趣味は「読書」ですから

毎日、本が読めて、美味しいお酒が飲めて、走って、そして楽しい仕事が出来る。それが一番。何事もなく、今日も読書が出来ることに、本当に感謝です。

なぜ、圧倒的な暴力は「美」に昇華するのか?

「笑う山崎」(67/122)



ひどい、ひどすぎる。
この暴力は、今まで読んだ作品の中でも
かなり上位に・・・
花村萬月の力に屈服させられました、完全に。


この山崎という主人公の暴力は、凄い。
でも、美しくもある。
容赦なく。完璧に。隙がない。
どーして、卑劣な暴力が美しく思えるのか。この矛盾。
北野武作品で描かれる暴力が評価されるのと同じか。


人間の心の底には「暴力」が潜んでいる。
それを隠す事が「生きる」事である。
隠せない人たちは、社会が抹殺することによって、社会は守られる。
しかし、暴力によってしか生きのびる事が出来ないこともある。
その最たるものが「戦争」であったりする。
そもそも、生物の食物連鎖だって、究極の暴力の薫りがしなくもない。


暴力と生きる事は密接に繋がっている。
圧倒的な暴力は、圧倒的な「生」にリンクする。
その生き様は漆黒の闇の中で輝く。
もちろん、暴力は肯定できるものではない。
しかし、その暗黒の輝きに吸い寄せられていく。


素晴らしい作品です。
傑作です。間違いない。圧倒的な傑作です。



はてな年間100冊読書クラブ(2005-2006.128/108)
※妄想キャスティング
http://mixi.jp/view_community.pl?id=424676

笑う山崎 (ノン・ポシェット)

笑う山崎 (ノン・ポシェット)