趣味は「読書」ですから

毎日、本が読めて、美味しいお酒が飲めて、走って、そして楽しい仕事が出来る。それが一番。何事もなく、今日も読書が出来ることに、本当に感謝です。

歪み、か

「長い腕」(139/122) 
 
 
いきなりゲーム会社の製作現場からはじまって、
ちょっと面食らいました。
セガ、なんですね。
川崎草志。
 
で、で、で、
あっという間に舞台は四国の田舎の古い村へ。
小気味良く進んでいくストーリー。
ネット内のみで展開していく、
友情、愛情、信頼、裏切り、煽動。
その「裏」に実在していく現実世界。
人間はネットの世界では生きていけない。
食べて、
寝て、
トイレにいって、
働いて、
死んでいかなくてはならないんだよね。
  
本作品は、建築家、大工さんが大きな役割を果たします。
そこにある「家」というもの。
理念としての家でもあり、
具体的な建築物としての家でもあり。
その家が歪んだ時に、
悲劇が起こるんですね。
そんな歪んだ現代を、
実にうまくミステリにまとめてくれました。
文庫300頁に。
 
欲を言うならば、これ、500ページくらいでも良いかも。
もっと、もっと、
歪みに潜む闇を淡々と書いてほしかったかな。 
  
  
※「もう一つの趣味は「ランニング」ですから

長い腕 (角川文庫)

長い腕 (角川文庫)

はてな年間100冊読書クラブ
(20081021-20091020.139/122)
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