13世紀に在る愉しさ
「黒のトイフェル・上」(66/122)
「黒のトイフェル・下」(67/122)
それもケルンです。
ケルンをこんなに近くに感じるなんて、
この作品を読まなくっちゃ、有り得ないでしょ。
大聖堂、超行きたい。
あ〜、行きたい。
13世紀から21世紀に飛躍したい。
昨年の大ヒット「深海のYrr」の著者フランク・シェッツィングが、
中世の都市で繰り広げられる、
事件を、本当に活き活きと描き出す。
この作家、当時のこと、本当に見てたんじゃないの?って思っちゃうくらい、
手に取るように、文字になってる、この快感。
これこそ、
読書の愉しさ!感謝、感激です。
主人公の泥棒ヤコプが素晴らしい。
自分の悲惨な境遇を、
悲しむものも、悲観することはなく、
この5分後、一時間後、明日をどうやって生きていこうか、
前に前に進む姿は、
本当に美しいんです。
そんな彼をサポートする、教会主席司祭ヤスパーも、
俗っぽく、でも気高く素敵。
街を駆け巡るアクション描写も秀逸。
手に汗握るシーンが連発。
政治的な駆け引きにもドキドキ。
歴史的事実にも関心。
総合的に、非常に優れた文学作品です。
翻訳の北川和代にもマキシマムレスペクトで。
※はてな年間100冊読書クラブ(2007-2008.134/122)(2006-2007.133/122)(2005-2006.128/108)
※「もう一つの趣味は「ランニング」ですから」
- 作者: フランクシェッツィング,Frank Schtzing,北川和代
- 出版社/メーカー: 早川書房
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