古代文明→怪物→資本主義→人間性
「石の血脈」(17/122)
1971年、半村良作品。
36年前の時代背景で物語は進行する。当然。
だけど、古臭さは皆無。時代を超える力が、そこにあるのでしょう。
急展開の連続。
プロローグの泥棒話から、もう話はどこに行くのか?
頁を捲るたびに、読者は翻弄されっぱなし。
驚きの連続。
歴史の知識が緻密に書かれていると思えば、
サラリーマンの生きる術もあるし、
夜の世界の生き様も描かれる。
秘密結社暗殺団も活躍するし、
建築という行為、表象の意味も教えてくれる。
更には濃密なセックスシーンまで・・・
SFなのか、ラブストーリーなのか、謀略系小説なのか?
もう頭はパニック。
そのパニックが読書の悦びなのは間違いない。
でも、気がつくと、大きな一本の線がある。
人が生きる意味は?
そして、死ぬ意味は?
このテーマに過去も現在も未来も無いはず。
だから、本作品はヴィヴィッドなんでしょう、2007年でも。
大作です。
頭脳に刺激が欲しい人は読むべし!
※はてな年間100冊読書クラブ(2006-2007.133/122)(2005-2006.128/108)
- 作者: 半村良
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2007/05
- メディア: 文庫
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