趣味は「読書」ですから

毎日、本が読めて、美味しいお酒が飲めて、走って、そして楽しい仕事が出来る。それが一番。何事もなく、今日も読書が出来ることに、本当に感謝です。

重いことを軽くすること

「幽霊人命救助隊」(94/122)



自殺という重いテーマを、
良くぞ、ここまでライトに書き上げてくれました。
高野和明という人の人柄なんでしょうか。
天晴。



あ、ライトといっても軽薄とかいうネガティブな意味ではありません。
非常に真剣に、自殺とか鬱病とかいう重くて避けたくなるテーマに取り組んでいます。
そのアプローチがライトなんです。
さほど重要でない問題を、
あたかも大事件のように取り上げて、
自分だけ舞い上がって、
周りに迷惑をかける浅はかな人って、いますよね。
その逆です、この話。




命に纏わる重い話を非常に軽いノリで語りかける。
なぜ人は自殺をするのか?
あまり考えたくないテーマを、軽く読者に突きつけてくる。
軽いので、身構えていない分、
思ったより、心の深いところまで、言葉が刺さる。



気軽に読めるからこそ、
この作品の価値が高まる、深まる、重くなる。
周囲に鬱病気味の人がいる場合、
軽い気持ちで本作品を読むことをオススメします。








はてな年間100冊読書クラブ(2005-2006.128/108)
※妄想キャスティング
http://mixi.jp/view_community.pl?id=424676

幽霊人命救助隊 (文春文庫)

幽霊人命救助隊 (文春文庫)