趣味は「読書」ですから

毎日、本が読めて、美味しいお酒が飲めて、走って、そして楽しい仕事が出来る。それが一番。何事もなく、今日も読書が出来ることに、本当に感謝です。

犯罪は、なぜ愉快なのか?

「最高の銀行強盗のための47ヶ条」(42/122)



イカした犯罪青春小説です。
トロイ・クックという作家のデビュー作です。
非常にコミカルです。
思ったより残酷で冷酷な描写もあるんですが、
全編に流れる、乾いたドライブ感で、
気にならないところが秀逸。
翻訳の高澤真弓の「腕」も確かです。
タランティーノの映画みたい。
クールでグロテスクで、熱い感情を止められない登場人物多数。


メインキャラ、銀行強盗親子(父&娘)、当然イカれてる。
善悪のボーダーラインが、通常の人達とは違う登場人物に、
なぜ、惹かれるのか?なぜ、嫌悪しないのか?
人を殺してしまうという行為の解釈が、
一般人(=法を守る人)と著しく異なる登場人物に、
どうして興味をもってしまうのか?
犯罪は、当然、憎むべきものであり、
この世から、根絶してしまいたいものであるが、
なぜ、小説、映画の世界で、
犯罪小説は支持を得るのだろうか???
不思議ですね〜


もしかしたら、
人はいつでも犯罪者になりうるから。
そんな脆弱な生き物だから?


ちなみに、この小説で登場する最高の銀行強盗のための47ヶ条ですが、
別に銀行強盗に限らず、
犯罪と無縁な普通の仕事にも応用可能です。
結局、ワイアットって、
銀行強盗をしなければ&簡単に人を殺さなければ、
非常に真っ当で、賢い小市民なんでしょう(って当たり前か)。






はてな年間100冊読書クラブ(2007-2008.134/122)(2006-2007.133/122)(2005-2006.128/108)
※「もう一つの趣味は「ランニング」ですから

最高の銀行強盗のための47ヶ条 (創元推理文庫)

最高の銀行強盗のための47ヶ条 (創元推理文庫)