秘密の部屋、じゃなくて
「狐火の家」(77/144)
あの名作、「硝子のハンマー」の第二弾とは知らずに、
文庫化になったのに読んでませんでした。
あぶないあぶない。
4つの中編。
全て密室。
弁護士・純子と
防犯コンサルタント(兼ドロボウ?)の榎本。
二人の軽妙な掛け合いのもとに、
どれも少しユーモラスな雰囲気があるが、
それが逆に人間の心の闇を明確にしている。
長野県の旧家。
蜘蛛屋敷!(読めばわかります)
棋士。
小劇団。
そんな4つの物語。
で、面白いのは、
密室のトリックは、
なぜ密室にしなければいけないのか?というところ。
そこには人間の深い情があったり、
反対に冷酷さ、残酷さ、醜さが隠れていたりする。
殺したら、逃げればいいじゃん!
証拠なら、隠せばいいんじゃん!
もちろん、本当に発生する殺人事件の大多数は
そんなシンプルな構図でしょう。
でも、
それが作品になっても、ねえ…
トリック的には「黒い牙」は秀逸。
こんなのあり得ないよ〜、のギリギリのライン。
無理じゃない。
そう、やれば可能なんだ、これ。
そこに創作の妙があり。
うまい。
うますぎる。
本シリーズ、引き続き、貴志祐介に、超期待。
※「もう一つの趣味は「ランニング」ですから」
- 作者: 貴志祐介
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