結末って、本当にあるのだろうか?
「追想五断章」(82/144)
大好きな、米澤穂信を読む。
彼の「王道」と思われるスクール・デイズ系からは一線を画す。
そこに青春は無い。
本作品はリドルストーリーという小説形態を軸に進行する。
リドルストーリーとは、
簡単に言うと、結末を読者に全面的に委ねる小説とのこと。
まあ、寸止め?
ギリギリまで書いて、後はお任せします!ってこと。
テレビ的に言えば、
「CMの後、驚くべき事実が!?」
とか言って、CMの後が無いまま終了…って感じかなww
主人公、芳光がバイトする古本屋に、ある日、女性が来る。
先日亡くなった父の書いた、作品を見つけて欲しい。
手元には、その結末の一行だけある。
五つ。
結末の前にあるはずの、五つの「結末のない物語」を探してほしい。
芳光も微妙な立ち位置。
お金が無くて休学中。
父の一周忌。
母の存在。
その立ち位置を補完すべく作品捜索に勤しむ。
そして、辿りついた結末は?
実に日本的なウェット、ウェット、ウェットな背景がありつつ、
ソリッドな謎解きを展開する。
流石、米澤。
そして、最後に読者に問いかける。
で、結末は、何?
巧い。巧すぎる。
ミステリに「解」はいらない。
そんな暴言も許される作品。
※「もう一つの趣味は「ランニング」ですから」
- 作者: 米澤穂信
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2012/04/20
- メディア: 文庫
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