とてつもなく、さりげなく、楽しく、切なく
「最後の願い」(14/122)
光原百合という作家は、
本当にさりげない日常風景を、
どうして、こんなにドラマチックに仕立て上げてしまえるのだろうか。
誰もが毎日通り過ぎている風景の中に潜む「事件」を、
こんなに巧みに切り出せるなんて、、、
感服です。
ストーリーの主軸は、
劇団を立ち上げようとするオトコが、
ミステリーを、軽く、さりげなく、解明していく過程において、
仲間を増やしていくというもの。
そこに登場する、それぞれの人物が、
さりげなく、素敵なんです。
本当に、そこにいそうなキャラクターが素敵です。
7つの短編の連作ミステリーですが、
それぞれに悩みというか、謎をというか、蟠りを抱えた人が登場する。
その人を、さりげなく、明るい方向に導くオトコ二人。
中でも「最後の言葉は・・・」が好きかな。
オトコの永遠のテーマであり夢であることを、
さりげなく、鮮烈に書いてくれています。
演劇に興味があるだけに、
より、興味深く読み事ができまして、
楽しい時間を、この作品と共有することが出来て幸せでした。
あ、演劇に特に興味がなくても、問題なし。
オススメですよ。
※はてな年間100冊読書クラブ(2007-2008.134/122)(2006-2007.133/122)(2005-2006.128/108)
※「もう一つの趣味は「ランニング」ですから」
- 作者: 光原百合
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2007/10/11
- メディア: 文庫
- クリック: 5回
- この商品を含むブログ (19件) を見る