく、だが圧倒的に、
突きつけてくる。
その筆力、さすが、大沢在昌。
未読の方は、
是非、一作目から、読んでほしいです。
※はてな年間100冊読書クラブ(2005-2006.128/108)
- 作者: 大沢在昌
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