東野よ、なぜに、こんなに悲しみを書くのだ
「赤い指」(130/122)
家族の崩壊。
こんなに悲しいことはありません。
本作品も、
徹底的に、そして圧倒的に悲しく切ない家族を描き出します。
でも、
その裏側には、
悲しみを乗り越えた家族もいます。
本作品を読みながら、
自分は、
なんて幸せな家族と共に生きてきたのか。
そして、現在進行形で「生きているのか」を実感します。
本当に、感謝です。
我息子の殺人事件を隠蔽しようという父母が主役の物語です。
もちろん、
そんな企みは崩壊します。
その、崩壊のプロセスが途轍もない悲しみなんです。
東野圭吾の残酷な眼差しは、
その先を見つめているのでしょう。
苦しみを経ていない楽しみなんて、所詮「ウソ」なんでしょう。
そんなメッセージを感じます。
東野はこの先、どこに向かうのでしょうか。
本当に楽しみです。
※はてな年間100冊読書クラブ(2007-2008.134/122)(2006-2007.133/122)(2005-2006.128/108)
※「もう一つの趣味は「ランニング」ですから」
- 作者: 東野圭吾
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2009/08/12
- メディア: 文庫
- 購入: 7人 クリック: 88回
- この商品を含むブログ (168件) を見る