ルールを作るリスクと悦び
「ダークゾーン・上」(156/144)
「ダークゾーン・下」(157/144)
様々な切り口で読める作品です
解釈も様々でしょう
現実の世界とゲームの世界の関係性は
特定されていません
そもそも
現実とゲームという二極化すら
明示されていないので
非常に自由に読める、まさにゲームのような作品かと
作品内のリアルをどこに定めて読むか
プレイヤーに委ねられています
出てくる「ゲーム」のルールが素晴らしい
絶妙なバランス
筆者にのみ都合が良いだけでなく
読者と筆者が対決できるフェアなルール
どうやったら勝てるのか?
不利な状況を覆せる可能性はあるのか?
もちろん、小説なので
最終的には作者の思惑で全ては動いて行くのだが
読んでいると
その思惑を感じる隙は無い
本当にシナリオのないドラマのような錯覚に陥る
ちょっと間違えば
自分勝手で、適当で、ルールとして認められない
と詰られるリスクを越えて
貴志は
読者を弄ぶ悦びを感じているのだろう
だから読書は、やめられない
※「もう一つの趣味は「ランニング」ですから」
- 作者: 貴志祐介
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(20111021-20121120.166/144)
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