ドラマチックを排除したドラマ
「地のはてから 上」(106/144)
「地のはてから 下」(107/144)
乃南の筆力に脱帽
普通の人間の普通の暮らしを描いているだけなのに
引きずりこまれます
実は「ニサッタ、ニサッタ」の前段なんです
貧しい家族の物語
20世紀の半ばの生き様が、そこに在ります
夢を見て、北海道に移住して
夢に破れても、尚、生きていく主人公・とわ
とわの不器用さに焦らされるも
とわの不器用さに圧倒的な力を感じるんです
器用に生きていけるならば
まあ、成功した、余裕のある環境にいるはずです
がしかし、人は皆「不器用ですから……」
不幸の連発
そこに、たまに、差し込まれる微かな幸福
それで、良いんですよね
生きていても良いんですよね
負けていても良いんです
生きてれば勝ちですから
本作品、全く別の切り口で見ると
無知の罪に迫っています
知らない人が、知ってる人に騙される
負のスパイラル……
その状況から脱出するにはどうすれば良いのか?
知を知らない人には
その方法を掴みとる術はないのか
社会の、厳しさ、感じます
乃南からのメッセージ
しかと、受け取りました
※「もう一つの趣味は「ランニング」ですから」
- 作者: 乃南アサ
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