忙しい季節に、、
「幻影の書」(28/144)
ポール・オースター。
全作読んではいませんが
やはり、気になる作家です。
最初、非常に「読みづらい」雰囲気から始まります。
物語の展開も見えてこないし、
主人公も、なんか「めんどうな」奴みたいだし…
飛行機事故で家族を一瞬にして失った男が、
ひょんなキッカケから、
ほぼ無名の無声映画の監督にして俳優、へクター・マンについての本を書き始める。
そして、ある日、そのへクターの「妻」から連絡が…
実に地味で
精神世界に入り込んだ
難しそうな作品かな〜とか思いつつ、ページを進めていると、
あれよあれよというまに、
静かだけど、確かで強い物語に引き込まれていきます。
で、最終的に、へクターに出会うのですが、
そこでのドラマも非常に刺激的。
装いはとっても抑え気味にしつつ、
物語の底流に流れるマグマは強烈。
オトナの小説。
この忙しい年の暮れに読んでよかった一冊です。
ポール・オースター、流石です。
※「もう一つの趣味は「ランニング」ですから」
- 作者: ポールオースター,柴田元幸
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2011/09/28
- メディア: ペーパーバック
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