本格、いいね、新しいね、楽しいね
「パラダイス・クローズド」(89/144)
非常に面白いスタイル。
登場人物が、
登場人物に話しかけているようで、
実は読者にストレートに話しかけている気にさせる部分が、
散在している微妙なバランスの悪さ。
この不安定な揺らぎが「心地よい」のだ。
読者は、
作品の中で登場人物に自分を載せていると思いきや、
ふと、梯子を外される。
いわゆる「本格」もの。
でも、猛烈に「本格」を愛するうえに、全否定もする。
ま、痛快だな。
死をもたらす少年・美樹。
その一卵性双生児の弟・真樹。
っていう設定から「超バカバカ」しいんだけど、
甘く見ちゃいけないよ。
作者・汀こるもの、用意周到、実に巧い。
舞台は「孤島」ってだけで、もう笑える。
そこに推理作家を集めるなんてふざけてる。
そして、当然ながらの「密室」での銃での「他殺」。
もちろん、殺人は連続する。
物語の中心に「水族館」というか「水槽」というか、
海洋生物を中心に描かれる「生と死」「死と生」のテーマが流れてます。
その軸を中心に、
ある時は本格に。ある時は「おふざけ」に。
自由自在にストーリーを操る汀、(僕にとっては)新しい。
※「もう一つの趣味は「ランニング」ですから」
- 作者: 汀こるもの
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2011/02/15
- メディア: 文庫
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