黒と白、どちらがお好き?
「黒笑小説」(70/122)
人の不幸は蜜の味。
ブラックな笑いは強いです。
東野圭吾の手によるブラック短編集。
前半は、とある作家の悲哀を皮肉たっぷりに描いた、
本格的(?)小説家短編小説が連続して登場。
作家先生と出版社編集者のやりとりをコミカルに描いているのですが、
非常にリアル(に思えてしまう)。
喜びと悲しみの境界線上に、ドラマはあるんですね。
先日、「情熱大陸」桜庭一樹の回で直木賞受賞のシーンが紹介されてましたが、
その舞台裏というか、その場の心の葛藤というか、
ブラックユーモアの中に、シャープに描き出されているところあたり、
さすが、東野。
後半も、人の心の暗部から醸し出される笑いが満載。
妬み、恨み、憎しみ、僻みは、
人を動かすとっても大きなパワーなんですよね。
この暗黒面があるからこそ、生きていけるわけで。
この黒い部分を、自覚して、はじめて、
前向きに、明るく、アクティブに人生を戦っていけるわけで。
ラストの「奇跡の一枚」は秀逸。
ドラマ化、激しく、切望。
※はてな年間100冊読書クラブ(2006-2007.133/122)(2005-2006.128/108)
※「もう一つの趣味は「ランニング」ですから」
http://ameblo.jp/yonyonsan/
- 作者: 東野圭吾
- 出版社/メーカー: 集英社
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